3-3
人間ではない――か。
見た目が違えば人間ではない。
それで、いいのか?
「なぁ、レイヴン」
『何でしょう?』
「人間同士ですらトラブルだらけ。相手が何だろうと気にしないさ」
人魚のことは何も分からない。
意思疎通ができるかもしれないし、できないかもしれない。
だが、何事もこちら次第だろう。
「まぁ、何か言語的な要素があれば、
『それは人間同士が前提です。ジェイ』
「じゃあ、俺とレイヴン。お互いに話ができる。人魚とも上手くできるさ」
『それは私が支援用人工知能であるからでして……』
心配しても仕方がない。
身振り手振りは私が、言語的な部分はレイヴンが担当。
仮に人間相手でも言語や文化が違えば、初対面のリスクは変わらないだろう。
レイヴンを旅のサポート役にしたのはこのため。
「何か他に
『そもそも、捕食対象に
「ジョークか?」
『真剣です!』
レイヴンの目が緑色に変わる。本人はいたって真面目らしい。
このAI、そんな心配をしていたのか。
「だったら、目を合わせた時点で喰われていたさ」
『それでは困ります』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます