第8話 テコ入れ

そりゃ現代人だし、電気の利用はしてる。

でもスイッチの理屈ぐらいは説明出来ても、発生させて届けるところは専門知識が必要な人間が何人もいる。

それを何とかせいと?

「…学校は?」

「学校とは?」

ダメだこりゃ。国民全員が基礎知識皆無っていってもいいだろう。

国家百年の大計をそこらのおばちゃんにしろと?

ムリムリムリ。

「千年かけても何とかしたいの?」

国王陛下が喚く。

「すぐにだ!」

侍従たちになだめられる。

さっきの侍従長らしきおじいちゃんに聞かれた。

「千年あればよろしいのでしょうか?」

「さぁねぇ?これから種蒔いて、人が育ってからの話だからねぇ」

それもやるなら一番最初の種蒔きだ。基礎の基礎、教える人、を育てる。基礎が出来て応用へと進むんだから。

「側室にも出来ん、役立たずの女はいらんわ!」

国王陛下、なんか喚いてますが、まだ若そうなんで色々期待してたのかな。三十代後半、四十前に見える。

いや、ウチへ帰してくれればいいんですよ。

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