とある村の青年、弥助が助けた狼は山の神様でした——

ひょんなことから出会った弥助と不思議な力を持つ山の神様、琥珀。この作品はそんな異色な二人が『贈り人』として、行く先々で出会った人から人へ送り物を届けるオムニバス形式の物語です。

送り主からお届け先へ、ひとつの『物』から託された『想い』を繋ぐ物語。一期一会で織り成す人間模様と感情を、目に浮かぶような情景描写が綺麗に彩ります。
あるときは人と人ならざるものであったり、またあるときは夫と妻であったり……

読み終えると、どこか切なくありながらもほっと一息つけるような、そんな不思議な感覚で優しい気持ちになれる作品です。

これから二人が繋いでゆく縁を、あなたも一緒に見守ってみませんか？