第109話 追記~後日談 その4~
◇◆◇
「・・・それで、なんで『
「・・・。」
「いやいや、ウルカさんとハイドラスとの『
僕は今、僕自身の『精神世界』に強制連行されていた。
そこで、アルメリア様とセレウス様と会話を交わしているのだが・・・。
っつか、呼び出したんなら、ス〇Ⅱやってないで、こっち向いて貰いませんかね?
さっきから、フンフンッうるさいんすけど。( ̄▽ ̄;)
後・・・、何かコワイ。((((;゜Д゜)))
「そういう事を聞いてるのではないっスっ!そこまでやったんなら、何で
「ちょっ、アルメリアの嬢ちゃんっ!少し落ち着きなってっ!!!」
「いやいや、現段階で『ライアド教』や『ハイドラス派』との全面的な『敵対行為』は避けるべきでしょう?腐っても『ライアド教』は、
珍しく感情的な表情で、アルメリア様は僕の行動を批判するのだった。
それに、僕と
「・・・すいませんっス。それに関しては、アキトさんの『主張』が確かに正しいっスね。・・・『
「・・・俺ら『神々』にも、それぞれに『感情』が存在するからなぁ~。『役割』に縛られている間は、その『役割』に従った合理的かつ理想的な『判断』が可能なんだが・・・。」
ほぉ~。
聡明なアルメリア様がそんな事を言うのは珍しい、っつか新鮮だなぁ~、とは思ったが、そういう“
つまりは、僕が今まで見てきたアルメリア様は、『管理神』としての『側面』と、『忘れられた神』としての『側面』だった訳か。
んで、今現在のアルメリア様が、本来の“
「なるほど、本来のアルメリア様は、意外と過激な『思想』もお持ちなんですね。いえ、批判するつもりはありませんよ。こんな『世界』でなら、“疑わしきは罰する”とか“暴力を持って解決する”と言うのも分からなくはありませんからね。そうでなければ、
「っ!!!???」
「っ!!!あ、アキト・・・。お前、もしかして、気付いてっ・・・?」
「いえ?まだまだ僕の『霊格』は、その『域』に達していませんからね。
「「っ・・・!!!」」
おや、お二人が黙ってしまった。
結構、的を射た『仮説』だったのかもしれない。
しかし、そこまで驚く事でもないだろうと思うが・・・。
今までの経緯を見ていれば、お二人(おそらく、ルドベキア様も)は特別な『関係性』にある事は疑い様がない。
と、言っても、恋愛的な感じではなく、どちらかと言えば、『親子関係』、あるいは『兄弟関係』に近いモノだろう。
そして、これもセレウス様の発言から、セレウス様とハイドラスが、ただならぬ『因縁』を持っている事はほぼ確定的だ。
ここからは『推測』の域を出ないが、その事が要因となって、その結果としてセレウス様が『
ま、それが原因かは知らないが、その果てで
それほど親しい『関係性』の者達が、セレウス様の身を案じたり、あるいは何かしらのセレウス様との『因縁』を持ち、セレウス様が『
と、言うか、そっちの方が今までの経緯的にしっくりくる。
今まではそれが表立っては見えなかったが、ハイドラス、ひいては『ライアド教』や『ハイドラス派』に対するアルメリア様の『個人的』な『感情』が見え隠れした事で、この『仮説』はかなりいい線いっているのではないかと僕は思っている。
まぁ、先程も述べた通り、『
「あいかわらず、底知れん奴だなぁ、お前は・・・。俺でさえ、お前を今だに『
「いえいえ、僕なんて結構単純ですよ?基本面倒くさがり屋で、他者に対してあまり干渉しない、自分の好きにしたらいいんじゃね?って『スタンス』ですし、まぁ、やる事はやりますけどね。」
「「・・・。」」
じとーっと、疑いの目を向けるお二人。
いや、正にその通りでしょ?
一応、僕なりの『倫理観』や『正義感』は持ってはいても、それを持って、『世界』を正そうなんて高尚な考えは持ち合わせていない。
それは、『英雄』の『称号』を与えられた今でも変わらないのだ。
基本的には、僕はそれぞれが自分の好きに生きたらいいと考えている訳である。
まぁ、当然、他者に迷惑を掛けない事が理想ではあるがな。
(前々から思っていたっスけど、アキトさんは少し達観し過ぎじゃないっスかね?いえ、彼の『精神年齢』を鑑みれば、分からなくはないっスけど。)
(いや、人間、そう簡単には悟れないモンだが、アキトは少々特殊でな。アルメリアの嬢ちゃんも、アキトの『前世』は、多少
(ええっ!?そんな風にはとても見えないっスけど・・・。)
(それは、アキトが並外れた『精神力』を持っているからさ。まぁ、これは追々話してやるよ。)
(はぁ・・・。)
うん、何だかお二人で『念話』している様だが、僕にはまだそれを『傍受』する事は出来なかった。
まぁ、悪い感じもしないので、とりあえずスルーしておこう。
「それで、それを問い質す為に僕は『
僕は、そう話題を切り替えた。
「まぁ、それだけでなく、一応進捗の確認の為に、な。今回は俺達も、あまり詳しく『
もしかして、『
あるいは、僕の『
いずれにせよ、セレウス様とアルメリア様にまで影響が出たのは予想外だったが、これなら問題なくハイドラスにも影響が出ている事だろう。
元々、今現在のセレウス様は、僕の『プライベート』を尊重してくれている。
いくら僕の『
一応、僕も年頃の青少年なモンで。///
まぁ、ある程度はセレウス様自身、あるいはアルメリア様自身の考えで、『現世』の『情報』を収集している様だが、今回は『
「ええ、問題なく。それと、期せずして『
「ふむ。それも含めて、お前はウルカとやらを見逃したのか?」
「まぁ、そうですね。『
「ああ、その可能性を失念していたっスねっ!」
アルメリア様が僕の見解を聞くと、理解を示してくれた。
「もちろん、『ハイドラス派』の者も含めて
「確かにな。良い悪いはともかく、人ってのは、最終的には『感情』で判断しがちだからな。」
「そうっスね。」
何だか実感がこもってるなぁ~。
まぁ、『神々』ともなると、様々な人間の『負』の部分を見てきたのだろう。
僕も『
「しかし、話は分かったが、よくハイドラスの野郎が
「ああ、それに関しては、少し実験的な方法を試させて貰いました。もちろん、ある程度は他の方法でも可能なのでしょうが、確か、ハイドラスは『信者』達の『目』を通して『情報』を収集しているハズですよね?んで、今回の件には、『
「い、いつの間にそんな『術儀』を・・・。」
「いやいや、アルメリア様が『ヒント』はくれていたでしょ?『領域干渉』、ま、僕の場合は『結界術』ですが。」
「なるほど。“
複雑な顔をしたアルメリア様が、セレウス様と顔を見合わせていた。
何か変だっただろうか?
『結界術』を応用すれば、例え『アストラル』と言えど影響を与えられると考えた訳だが・・・。
(まさか、そんな手法があったとは・・・。)
(セレウス様は、『情報』は『専門外』っスからね。しかし、それでも、アキトさんの『発想力』は凄いっスよ。『神格』が上か同等程度であれば、そんな事せずともお互いの“干渉”を打ち消す事は可能っスけど、いくら『神性』の『領域』に達したとは言え、人の身であるアキトさんが、『
(アキトの恐ろしい所は、その『力』でも『能力』でもなく、その『発想力』と『工夫』かもな。格上相手でも、相手を出し抜く事や思いも寄らなかった事を仕出かす事が可能だ。あるいは、そう『
「んじゃあ、今回の件は、全てアキトのプラン通りにいったって事でいいんだな?」
「そうですね。『
「“
「いやいや、
「一体何をされたっスか?さしつかえなければ、教えて欲しいっス。」
これまでと一転して、興味津々とアルメリア様が僕に問い掛けてきた。
「えっと、多分お二人も御承知だとは思うのですが、ウルカさんと共にいた『ハイドラス派』、正確には『
「その通りだ。いくら『
「けど、実際には彼女は
試す様にアルメリア様が、僕を見つめてきた。
ようやく僕の知っているアルメリア様っぽくなってきたな。
「その答えは結構単純です。今現在の彼女の『中身』は、言わば『魂』や『霊魂』の『代用品』として、
「ふむ、ほぼ正解っス。短期間の内に、よく『アストラル』の事を理解している様っスね。」
「まぁ、僕の場合は、『オタク的知識』もありますからねぇ~。」
「しかし、そうなると、そのエネアとかいう女の『中身』は、『偽物』になってる訳だよな?」
「そこら辺は、あまり大した違いではありません。言わば『残留思念』は本来の『魂』や『霊魂』の『コピー』ですから、端から見れば、そう違いが分からないからです。それに、本人も自分が『偽物』である事には気付いていないでしょう。ハイドラスとしても、『
「ふむ、それは面白い見解だな。んで、それと“
セレウス様は、先を促した。
「元々僕らは、『至高神ハイドラス』や『ハイドラス派』に対する『情報』があまりありません。これは、彼らも様々な勢力に対する対抗策として、『情報規制』や『情報操作』、『印象操作』などを駆使して、その『全体像』をぼかしているからですね。まぁ、『情報』が重要なのは、今さら議論するまでもないので、そうした『セキュリティ』の存在は当たり前の話ですがね。また、『全体像』や『至高神ハイドラス』の『実像』をぼかす事によって、人々に『想像』の余地を与える事にも一役買っています。穿った見方をすれば、『神秘的』で『ミステリアス』な方が、人々の興味を惹きますからね。もちろん、セレウス様やアルメリア様ならば、ハイドラスの『情報』に詳しいかもしれませんが、『制約』によって明かせない事も想定出来ます。」
「まぁな。奴に関する事、っつか、俺やアルメリアの嬢ちゃんなんかの『高次』の『存在』の詳しい詳細は、人々に伝えるのは『
若干複雑な顔をするセレウス様だが、僕は別にお二人を責めている訳ではない。
「それは承知しています。それは、もしかしたら
「・・・なるほど。『
そのアルメリア様の言葉に、僕はコクリッと頷いた。
「ええ。言葉を選ばずに言うならば、彼女達を殺さずに生かして帰した方が、『利用価値』が高いと判断したんですよ。若干、人でなしだなぁ、と自分でも思いますがね?」
苦笑しながら僕は自嘲気味にそう言う。
「「・・・。」」
「ま、まぁ、それはともかく、その『情報源』として、ウルカさんと『
「なるほどな。で、具体的には、どの様な事を
「それに関しても、実験的な方法を試していますので、まだ何とも言えないのですが、僕なりに解釈した『
「「・・・応用?」」
頭に疑問符を浮かべたお二人は、顔を見合わせる。
「ええ。まず、『絶対条件』としては、
「ふむ・・・。」
「フンフン・・・。」
何だか、いつもとは異なる“立ち位置”だなぁ~。
いつもは、僕がお二人に教えを受ける『立場』だったが・・・。
しかし、まぁ、考え様によっては、人の身とは異なる『立場』であるお二人には、究極的には人の『気持ち』などは理解が及ばないかもしれない。
そうした意味では、人の身でありながら、『神性』の『領域』に至り、『神々の
「しかし、そうなると『
「なるほどな・・・。」
「本来ならば、今現在の
「その通りです。ぶっちゃけると、『
「それは・・・、『
「それで、『
「その通りです。すなわち、
「なるほどな。つまり、『
セレウス様は、一定の理解を示しながらも、懐疑的な意見を述べた。
「おそらく大丈夫じゃないかと。と、言うのも、僕はすでにエイルの『支配権』、ニコラウスさんとエイルとの『
「・・・それに?」
「いえ、別にバレたとしても、こちらとしては別に損はないのですよ。結果としては、ウルカさんに加え、『
「そうかっ!『
「彼女達に対して、ハイドラスが行った『裏工作』が露見します。彼女達がハイドラスの下についた経緯も、実はただの『
「・・・お前のお得意の『フェイント』って訳かい。相手に『取捨選択』の機会をあえて多く与えて、ミスや自滅を『
「そうですね。自分の『ペース』に持ち込むのは『戦術』の基本です。そうした意味では、今回の件だけでも、ハイドラスが『戦術家』として、実は大した『力』を持っていない事が分かりましたよ。」
まぁ、先程述べた通り、ハイドラスには長い事『ライバル』がいなかった訳だから、それも致し方ないとは思うけどね。
しかし、こちらとしては都合が良いので、あの手この手を使って、“
(・・・コイツ、ここまで恐ろしい『策略家』だったっけか・・・?)
(『限界突破』してからの成長速度がハンパないっスね・・・。すでにワタシ達すら想像出来ない『域』に達しつつあるっスね。」
(まぁ、俺らとしては心強いがな・・・。細工は流々、仕上げを
(そうっスね。ワタシ達としては、アキトさんのいく末を、サポートしながら、見守る事とするっスかね・・・。)
「・・・ところで、何故ス〇Ⅱを?」
「いや、何かアルメリアの嬢ちゃんがやろうって・・・。俺、あんまりこの手の『ゲーム』は得意じゃないんだけど・・・。」
「アキトさんもいかがっスかっ!?」
「いや、僕もあまり得意ではないですが・・・。」
いや、ス〇Ⅱは『格ゲーブーム』の火付け役だったから、僕も多少は触れてはいるんだけどさ。
後、春〇が好き。
「まあまあ、そう言わずに・・・。」
「はぁ・・・。」
その後、セレウス様と二人、ものの見事にアルメリア様にボコられました。orz
何か、アルメリア様ってば、鬱憤が溜まっていたみたいっすわー。
妙に晴れ晴れとしていたアルメリア様を眺め、僕らは肩を落としていた。
・・・くそー、実際の『戦闘』なら、こんな事ないんだけどなぁ~。
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