第二一章 【レイカ】(2/2)

「ウチに武器を。とびきりエグイ武器を!」

 カレー☆パンマン、仮面とったらやっぱりカリンで、

「みんな! 速攻でポイントゲットするよ!」

 ポイントゲット?

そっか、これはココロが出るはずだった最後の戦いなんだね。

なら、カリンがポイントガードだ。このゲーム任せたよ!

「ナナミ、ぼっとしてないで、サイドあがって」

「うるさいね。言われんくても上がるわ」

 ナナミ。あんたの突破力にかなうやつはいない。当たって来るやつみんなぶん投げてやって!

「ミワ、ゴール下お願い」

 立ち上がった。こっち歩いてくる。

「行け! ミワ!」

 ミワちゃんのゴール下は絶対の安心。ミワちゃん、本当にゴメンね。

「セイラ、スクリーンお願い。大丈夫。ウチら蛭人間に気に入られてるみたいだから」

 そういえばセイラたちのこと蛭人間が全然攻撃しない。ウチの時はあんなにグイグイ来たのに。

「シオネ! 分かるかい。ナナミのパス受けて、ココロに渡して」

 シオネ。大丈夫?

「ココロはそこでポスト!」

 ココロ。頑張って! みんなも頑張って! ウチここで待ってるから! 絶対ポイントゲットして!

「行くよ! 辻女」

「「「「山椒は小粒でピリリと辛い、なめてっとすり潰す!」」」」

 絶対負けらんない! 勝ってヒマワリを取り戻すんだ!


ゲーム開始の笛が鳴る。

カリンが邪魔する蛭人間を交わしながら階段を駆け降りて、サイドを上がるナナミにパスを投げる。

ナナミがそれを受けてさらにサイドを上がれば、寄せて来たカーミラ・亜種をぶっ飛ばして、すかさずパスだ。

ナナミからシオネにパスが通る。ハッとさせたがギリギリのところでキャッチ。さすがシオネ。

シオネは、演壇前に構えたセイラのスクリーン使って、邪魔するゲリ男改めセーヘキ改め改・ドラキュラをかわし、

フェイクで惑わせながら、ポストのココロにパスを出す。

パスは見事にココロにわたって、振り向きざまのココロのシュート。

ウチの手に届きそうなところでギリギリ町長に払われて、武器は壇の下に。

落ちたかと思えば、

そこにはミワちゃんが。

ミワちゃんがきっちりリバウンド取って、すぐさまココロにパスを回せば、

ココロの上から押さえる町長の汚い手を交わし、

アウトサイドに控えたカリンにダイレクトパス。

「カ・リ・ン・キ・メ・テ」

 ココロがしゃべった?

カリン、完全ノーマーク。涙を一拭き、ココロに向かって頷くと、狙いを定めて打った! 

スリーポイントシュート!

そしてその時、ギジドーの鐘が12時の時を刻み始める。ボーン、ボーン、ボーン……。

武器はゆっくりゆっくりウチの方へ。

キレーな放物線を描いてくるくる回転しながら飛んできたのは、

ピカッピカの水平リーベ棒? 


水平リーベ棒は必死にのばしたウチの指にかすりもしないで、落ちて行く。

(「カリン、ハズすから」)

(「それな」)

(「しかも、カンジンなとき」)

(「それー」)

(「4ピリ残り三秒、逆転のスリーポイントとか」)


ズブブブブブーーーーー! 


ギジドーに響く鈍い音。

町長の脳天に水平リーベ棒が突き刺さった。

ウチが抱き着いた町長の全身が

ブルブルブルブルって震えはじめて、

押さえてらんなくなって離したら。

うわ、きっも。

ばったりその場に倒れた町長。

白目むいて激しく痙攣しだした。

そして爆発炎上! 制服フェチのの変態町長が消し飛んだ。

同時にギジドーの全ガラスが粉々に弾け飛ぶ。

爆風でわやくちゃになってる会衆の中、カリンが一人こぶしを突き上げて、

「よっしゃー! ブザービーターっしょ!」

 ガッツポーズもつかの間、そこらじゅうの蛭人間が破裂しだして火を噴き、ギジドーは一瞬で火の海状態。


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