第八章 【ヒビキ】(3/3)
お偉い皆さん社長に尻を蹴られるように会議室出て行った。
それから30分、まるで居残りシュート練習って感じだな。ずっと質問攻め。社長の聞きたいことは、それじゃないんじゃないですか?
「あの社長。会長のことですけど」
「そっちもあったね。どう?」
「会長は町長と何かやってます」
「何かって?」
「まだ、はっきりとは分かりません」
「分かりそう?」
「会長の足取り追っていけば」
「どうやって?」
「会長は常時位置情報取られてて誰かに行動を監視されてるみたいで」
「あー、それね。あいつにスマフォ当てがってやった時からずっとそうなんだけど、バカだから全部行動把握されてるのに気付いてなくてね」
だから会長って車乗るといっつもシガーソケットから電源とって繋いでたんだ。位置情報サービス使うせいで電源早くなくなって。
「ヒビキんところに足しげく通ってたのも記録されてたな。3年前だけど」
いいえ、社長。通ってたんじゃないです。だって、あたしはですね、せっまい公団住宅に母親と同居ですから。
「東京の本店がダメになって、カスをこっちに戻したけど置き所なくってね。新人のあんたを付けて閑職与えてやったら、あんたに手を出した」
社長、なんか誤解があるみたいです。
「あんたには申し訳なかったね。すぐに引っ剥がしてあたしの手元にとりあえず置いたけど」
とりあえず? 聞いてない。
「ところが、あんたは名前の通りよく響くっていうのか、勘所知ってるってのか、言われる前にいつの間にか結果出してる。気付けばなんでも頼めるようになってた」
で、そのなんでもというのは?
「白いエクサス、欲しいだろ?」
「はい」
「夜勤の後、シャワー浴びたいだろ?」
「もちろんです」
「じゃあ、よろしくお願い」
「期日は?」
「変わらず」
「7末と9末ですね」
「報告は完了届だけでいいよ。しばらく会社出なくていい。専念して。で、これ持って行きな」
おー、プラチナゴリゴリカード。沿線8女高の夏服姿がプリントしてある。これって冬バージョンもあるのかな。ん? 辻女のモデルの子、ひょっとして失踪した辻川ヒマワリさん? まさかね。
7月末は町長をコロス。エクサスLFAが手に入る。
9月末は会長の始末をつける。会社でシャワールームが使えるようになる。
トリマ、ヴァーチャルがリアルになったってことでおk?
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