第三章 ヒビキはひたすら調査する

第三章 【ヒビキ】(1/4)

 お師匠さん、今日はご機嫌ですね。相談はなしでしょうか? その後の進展とか聞きたくありません?

「ヒビキさん。本当にありがとうございます。あの人に会って下すったようで」

 はい。三社祭のすり合わせの時、カワイがホントーにこれでいいんですかって念押ししてるのを、宮司さん、巫女さんと話に夢中で、いいよいいよ好きにやってって。ははーん、これがお師匠さんの言ってた悪い遊びだなって思って、宮司さんが席外したときに、巫女さんのこと睨みつけときました。お師匠さんの恨みって。

「いかがです。お仕置きしていただけそうな様子でしたか」

「とっちめることぐらいは」

「手ごわいですよ、あの人は」

 そうかな、お師匠さんが知ってること話せば、案外すぐに手を引きそうだけど。

「お師匠さんが絡んでることは言っては?」

「ダメです、絶対にいけません。それができるのであれば、疾うに私が懲らしめています」

 社長と言い、お師匠さんと言い、どうしてこの世代の人は男にこうも弱いのかね。男なんぞ切り捨てたって、こっち、びくともしなかろーのに。

「では、粛々と進めさせて頂きますので」

「どうぞ、よしなにお願いします」

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