オレの召喚獣、『シルバー』爆誕!!

 すると、白い半透明のパネルとキーボードが現れた。


『名前を決めて下さい。【Name:】』


「コイツの名前か?お前ってそもそも……オス?メス?どっちなんだ?……っまぁ、どっちでもいっかぁ!!う〜ん……」


 可愛い鳴き声上げるんだけどな……でも、コイツ猛毒吐くしな!?銀龍だから……

 頭を悩ませた。

 そして、思い付いた名前が──


「銀龍だから……『シルバー』でどうだ?そのまんまだけど!!」


 そう呟くと、目の前の≪銀翼のシルバー・毒龍ベノムドラゴン≫は雄叫びを上げ、翼をバタバタと上下に振っている。


「喜んでるのか、怒ってるのか全然伝わんねぇんだけどさ!?お前の名前……『シルバー』な!!」


 オレはキーボードでパネルに【シルバー】と打ち込んだ。それに呼応するように、可愛らしい鳴き声を上げた。


 改めて、辺りを見渡してプレイヤーが居ないのを確認する。


「……誰も居ないな?シルバー、ちょっとお前の背中に乗らせてくれ!!」


 こらからクロユキがする事……全くそんな事をする必要は無かったのだ。本人は知らないのだが、ここを迂回すれば崖の斜面が緩くなり、クロユキが目指そとする先に辿り着けたのだ。

 そして、アップデートが完了し、第2層が実装されたばかりの今、また【始まりの街】で響き渡ったアナウンスを聞いたプレイヤーたちは、この【森と泉】に集まるであろう事は予想出来た筈だ。


 こんな事をしてしまったら、集まるプレイヤーたちからの視線が注がれるに決まっていた。

 こうして、自ら掲示板を盛り上げてしまうのだ。


 ≪銀翼のシルバー・毒龍ベノムドラゴン≫は脚を曲げて腰を下ろし、背中をクロユキに預けた。


「じゃあ……よいしょっと!!」


 そう呟いては銀龍の背中に飛び乗り、崖の先を指差して……


「シルバー、そこまでオレを連れてってくれ!!」


 そう指図した途端、雄叫びを上げて翼を勢い良く羽ばたかせて舞い上がった。どこまで高く舞い上がるのだろうか。みるみる木々が小さくなって行く。


「すっ、すっげぇーっ!!なぁ、シルバー!!お前、すげぇな!!オレ、飛んでるよ!!」


 すると、≪銀翼のシルバー・毒龍ベノムドラゴン≫の身体は下に向けられて、降下を始める。風に煽(あお)られて髪が靡(なび)く。


「今度お前と、この空をのんびり飛び回りたいな!?」


 そう呟くと、それに応えるように、

「ギューーーーン!!ギューーーーン!!」

 

 と、鳴き声を響かせた。


「そう言えば……シルバーってスキル有るんだよな!?それっ……試してみよっかな?」

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