次回予告

NEXT TIME

「さてと……、お次は……?」 


 後ろ姿のヴィンセントはレコードケースを漁り一枚のLP盤を手に取った。

 年季の入ったベルトドライブ方式のターンテーブルに盤をセットし、丸い再生ボタンを押し込む。

 銀色のトーンアームがゆっくりと移動して盤面のトレースが始まった。

 

 ――Next time次回.


【BITTER END】



***



●Today's Vincent's Selection

 

 セロニアス・モンク 「ブリリアント・コーナーズ」


 ジャズ・ピアニストとして多くの尊敬を集める天才、そして奇人。

 セロニアス・モンクはチャーリー・パーカー、ディジー・ガレスビーと並んでビバップ創世期のパイオニア的な存在だ。

 マイルス・デイヴィスのバンドから離れたジョン・コルトレーンが彼のバンドに加入し、そしてコルトレーンに音楽の技術を授けたと人物ともされている。

 またマイルスとのレコーディングで起きた「事件」は、その真偽のほどは定かではないが後に「喧嘩セッション」と呼ばれ、誰と共演しようが自分を曲げないモンクらしいエピソードとして語り継がれている。

 アルバム:ブリリアント・コーナーズは凄腕サックス・プレイヤーのソニー・ロリンズが参加した。表題曲:ブリリアント・コーナーズは不協和音で始まるイントロをはじめ、セロニアス・モンクの「異端さ」が垣間見れる屈指の名曲だ。だが五人のモンクがなんとも言えない笑みを浮かべて明後日の方向を見つめるこのジャケット。これはなかなか不穏だ。

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