私に投票してください! 生徒会長選挙バトル2
「…………なにこれ?」
「…………私に聞かれても困るのですが」
顔写真の他には太字で明るい学生生活と言う文字と麗華さんの名前が書いてあり、更には何かの映像データの再生ボタンもありました。
「えっと、押しますか?」
「ま、まあ怖いもの見たさって事でいっちゃおっか」
私は映像を再生すると、麗華さんが海辺で走ったり色んな服に着替えたりと言ったイメージビデオの様な映像が再生されていきました。
「…………これは選挙に関係あるのでしょうか?」
自分大好きな麗華さんが自分の魅力を全校生徒に見せるける…………って感じの思惑なのかも知れません。
「あれ? なんか下に項目が無い?」
「――――下ですか?」
私は下を見ると凄く小さな文字で公約一覧の項目が置いてあるのを見つけました。
「…………普通はこっちがメインなのでは」
「とりあえず見てみよっか」
忍さんが画面にタッチして項目を選ぶと、麗華さんが会長になったら実行する事が100個くらい並んでいて、見てるだけで目眩がしてしまいそうです。
「え~なになに。朝の挨拶をごきげんように変更に、学食にフランス料理を追加?」
「なんか思った以上にどうでもいい事ばっかりですね」
読むのが面倒になった私は画面を閉じようとすると、ふとある言葉が目に入り画面を閉じる手を止めました。
「あれ? まだ見るの?」
「いえ、ちょっと気になる文字がが見えた気がして――――」
改めて見直してみると、なんと公約の下の方に学食からラーメンを無くすとの一文が書いてあったのです。
「なっ。なんですかこれは!?」
「学食のラーメン結構好きなんだけど、麗華が会長になったら無くなっちゃうってわけ!?」
「麗華さんに確認してきます!」
「あ、ちょっと。さくら~」
私は麗華さんの場所まで急ぎ、早速問い詰めてみる事にしました。
「あの、今朝貰ったデータの事なんですが――――」
「おーっほっほっほ。わたくしのプロモーションビデオを楽しんでくださったのかしら?」
「いえ。そっちはどうでもよくて、公約の方なんですけど」
「わたくしの考案した100の公約ですわね? あれが全部実現されたらこの学校が素晴らしい環境になる事、間違いなしですわ!」
「その。ラーメンの所だけ取り辞めにする事は出来ませんか?」
「ラーメン? ああ、時々学食に出てくるアレの事ですわね。あんな庶民の食べ物、わたくしの口に合わないので一生学食から排除ですわ!」
ええっ!? これは全く取り付く島がありません。
説得するのも無理そうですし、こうなったら…………。
「わかりました。そっちがその気ならこっちも受けて立ちます!」
私は麗華さんに宣戦布告すると、教室から出て職員室へと走って行きました。
―――――そして、職員室では休み時間の先生達が生徒会選挙の話で盛り上がっているみたいです。
「井上先生は誰が次の会長になると思いますか?」
「そうですね~。中川麗華さんが演説してるのをよく見ますが、他に誰が立候補してましたっけ?」
「前会長の妹さんも立候補してますね。真面目な子なんですが少し地味というか、派手なことをしてる中川さんに比べたら不利な感じも見受けますな」
「――――という事は、立候補者は2人だけなんですか?」
「今の所はそうですね。あと1人くらい立候補してくれないと、賭けが盛り上がらなくてつまらないですよ」
先生たちが談笑を続けていると、突然ガシャンと扉を開く音が職員室に響き渡り。
「だったら私が立候補します!」
と、私が職員室やってきたのでした。
そして私は職員室に入っていき、担任の井上先生の机の前まで行き先生に要件を伝えます。
「あら? 風宮さんも立候補するの? 立候補の理由は?」
「はい。急に権力が必要になったので!」
「ふふっ。先生、風宮さんの欲望に忠実な所とか好きよ。――――じゃあ手続きはこっちでやっておくから後は頑張って!」
「任せてください!」
―――――と、いう訳で。
「第1回。選挙対策会議です!」
「わ~。…………って何であたしが巻き込まれてるのよ!」
急きょ借りた会議室には私と忍さんの2人だけが居ました。
「他に暇そうな……………コホン。他に私を助けてくれそうな人が見当たらなかったので」
「暇そうって何よ! ――――まあ桜の家のラーメンが学食から無くなるのは寂しいから、手伝う事はいいんだけど」
「おおっ!? 流石、忍さんです!」
「べ、別に桜の為じゃなくてラーメンの為なんだから。そ、そこだけは勘違いしないでよねっ!」
「くふふ、ちゃんとわかってます。それじゃあ会議を始めましょうか」
「それで? まずは何をするの?」
「まずはこれを見てください」
私は電子ボートに集めたデータを表示しました。
「麗華さん陣営のデータです。知っての通り麗華さんにはお付きの人が学校に何人かいて、その人達に選挙活動を手伝ってもらってるみたいですね」
「ふ~ん、そうなんだ」
「選挙に勝つのに人員は最優先! なのでまずは私達も仲間を増やそうと思います!」
「――――えっと。人を増やすのは別にいいけど、誰かあてはあるの?」
「任せてください!」
――――――私達は会議室から出て校舎の隣にある部室棟へと向かっていきました。
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