116話【召喚師は何処に?】
◇召喚師は
玄関ロビーから大部屋の109号室までは、西に向かって
誰も遊んでいない
「――あちらになります」
従業員である女性、メイリンに案内されていく一行だが。
一人、非常にそわそわしている者がいる。
フードで完全に隠れてはいるが、
リューネ・J・ヴァンガード。
元の名をリューグネルト・ジャルバン。
この国【リフベイン聖王国】出身であり、エドガーの元・同窓生。
そして、
(めちゃくちゃ見られてる……やっぱり、あの時戦った黒髪の子よね?あの後
サクヤの
サクヤ自身、ドロシーの事など気にかける事が多くなり、
【
(あの従業員の人……ノインさんの
リューネとドロシー、両者を
(エドガー君の
不安材料は、なるべく
(それに、エミリアはどう動く?私が戻ってきている事を知ったら……戦いになるかもしれないし)
次にあった時は戦う時と。覚悟して離れた
リューネには、ノインやレディル以上に
◇
「では、何かありましたら……こちらのベルを鳴らしてください。誰かが
「……ありがとう」
深く頭を下げるメイリンに、ノインが一言述べ。
「……ありがとうございます、では……
「はい……ごゆっくりどうぞ」
「うむ……」
メイリンはスマートに仕事をこなし、ドロシーは少し
サクヤはまだ
パタン――。
「「「……」」」
ノイン、レディル、リューネが
「「「はぁぁぁぁぁ~~~」」」
クソでかため息を
オルディアは「ふぅ」と一息を
「……どうすんだよ。あの黒髪のチビ、
「わ、わかってます……だから
不安そうに、リューネが言う。
そしてノインは、
「あのドロシーって従業員がスノーだけど……あいつ多分、
「そうなんですか?」
「マジかよ……」
スノードロップの
「ここに戻ってきて、多分
一番
気を張らなければならない相手が大勢いた事もあるだろうし。
何より、エドガーと直接会ってしまった事で、緊張の糸が
「まぁ直接バレちゃいないんだし……【
追手も聖王国に近づいているはずだ。
「俺らはどーすんだ?顔バレしてんだぜ?」
レディルとリューネだ。
エリウスもだが、この部屋にいる以上は安全。
しかし、問題は一つも解決してはいない。
「そうですよね……一度は敵対していますし、私はこの宿から
レディルはエドガーやローザに顔を見られている(フィルヴィーネも)。
そしてリューネも、この宿から【化石】を盗み出した
「それはアタシ等が何とかするよ。スノーも、ずっとあの姿をしている訳じゃないだろうし……【
思い出してくれれば。
「ノインさん?」
「――あ、ごめん。とにかく、食事のお願いや入浴なんかは、オルディアに
エリウスのフードを脱がせながらオルディアは「が、頑張るっ」と気合を入れる。
「……何かあればこちらから言うって言ったけど……
この部屋まで来る
その
「それにしてもよぉ」
レディルがへたり込みながら言う。
「その【召喚師】はどーしたんだよ。いなかったよな?」
「そ、そう言えば……いませんでしたね、エドガー君」
「……《石》を外してるから、気配も分かんないけど。スノーが宿の中にいるんだし、どこかに……いや、多分地下だよ」
【召喚の間】で何かをしている。そんな
「なんで分かんだよ?」
「……【召喚師】は、基本的に【
今まさに、“召喚”の為の“魔道具”を探しているとは
ノインは知りうる事をつらつらと。
それに対して、意外な事にレディルが。
「――いいのかよ、そんな事をペラペラと……
言わば、【召喚師】を引きずり出して戦えばいいのだと言ったようなものだ。
だがノインは、自信ありげに。
「大丈夫。だって――」
「だって?」
リューネが
ニヤリと笑う。そして言う。
「だって……――そのための異世界人なんだから、さ」
【召喚師】。
この国で“不遇”職業と
しかし、戦いの場では使えず、時間もかかり道具も必要。
“召喚”出来る場は【召喚の間】と限られ、戦地ではおそらく足手まとい。
だが、今代の【召喚師】エドガー・レオマリスはどうだ。
弱点である自分自身を守らせるために、異世界人と言う
しかし、その【異世界召喚】と言う力を
長年の“不遇”も、近年の
「【召喚師】は変わっていくんだ……
ノインの言葉は、
しかしレディルもリューネも、
「きっとこの先……遠くて近い未来、世界は生まれ変わる――っと……こんな話をする予定じゃなかったね……アタシも、帰って来て安心しちゃったみたいだね。忘れて……とは言わないよ」
そんな
“悪魔”の《石》を
そして、ベリアルに見せられた近い未来の
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます