81話【姉妹のこれから】
◇姉妹のこれから◇
ローザの傷口から
「――ロザリーム・シャル・ブラストリアの物語は終わったですって……?一体何が!!どう終わったというのよ!!」
転生し同じ
しかしローザは
それどころか、何かを
「言った通りよ。私は、ロザリーム・シャル・ブラストリアを
その言葉に、スィーティアはよろりと足元をふらつかせる。
信じられない。
あれだけ自分を自分とたらしめた名を、捨てると言ったのだから。
自分自身の
そうとしか、とれなかった。
「……う、うわあああぁあああぁあぁぁぁぁあっ!!」
「……スィーティア王女」
スィーティアは取り乱す。
目を見開き、涙を浮かべ、口を大きく開き
その
小さく、現在の彼女の名を呼び、悲しそうに
もう、ローザはスィーティアを妹としては見ない。そう決めた。
自分は生まれ変わる。この異世界で、新たな自分として。
そう意思決定した瞬間、ローザの中で何かが
この世界に来る時にあの空間、【
それは、きっと自分の中での気持ちの変わりようが
どんな力に生まれ変わったのかは分からない。
しかし。
(身体が熱い……今にも燃えだしてしまいそう)
ローザは両手を見る。
(ダメ……押さえないと……これは、
「あああああ!お姉さま……!お姉さまぁぁぁっ!!」
一瞬だけ
《石》のバフを最大限に活用して、自身の能力を高めた一撃を
「――スィーティア王女!」
ローザはそれを槍で受ける。
ガギィィィンッ!と甲高い
二人が
「「きゃっ」」
「うおっ!」
ぶわっ――と風が起こり、ローマリアのドレススカートが
「……か、風が……
エミリアは気付く。
スィーティア王女は、ローザを穴が開くのではと言うほど
「スィーティア王女!《石》の力を
「――うるさい!うるさい!うるさぁぁぁぁい!!」
聞く耳を持たないスィーティアは、【
「――うっ……スィーティア王女!!」
少しカチンときた。
ローザは
周囲の魔力に反応し、剣と槍の
小さな爆発だったが、
反動でスィーティアは
「うわああああ!お姉さま!!ロザリームゥゥ!!」
左手の《石》を
自分自身を
(お願い――使えて!)
「……【
ローザの願いに魔力は反応し、スィーティアの足元から炎の壁が
炎は見事に二人を
「使えた!……イケる!!」
《石》はつけていない。それでも、その
自分でも
「【
左手を
スィーティアの《石》の反応は動いていない。おそらく炎の壁を斬っているだろう。
がむしゃらに、考える事などせず。
魔力によって生まれた
吸い込まれるように炎の壁の一部となった。
そしてその瞬間、向こう側では。
「この!!こんなものぉぉ!!――っっ!?」
スィーティアは怒りのままに
当然意味はなく、魔力を
何度目かの斬撃の後、
――ザシュ!ザシュ!ズシャァ!!
「がっ!うっ!……あぐっ……!」
炎の壁から
矢は壁の炎を
肩、腰、
倒れ、焼ける身体を
そんな
そしてその先には。
「……く、うぅぅ……お、お姉さま……!」
自分を
◇
まだ、そんな目で私を見るのね。
きっと、私の
私の物語の始まりは決まったわよ。
後は、
「スィーティア王女
私が向ける槍の切っ先を、スィーティア王女は
初めに言ったように、私は負けてもよかった。
こんな
きっと、エドガーも喜んでくれるはず。
「――ふざけないでっ!!お姉さまを殺すまで、私は……!!」
そこまで、
元の世界で、もっとこの子を見てやれたら、
いいえ――きっと同じね。
運命と言うものは、
「……なら、私は死ねないわね……でも、
「――!!」
私は今、どんな顔をしているかしら。
ほら、目が泳いでいる。
どうしたんだって言いたいんでしょう?
私の
分かる。分かるよ。私もそう思ってた。
でもね、今までの世界に
だから、その時まで。
私は、この世界で生きていく。
「終わりよ。スィーティア王女!」
振りかぶり、炎を
瞬間に爆発は起こり、目の前は真っ赤に
「――あああああぁぁっ!!」
それは
決別を
「――アルベール!!」
私は、初めてエドガーの幼馴染の名を呼んだ。
彼は、その意味が分かっているかのように、スィーティア王女が
やはり、エドガーの幼馴染だ。
「分かってます!」
アルベールは受け止め
気を失ったスィーティア王女は、
「……お姉、さま……私……私は……」
ガクリと意識を失ったスィーティア王女の両目からは、
しかし、私は見ないフリをして歩き出す。
きっとまだ、この子は
でも、私とこの子の運命はこの先、
そんな気がするの……これは、姉だからかしら。
さようなら、ライカーナ……
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