76話【奔走5】
◇
【
そこは、野菜などを育てている【サザーシャーク
「うわぁ~。こんなに広かったんですね!メイリンさんの家の畑」
広さに
隣にいるのはここの
「そんなこと無いわよ。
【
その代わりと言っては変だが、
以前サクラとサクヤの二人が、メイリンと一緒に出掛けた時は、
「今度は、あそこもゆっくり見てみたいですね」
サクラは
実際、
こっそりと、サクラは
「……どうかした?」
「あ~、いや。あたしの世界の野菜の種とかなら……持ってきてもいいかなぁ、って思って」
「サクラの世界の、野菜!!」
「――わっ!メイリンさん!?」
予想以上に食いついて来たメイリン。
実はメイリン、前々からサクラの世界に
しかも
サクラは
その手の小さな袋には、【二十日大根】【カボチャ】と書かれていた。
「それって、もしかして!」
「あ、はい。種です」
(いいよね。これくらい……今更だし)
サクラは、この世界に自分の世界の技術や情報を持ち込まない様にしようと考えていた、が。
それは当初であり、
「わぁ~!これ、貰っていいのかしら?」
「どうぞどうぞ」
メイリンの笑顔に、サクラは今更
◇
【
誰もいない暗い場所で、小さく光る魔法陣があった。
上空の
そして、スーーッと、暗闇に生え出る
「……はぁ……
指に
今し方、発動した二回の《魔法》で、《石》に内蔵した魔力を全て使い果たしたからだ。
一度目は、緑の所持者に向けた
二度目は、この足元の魔法陣を
二度の《魔法》は、小さな《石》の魔力を全て使い果たして、光を失くしたのだ。
「うふふ……それにしても、
メルティナを空中で
【魔女】ポラリス・ノクドバルンは、いやらしい笑みを浮かべて舌舐めずりをした。
「……」
ポラリスは
「まさかあの
【魔女】は笑う。それは不吉の
【召喚師】を取り巻く
本人の知り
その一つは、今【魔女】ポラリスが手に持つ、一枚の
◇
暗い暗い地下室。
欠けた【
それは、この場所にある【
中央には魔法陣を
そうだ。今、ここには一人の人物がいる。
コツコツと、ブーツの
真っ先に、その人物は一つの
まるで、初めからそこに目的があるかのように。
「……あった」
手に取ったそれは――《石》だった。
所持者のいない、【
「……ふふふ……見つかっていないなんて、《
この《石》は、以前に置いたものだ。
少年を成長させる為の
「――合う所持者が見つからなかったのでしょうね。現に他の二つは、所持者を
三つ程置いた、魔力を
その内の二つは、
「……」
問題は、今この《石》の
右手に持ち、左手で《
「――動くな」
「――っ!?」
この場合どちらが
「――この宿に立ち入った事までは大目に見ようと思ったが……これは
ピクリ――と、振り向こうとする人物。
「動くなと言ったぞ。
「……いえ、いつ気付かれていたのかと思いまして」
「この宿に入って来た時……いや、正確にはお前がこの
フィルヴィーネはその人物の肩を
その瞬間、彼女に
「――
「……――
フィルヴィーネが肩を
仮面を
――スノードロップ・ガブリエル。その人だった。
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