66話【エドガーの進み方】
サブタイトル変更しました。
元【魔道具を求めて3】
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◇エドガーの進み方◇
【
「な、何やっているのかしら、
「さ、さぁ……なんだろね」
あれでは
「それで、私たちは
「さ、さぁ……なんでだろね」
二人は
エドガーに
どちらにせよ、二人して同じ行動をしたと言う事だけは
「……動かないわね」
「ホントに何してんだろ、エド」
このままいれば、本当に
「――あ!エドが動くよ」
「そうね」
エドガーは
「ノックしたね!」
「この家に用があるのかしら?」
「う~ん、いや……知り合いじゃないよ、多分」
エミリアの言葉は、確信ではなく個人的な
しかし、貴族に知り合いがいるとも思えないのは本当だ。
「あ、出てくるわよ」
「……貴族の奥様、だね」
出てきたのは、下級貴族の若奥様とその娘さんだった。
やはり、知り合いとは思えない。
「……なんで……」
「エ、エド……?」
二人は
「なんて言って……」
「き、聞こえないよっ」
二人は
それを
「頭、下げてるね……」
「ええ。相手も、いきなりあんなことされて
小さな娘さんなんかは「なんだこいつ」みたいな感じでドン引きして
そりゃそうだ。
「なんか……
「――いえ、それよりは……頼み込んでいるように見えるわね」
「ねぇローザ……【心通話】で聞こえないの?」
「……《石》とリンクしてないから無理だわ……」
そっと、ポケットの中の【消えない種火】に触れる。
「あ……ごめん……」
「……いいわよ、別に」
ローザはクスリと、笑って許した。
エミリアも気まずい事を口走ったと
エミリアは、今の今までローザを最優先にして、不用意な事は言わない様にしていたのに、エドガーを見つけてしまって、
ローザはそれを笑ってくれたのだろうが。
「あ……奥様が戻っていくよ」
「すぐ戻ってき――」
「「――あっ!!」」
エドガーはその様子に嬉しそうにしていたが、戻って来た若奥様は、
出ていこうとするのではないかと、エミリアを押さえようとしたローザ。
しかしエミリアは、その様子をじっとして見ていた。
「――もう、
「……?」
エミリアは思い出していた。
ローザが“召喚”される前、エドガーが【
エミリアは
しかし、立場を悪くしたのはエドガーだった。
結果としてエミリアは、エドガーの客を一人減らしたのだ。
けれども、エドガーは何一つ
今も、必死に何かを貴族の奥様に
笑顔で、ずぶ
「……」
エドガーは、奥様に何かを言いながら外の方を指差す。
「なんだろ……
「そうね……でもあれって、ここの家の物ではないでしょう……」
「うん。どこの
つまりは、どこぞの貴族が街を
「なんでエドガーはこの
「いや……さっぱりだよ……あ!奥さんが外に出て来たよっ」
「
奥様は怒りの
思いが通じたんだと、そんな感じに見える。
「……ん?あれって……まさか、《
奥様が持ち上げた
「え!?ま、まさか……エドはあの《石》が欲しくて?わざわざ
「そ、そうかもしれないわね」
「……な、なんでそんな事、
花や
しかも、
「……
「あんな小さな《石》だよ!?
「そうかもしれない、しれないけれど!エドガーはあの《石》がどれだけ……」
どれだけ
だからこそ、
しかしエミリアには分からない。
あの《石》がどれだけの
その
「わからない……わからないよ私にはっ!」
「分かるようになれ何て、
ローザは、
「せめて信じてあげて……
「……ローザ」
炎の《石》の
「わかってる……わかってはいるんだよ、でも……エドがあんな思いをしている事を……私は今まで知らなかった……それが一番っ」
涙を
「……
ローザはエミリアの頭を
ガシガシと、少し
目を
そして目を開ける。その
「「……」」
エドガーが
「エドガー……」
「エド……」
エミリアとローザが少し目を離している
エドガーはそれを、
先に水を被っていたせいもあり、エドガーの緑色のコートは
それでも、エドガーの言葉は。
「……お礼……言ったね」
「そうね」
そしてコートの土を落として立ち上がり、
「めっちゃ嬉しそう……」
「なんて笑顔で……」
二人は
エドガーはその《石》をポケットにしまって、
「これだもの、
「
ガックリとしながら、二人の
◇
「終わった?」
「ええ、帰ったわ……多分」
エドガーは
ローザとエミリアは、バレないように後をつける事も考えたが、
「エド、《石》の為なら、自分の
「……」
そうと言うよりは、誰かの為ではないだろうかとローザは思った。
エドガーが持っていた《石》は、小さな
それは、ローザの【消えない種火】と同系統の《石》。
「そう……ね」
エドガーの行動も、全てが理解できる行動では無いが。
彼が自分の不利を
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