50話【黒銀翼と白銀牙】
◇
未来ある少年。ラインハルト
その様子を、大臣と二人の騎士も
「――ラインハルト・オリバー・レダニエス
初めから
しかし、
いや――思い知らされたのかもしれない。
「そうか……それは
ラインハルトに頭を下げさせなかったシュルツの気遣いと、覚悟を持った
「――聞いたな。ボーツ大臣」
「……は!」
ラインハルトはボーツ大臣と、背後に待機する騎士二人に
騎士二人も、「ははっ!」と
「シュルツ殿は
ラインハルトの言葉は、後ろに待機する二人の騎士に向けられた。
「え……!マジで――じゃなくて、本当ですかっ!?」
「そ、それは……こ、
後ろに待機していた騎士二人は
ここに居る時点で、実力はあるのだろうと思ってはいたが、シュルツは
一人はショートカットの女性。
もう一人は、言葉使いで分かるかもしれないが、軽い
年齢は、二人共20歳を超えるかどうかといったところだ。
「ああ。ルーク、それにアイシア……【
「――は、はい!
「お任せ下さいよ!!
ドンと任せろ!そんな風に言うルークと呼ばれた青年。
二人は、以前からのラインハルトの
それだけ、実力
「――ゴホン!では、【
「えぇ!?そこは俺じゃないんすかっ!?」
「
「なんだよ連れねぇな……はぁ……」
「ふふ、
「なんだよ、一番盾って。槍じゃねーの?」
二人でやり取りをする事に、ボーツ大臣はわざとらしい
「ゴホンゴホンゴホン!!」
ババッと、背を正す騎士二人。
そっと笑うラインハルトの笑顔を見たのは、シュルツだけだった。
「では
「ああ、
【
ラインハルトは席を立ち、
それが分かっているかのように、ボーツ大臣は頭を下げた。
副団長ルークは、ラインハルトの後をついて行く。
団長アイシアは、ボーツ大臣と話し合いをする為に残り。
シュルツは。
(なるほど。何も言わなくても、それぞれが次の行動に移せるのか……確かにこれは、聖王国では見ないな)
新しく決まったばかりの団長として、アイシアは話をする必要がある。
だから残るのは当然であり、必然的にラインハルトの護衛をしなければならないのはルークになる。
それを、言われるまでもなく行動に移し、ボーツ大臣も自分が【
シュルツは
“魔道具”の開発をするには、確かに
しかしきっと、ラインハルトは数日もかからずに用意してくる事だろう。
【
(……さて、どれほどのものかね……レディルくらい
◇
自室までわざわざ迎えに来た女性に、シュルツは心の底から
「……いや、
「ラインハルト
シュルツの目の前で、その当人に
名をカイネラ・リューソンと言う。高身長の22歳。
緑色の軍服を身に
シュルツは
「いやー、キミのように若い女性が部下か……なんだか緊張するね。よろしく頼むよ」
シュルツは毒づかれた事を完全に無視して、棒読みで女性の手を取る。
グッと
(それでも何も言わずに俺に
「……いえ。こちらこそ……それでは
「……はい?」
だがしかし、シュルツも仕事が嫌いな訳ではない。性格的にも
しかし、まさか紹介されて
「ーですから仕事です。前任者の
「……」
シュルツは一気に
一度
「――何をしているのですか?
スタスタと一人歩いて行ってしまうカイネラ。
有無も言わせないままに、彼女は
「あぁ……
シュルツはカイネラに付いて行く。
向かう先は、帝国最大の“魔道具”
近い未来、【アトラクシア研究室】と名付けられる、その場所だった。
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