24話【従騎士の団長】
◇
リエレーネ・レオマリスを
事の
ノエルディアに
その“魔道具”は、
聖王国の“魔道具”の大半は、【聖騎士団】が
残りの半分は【召喚師】エドガー・レオマリスが持っていると考えてもいい。
ノエルディアは、
レグオスの言い分を聞き終えて。
リエレーネは、非常に気分の悪そうな顔をしていた。
見守っていたレイラまでもが気を遣いそうになるくらいに。
「リ、リエ?」
むすーっと
「……だ、だけどさ……レイラしかいないだろ?」
「はぁ!?――まだ言うのっ!!」
仲直りの
――そうではなかった。全然なかった。
「いったぁぁぁぁっ!!」
「いででででっ、いだいってリエレーネ!!」
レグオスの右手、レイラの左手の手首は、回らない方向へ回され。
お
しかもリエレーネは、二人の足を
「ごめん!リエごめん……
「マジでごめん!もう
言い分はまだあるだろうが。
レイラもレグオスも、痛みが
「なら、いいけど……」
パッと離し、解放されて痛みの
短時間で、二回も
「それでレグオスさん。レイラも覚えがないんだし、この件を他の誰かに聞きましたか?」
「いだだ……え?……あ、いや、聞いてない、けど……」
レイラからの
「うん。それじゃあ、いきなりレイラを
「そ、れは……そう、かも……」
リエレーネの言葉に、激しく
そしてレグオスも、頭を
「――レイラ。その、悪かった……ノエルディア様の
頭を下げる。
「形だけでないでしょうね……」とでも言いたそうなレイラだが、一応レグオスの
「分かってくれればいいわよ。それに、“魔道具”がないことは事実だし……私も、事前に調べておけばよかったわ」
こういう流れが、
【聖騎士】に
だが、【
いざこざが数多く起こるのだが、リエレーネが
今この場にいない他の【
彼女らの姉妹
特に、エミリアの【
姉のラフィーユは、
「――さてと。そうとなれば、“魔道具”を持って行った方を探しましょうか……」
「そうね」
「だな。万が一
半眼で、空になった木箱を
「私が当番になったのは今日の朝よ。前日は……団長だけど……」
【聖騎士団】や警備隊にもいるように、【
今の所どの【聖騎士】にも
「
「ええ。そうよ」
レイラは、
ユング・シャ-ビン【
前大臣の
リエレーネ達の団長であり、【聖騎士団長】クルストル・サザンベールの秘書も
「その団長は?」
「クルストル様の所では?」
誰の担当でもないが、
「……
「……ですね」
「……だなぁ」
秘書であり騎士でもある
そんな事を言っていると。
カチャリ――と開くドア。そこから入って来たのは、
◇
ユングは、入ってくるなり言う。
「――そこに集まって何をしているのですか?」
両腕に
空になっている木箱の中身だろう。
なんとかドアを開けて、お尻で扉を開き。
「どなたか手伝って頂けますか?」
「……あ、はい!団長」
リエレーネが、瞬時に動く。
そんなリエレーネと、レグオスをジロリと横目で
レグオスは居た
「――団長。どうなさったんですか、それ」
リエレーネが、大量の
確かに、手伝えと命じれば
「“
ガラガラと
それが発光し、レンズを通して周囲を照らしているらしいのだが、初めて見た時のレイラとレグオスの反応は面白かった。
リエレーネのみ、家で“魔道具”を見慣れていた事もあって
「じゃあもしかして、
「ええ、そうよ」
「――ですってレグオス。何か言う事は?」
「マジですみませんでした!!」
身体を
当然意味が分からないユングは、二人のやり取りに
「……何が?」
「あはは……実は……」
先程のやり取りを、今度はリエレーネが説明し始める。
そして、この話の
◇
【聖騎士団長】クルストル・サザンベールは、自室で“魔道具”を受け取る。
受け渡してきた女性の手は、まるで作り物の様に
「――
受け取った物は、【
声を遠くに届ける事ができる帝国産の“魔道具”、その片割れだ。
「でしょうね。あいつは
「――よく言う」
ふふふと笑う、桃色の髪の
【リフベイン聖王国】第一王女セルエリス・シュナ・リフベインだ。
ドレスを
「帝国の“魔道具”……ここまでの物を、
「無理ですよ。まず魔力が無い……それは殿下もご存じでしょう。それに、
【
その人物とは、ユング・シャ-ビン。
大臣の秘書として聖王国に
「
「そうですね……
「今は?」
「はい。今は、です……彼女は、俺に
「……そうか。それならば、充分に使わせてもらおうか……」
そう言い残して、セルエリスは席を立つ。
「お送り致します」
「
立ち上がろうとするクルストルを制して、セルエリスは出ていった
「……」
クルストルは思い出す。ユングとの出会いを。
あの日、命を助けられたユングは多少の
それは、自分の死を覚悟したものだっただろう。
しかし、それを聞いたクルストルは
それどころか、自分の秘書として採用したのだ。その
『
その言葉を受けて、ユング・シャ-ビンは命を救われた。
帝国に戻ると言う
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