16話【帝国の異世界人1】
◇帝国の異世界人1◇
異世界人ノインの動物的な行動に笑う、シュルツ・アトラクシア。
「――あらあら、そんな大きな声を上げて……いったいどうしたのですか?」
「ははは……あ、ああ。スノーか」
「あー!スノー!!聞いてよ、シュルツ様がさぁ!」
シュルツに言葉を
「……おっと」
スノードロップは正面に四角い魔法
「――へぶっ!!」
顔面からダイブし、ズルズルとへたり込む。
スノードロップはへたるノインの
白銀の髪をさらりとさせて、笑うシュルツの隣に座ると。
「――その様子だと、
笑顔でシュルツに話しかけるスノードロップの言葉に、ピタリと笑うのを止めたシュルツは。
それでもまだ面白おかしそうに言う。
「……ああ。君が
二人は、シュルツの目的を知っている。
長年の付き合いで、その様な行動も考えも、全てを
しかし、スノードロップとノインの二人には、別の思惑がある。
それを
「――では、近いうちに聖王国に
シュルツは立ち上がると、
「……いや。まだだよ……レイブンの探し物もあるしね。
「はぁ……【
ため息を
その名を出すだけで、
「ああ。彼女が
「……ええ、まぁ」
「それが
「単に
しかめっ面をしながら、【魔女】の
「――あははっ。スノーってば変な顔っ!」
「……彼女は、協力してくれているとはいえ、その行動が謎過ぎる。特にここひと月(90日)、
「……そう、ですね……」
(……
何かを考えているスノードロップに、シュルツは。
「――そんなに
「……え、ああ。いえ……そうですね……」
シュルツの言葉に、スノードロップは心底
「――ええ!勿論嫌です……それでなくても同世界の出身、あの【魔女】がわたくしの世界で
考えを
◇
大空を
それを
【四大天使】ガブリエルとして、この場にいない三人の分も
『
数々の“天使”を撃ち落としては高笑いを浮かべる、人間の女。
彼女は世界を平和に
『……わたくし
白銀の翼を羽ばたかせ、槍を
《魔法》の準備をしながら、部下の“天使”達が進路を開けるのを待つ。
程なくして進路を
『……――
『――あらぁ?……これはまた
ポラリス・ノクドバルン。
英雄の可能性を秘めたと言われた【ブラストリア王国】の王女、ロザリーム・シャル・ブラストリア消失の
ポラリスは
落下していく“天使”は、他の部下が確保し、スノードロップはひとまず
『……わたくしの名はスノードロップ。【四大天使】の一人、ガブリエルです……』
『……へぇ』
ポラリスは
その
『――いいものをお持ちで』
『――!?……消えっ――!』
目の前から言えた【魔女】は、突然スノードロップの眼前に出現し、スッと手を伸ばして、スノードロップの
『――なっ!?』
瞬時に目の前に現れた【魔女】ポラリスに、スノードロップは翼を広げて後退し、《魔法》を放った。
ドドドドッ――!っと、氷の槍が
先程まで“天使”達と
しかし。
『今の
スノードロップは顔を
まるで
突き刺さる
突き刺さった側の
『……いいわぁ。その《石》も欲しい……欲しい……欲しいわっ!!』
再度、【魔女】は姿を消す。
スノードロップに感知もさせず、瞬きもしない内に。
『――なっ!!――ぐっ!あぁっ……!』
スノードロップは、“天使”にしか使えない筈の《
瞬間移動で背後に回り込んだ【魔女】は、スノードロップの身体に背後から組み付いた。
『……くっ、な……何を……んんっ……!』
【魔女】は、スノードロップの
胸元に手を入れ、その
『うふふ……いい反応だわぁ。
ススス――と、
『――ちょっ!!この……
『あらら~?なんて
『……くぅ……ぁ……い、いやっ……!』
(この人間……普通じゃないっ……!《転移魔法》が
スノードロップは、その美しい顔を
スノードロップは、《転移魔法》で何度も
『――
『――ひぃっ!!』
最初に言った通り、目的は《石》の
スノードロップを
そのついでで、スノードロップはトラウマにも似た感覚を
しかし、【魔女】が《石》に触れようとした瞬間だった。
『……!?』
『――な、なにっ!?』
二人を取り囲むように、全周囲に
『――へぇ。面白そうね……』
と、目を
その【魔女】の異常ならざる
◇
「――わたくしは、絶対にあの【魔女】を信用いたしません。
「……こ、こわぁぁぁ……」
ノインは
「はっはっは……ま、信用しないって点は俺も同じだがな……」
「なぁにを笑っているのですか!シュルツ様……
スノードロップは
普段、
「……やれやれ。困ったものだ……」
スノードロップは過去に
その姿に、シュルツは疲れたように言った。
しかしそう言いつつも、
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