06話【誤解は水に流れず1】
◇
『~~~~~~~っ!!』
メルティナの説明を聞いたエドガーは、声にならない想いに頭を
その上で、【ゴウン】の事も言わなければならないと頭を
『エミリア……
『フィルヴィーネ。
腰に手を当てて、いかにも
『――だってエドが!く、くく、
『アッハッハッハ!……そんなことで取り乱すとは、やはり人間の子はからかい
休憩所のソファーに座ったまま、フィルヴィーネは笑う。
自分の部下が
『
『なってないっ!』
『――なっているわよっ!』
『なっているぞ、エミリア殿……』
ローザだけでなく、サクヤにまで言われている。
ローザが
メルティナを無事に帰らせてくれた事と、その後の説明への礼だ。
そして一方、メルティナは苦手な正座をして反省を
グスッと涙を
『いやいや……気にしなくていいわ、エドガー』
エドガーに
『正直、ここまでエミリアが“魔王”様の事を考えていたとは思わなかったけど……』
『……』
エドガーも何か思う事があるのか、エミリアを見て
『僕の
今のエドガーの言葉の、ある部分を
『……本当にエドガーしか見えていないのね、
『――いたっ』
ジト目のローザに指で
『だってあの“悪魔”が……それに、サクラの事もあって。“悪魔”は敵って言うのがあったから……つい……』
フィルヴィーネは、エミリアの言葉にピクリと反応する。自覚はあるのだ。
サクラが精神的に
フィルヴィーネも、それを自覚している。それなりに悪いとも思ってはいる。
しかし、それだけだ。
フィルヴィーネにとって、死とは
それ
⦅だが……
死んでほしいなどとは
《契約者》であるエドガーの
心に変化が
そして、エドガーが王女に
『エミリア。
『エ、エド……でも私』
『……何かな?』
『――うっ。はい……ごめん』
エドガーの笑顔の
そんな二人を見てか、ソファーに座っていたフィルヴィーネも気を変えたのか。
立ち上がり、ゆっくりと近付く。
『……!』
『エミリア……』
再度つり目を激しくしそうになるエミリア、その
『……ちょっと……フィルヴィーネっ』
ローザが、話しをややこしくするなとフィルヴィーネに言おうとするが。
『――違う。自己紹介だ……
少し優しく、それでも自分の考えを曲げない程度に。
フィルヴィーネはローザの肩をポンっ――と叩いて、エミリアのもとに
『お
『……エミリア・ロヴァルト……です』
言葉を素直に返したエミリアを見て、エドガーとローザがホッと息を
『
『――確かにそうね……』
『ローザ。
ローザが
エミリアは
『
『……うっ』
グサッ――と刺さったようだ。
ローマリア王女は、『もっと言ってやってください』と、どうやらエミリアの
『エドガーの事を大切に思う事は、お
『……はい……すみませんでした』
真っ当な事を言われ、シュンとするエミリアの
『凄い……』
『そうですね、あの時の
『そうだね……あの時……ん?』
エドガーの横に立って、サクヤが思い出したように言う。
フィルヴィーネ・サタナキアは、【
エドガーとサクヤは、一度
それは、サクヤの《石》である【魔眼】の力を見る為だったが、そう言えば、その時フィルヴィーネの手の甲にキスをしたような。
⦅――あ、あれかぁぁぁぁぁっ!?⦆
エミリアが何に怒っていたのか、
それをリザに聞いたのだろう。
幼馴染のだらしない所を言われて、きっと腹を立てたのだと、エドガーは想像する。
もう一度、今度は本当に優しい笑顔で、エミリアに寄り
『ごめんエミリア。多分
ローザが結んだ赤い
ダメ男が浮気を
『何を言ってるのかしら……』
『わ、私も……ごめん。なんか色々……ごちゃごちゃになっちゃって。でも、エドが言うんならそうなんだねっ。
『……』
『……』
『……』
エドガー、サクヤ、フィルヴィーネは無言だった。
ローザ、メルティナは、『やはり』と言った感じでエドガーの背中に
『……えっ……?』
エミリアは、笑顔でエドガーを
たらりと、エドガーは
何と言えばいいかを、ひたすらに考えているようだ。
一瞬が長く感じられたが、言葉を
その言葉で、エミリアとフィルヴィーネの関係性は決められてしまった。
『――事実だが?ほれ、ここにな』
そう言って手を差し出し。
甲に口付けをしたことを
『……エド』
『――は、はいっ!事実ですっ!!ごめんなさいっ……!』
暗い影を落とすエミリアに、あっという間に
⦅あ~あ、
⦅
ローマリア王女と【聖騎士】ノエルディアは、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます