05話【幼馴染、憤慨3】
◇幼馴染、
メルティナの飛行魔力(緑色の光の
『か、構わないわっ!ノエルディア、姉上をお通ししなさいっ』
バーーーン――!!と、
その扉はノエルディアが押さえた。
『……あれ?』
『どうしましたか?ティア姉上……』
何事もなかったかのように振る舞うローマリア。
エミリアも内心の
『マリア。誰かいなかった?』
『誰か?……ここには私と、新米【聖騎士】のエミリア・ロヴァルトしかおりませんよ?』
『……ふ~ん。そう……おかしいな、感じたんだけど……』
スィーティアは、
そこには、
⦅まさか……それで感じ取ったと言うの……?メルティナさんの《石》を⦆
スィーティアは、魔力を持たない聖王国民の中でも
【
《石》の名は、【
『……何て言うのかな……緑?みたいな波動を感じたのよね。あと
『……よく分かりませんが。ティア姉上だけでしょう、それが分かるのは……私にもエリス姉上にも、理解できぬ
『――ま、そうよね』
この何者にも流されない性格がスィーティアの持ち味であり、王族らしからぬ言動やその力から、
『それにしても姉上……
『……確かにそうね。そう言われればそうかも……何年ぶり?』
『い、いえ……そこまでではないですが……
マイペースで
『ま、今日はエリス
エミリアを
その笑顔は、どことなくローザを思わせた。
『よ、よろしくお願いします!スィーティア
『うん、よろしくエミリア。お兄さんにも会ったわよ。いい男ね……気に入ったわ』
『……こ、
⦅兄さん……変なところでモテる……⦆
『んじゃ、私はこれからエリス
『【ゴウン】ですか?……
エドガー達が【
襲撃者に襲われ、その場にいた騎士達は
が、残った
しかもその報告は一切、民に知らせることなくだ。
あの日、ローマリアも【ゴウン】に行こうとした。
城から見た
しかし、
後で姉であるセルエリスに聞いた話では、
ローマリアは、まさかそれが国の英雄である【
セルエリスでさえ、王に知らせられるまで知らなかったのだ。
『うん。知ってるわよ?』
『――?……では、
『……
『――はい?』
『いや、何でもない何でもない……んじゃ、またね』
何か
完全に居なくなった辺りで、ローマリアは
『つ、疲れた……』
『お疲れ様です、
『本当に疲れるわ、ティア姉上は……』
様子を
『――私が一番疲れましたけどっ!あのまま通さなかったら、私死んでましたよっ!!仕事的な意味で!私だって気付いてませんでしたしっ!何せこの格好なものでっ!!』
本当にクビになる可能性もあった。
メイドの
『タイミング最悪でしたね……私、スィーティア様に会うの初めてですし……』
『そうだったわね。ティア姉上は最近まで
『はい。話しは少し団長に聞きましたけど……』
第二王女スィーティアは、
だが、師であるレイブン・スターグラフ・ヴァンガードが国を裏切ったと聞いて
その数、実に27人。
『27人って……ローマリア様の倍じゃ利きませんよね……』
『――ぐっ……そうね。そのせいで人手不足になって、お前のようなポンコツが採用されたんだろうしねっ』
『――うぐっ!』
『何を言い合ってるんですか、お二人とも……
『あ、はい……』
『あ、すみません』
ローマリアとノエルディアの
そう、仕事を終えなければ、エドガーの所には行けない。
何かメラメラしているエミリアに、二人は何も言えず
⦅……待っていなさいっ……!!“悪魔”リザ!!――“魔王”フィルヴィーネ!!⦆
大切な幼馴染の
そして、宿に戻る。
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