199話【出逢い4】
◇出逢い4◇
「……くっ!――剣がっ!」
エドガーは【魔剣】に
しかし、後退したエドガーの剣には、目に見える
「エドガー!大剣にしなさい……!」
「わ、分かった!」
【
【魔剣】の威力に、エドガーの剣は
剣の威力と言うよりも、エドガーの魔力そのものが、【魔剣】の威力に
だから大剣にさせ、強度を優先させた。
「――ふん、そんなことしたって
ローザとの
「……
「アハハ!そうだよ、“悪魔”ベリアルの力を持つ【
ローザは言葉を返さず、自分の思ったことを口にした。
「近くに
「……なんだよつまんないなぁ、返事くらいしてよっ……」
【魔剣】をカンカン――と床に叩きつけて、エリウスは子供のように、駄々っ子のようにいじける。
床に叩きつけられた【魔剣】からは、黒い
「……ん?」
エリウスは
(この
エリウス達帝国組が、下の
その異様な
ちらりと確認すれば、ローザとエドガーも顔を
「エドガー」
「大丈夫……剣もまだいける、まだ戦える!」
体力的な意味合いではなく、装備的な意味合いで返事をするエドガー。
ローザは
「――【
右手の《石》から巻き起こった炎は、ローザの二本の剣とエドガーの大剣に巻きつき、赤い刀身となって
その反応を見て、エリウスはローブをはためかせて後方に飛び、【魔剣】を構え、言う。
「強化かなぁ……いや、
青黒く
エリウスは、“悪魔”ベリアルの力を
「……
簡単に見破られ、ローザはやりにくそうに
その様子は、エドガーにも想像の上だった。
(ローザにいつもの
エドガーも大剣状態にした剣を
汗を流し、普段使わない筋肉に力を
戦えるようになって来たと
(――僕はまだまだだっ……“悪魔”と戦ったからと言って、対人戦が出来る訳じゃない……強い人なんて、
心で
自分なりに考えて、ローザの
ローザもそれに気付き、反対方向に走り出す。
「
ローブの人物は
床に刺した【魔剣】を抜き放って、迫るエドガーを
ガキン――と
力の差か、エドガーは簡単に
「……ぐっ!!こんな……小さな身体でっ……!!」
頭一つ分は違う体格差にも、ローブの人物は負けなかった。
エドガーの振り
「
空中で反転して、
「――がはっっっ!!――く……っはぁ!」
そんなことは分かっている。
それでも、食い下がる為に。
「――だから!甘いんだってっっ!!」
しかしエドガーのなけなしの
だが、
死角となっていたエドガーの背後に、左右に別れたと思っていたローザが、右手を
「剣だけじゃないわよっ!!」
ただの、炎。
魔力も持たない、
エドガーの攻撃を
体格差を考えれば、エドガーと
後はローザが、魔力を
「――このっ!」
【魔剣】を両手で
しかし、ほんの少し遅かった。
火炎はエリウスを
◇
もう何度攻撃を
フィルヴィーネが二人の男を相手にして、時間も少し
時間は短いはずだが、
「――クソがぁぁぁっ!」
ブンッ!と剣を振り、口の悪い男は
「おっと!」
チッ――!と、フィルヴィーネの
背後にはもう一人の男が、
その
「――っと……まったく、
近くから感じる
ピクリと反応するカルスト。
しかしレディルはそう気にしていないらしく、声を
「ちっ!おいクソ女っ!いい加減戦いやがれっ……
レディルは中指を立てて
フィルヴィーネは「う~む」と考えて、左手を前に出し。
「仕方が無い……
【
使おうとした技は
「……っ!!」
(そうか……そこまで
手も足も出せないとは
全体攻撃ならばターゲットせずに攻撃できるかも。と、フィルヴィーネは【
「――ふっざけんな!オラァッ!!」
レディルが飛び
それをフィルヴィーネは、
着地を狙ったカルストの斬撃も転がって
何度もそのような攻防が繰り広げられていたが、フィルヴィーネは
「
はぁ。とため息を
フィルヴィーネは心の底から願った。
「ローザよ、速く蹴りを着けろ」と。
◇
炎が巻き起こり、それを魔力を
「――くっ!!」
魔力を持ってしても
エドガーとローザとの戦いに、エリウスは
「……なっ!」
エドガーは起き上がりながら、相手の姿を確認して
大穴を開けた【東京タワー】のガラス窓から
貴族の様な
胸に着けられた
「……青い髪の……女の子……?」
少し意味不明に聞こえるエドガーの言葉。
その意味は、とても特別だった。
元来、聖王国に青い髪の人間はいない。
ローザの赤や、サクラとサクヤの黒ですらいないのだ、青など見かけたら
「――見くびっていたわ……【召喚師】……エドガー・レオマリス」
「……っ!」
男か女か分からなかった声は、
その動きを確認しながら、少女は。
「……
「き、君は……その髪、まさか……西の、帝国の……?」
「エドガー、知っているの?」
立ち上がったエドガーは、ローザの隣に並び立ち続ける。
知っている限りの
「う、うん……西の国、【レダニエス帝国】の
父から教えてもらった、国外の
“不遇”職業である【召喚師】が、何を言おうとも信用されなかった立場上、父エドワードの言葉を聞くのは家族だけだった。
広がる事をしない、他国の
「――その通りよ。
エリウスは、エドガーの言葉を少しだけ
帝国ではなく、魔導帝国だと。
「魔導帝国……?
「そのリアクションだけで、この国全土で知られていない事がよく分かったわ……」
そして。
「【召喚師】エドガー……私は、
「――なっ!……なんで……?」
「西の国から来た
「――そう。中央国リフベイン……その国
「……」
「魔導の国……その“魔道具”を見れば、その言葉が
【認識阻害】の
そして【魔剣】。
どれを取っても素晴らしいと認めざるを
ローザも、
「……
「何ですって……?」
小声になるエリウスに、ローザはその言葉に
「――危険なのよ、“召喚”と言う能力は……
「……
エドガーは言葉の意味が分からなかった。
聖王国に、
「“召喚”は……物を
「――そ、そんな勝手なことをっ!」
「そうね。確かに今のエドガーに……それだけの力はないのでしょう。世界を変えるだなんて、大げさもいい所だわ」
ローザの言葉に、エリウスは
「ローザ、だったわね……
「……なんですって……?」
自分の言葉を否定され、明らかに怒りを乗せた言葉だった。
しかしエリウスはひるむことなく続ける。
「……言ったでしょう?世界は
「「……!?」」
エリウスの、その大きな目で
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