197話【出逢い2】
◇出逢い2◇
ドガァァァァァァァァァァァン――!!
かなりの
「――来るぞっ!反応は三つだ!」
魔力感知の“魔道具”でエドガー達の
四人は、事前に立てた作戦通り、動き出す。
◇
「――ゲホッ、ゴホッ!」
エドガーは
「――あっちの反応をお願い」
「うむ。いいだろう」
エドガーも、出遅れない様にとローザについていく。
「……出てきたらどう?
ローザが掛けた言葉に、反応があったのは左方向。
暗がりから、コツコツと歩く
「――やあ、赤髪の魔法使い……グレムリンの時以来だ、そっちは【召喚師】君だね。知ってるよ」
「あなたは、誰ですか……?」
「……そう簡単に言うとでも思っているのかい?」
男とも女とも取れる
一見少年にしか見えない
「その
「……うん。君は、帝国の人……なのか?」
エドガーも
その人物は
「……さぁ、どうかな。
「……いや、悪いけどそうもいかないんだ……だから、君を
「エドガー……?」
エドガーは剣を
そんなエドガーにローザは、積極的に前に出る事に、嫌に
「……」
(なんだ……この感じ……肌が焼け付くようだ……胃の奥が、熱い……!)
「へぇ、
フードの奥で、笑ったのが分かった。
ゾッとする
「――ローザ!!」
エドガーは
「ちょ、エドガー……どうしたの!?」
「――
「だから、どうして!」
ローザは前に出ようとする。しかし、エドガーはそれを
不自然で意味不明な行動だ。
それを知るのは、ローブの人物――エリウスだけ。
「……
「――
「ちょっと、エドガー!」
ガシッ――と腕を
手汗もかなり
(エドガー……
不自然なほどに、エドガーの行動が読めない。
しかし、それを知っているとでも言いたそうなフードの人物は、声を掛けようとしたが。
「――!!」
「……!」
さほど遠くない場所から、音が響く。
「……ん?ああ、あっちでも戦っているんだね……」
聞こえてきた衝撃音と
「――さて、
ローブの中、腰元から取り出されたのは、剣だ。
赤黒く、血に染まったかのような長剣。
それに、ローザが気付く。
「――【魔剣】ですってっ!?」
「ああ、知っているんだね……そう、これは【魔剣ベリアル】……“悪魔”を封じた、最強の一振りだよ」
“悪魔”を封じたと言う言葉通り、その剣には《石》が
【
「エドガー……
「“悪魔”より……!?」
たった一本の剣が、
それは、ローザの
「【召喚師】君はどうでも……はよくはないけど、個人的にはそっちの魔法使いを消したいんだ」
「――け、消す!?」
平然と強烈な言葉を口にするローブの人物に、エドガーも剣を
(クソっ……――何なんだっ!この感じ……まるで、誰かに見られているような……気味の悪い感覚……汗が止まらない、手も
「それじゃ行くぞっ、魔法使いっ!!」
「エドガー
ローブの人物は動き出し、ローザも戦いに入ろうとした。
別れて二対一の状況を作ろうとしたローザに対して、
ぴったりとくっついて、まるで
ガギン――!!
ローザを
「――うわっ!!」
「……くっ……」
ローブの人物の剣は重かった。
【魔剣】と言うだけではない、何か別の物が
「……はぁ?――ふざけてる?」
戦う気が感じられないエドガーに剣を向ける。
ヒュン――っと、首筋に向けられる【魔剣】。
「ん~?
ガキィィィィン――!!
ローブの人物は後方に飛び、
剣には
「……その
「「――なっ!?」」
倒れるエドガーも、剣を
◇
その一方で、フィルヴィーネは困っていた。
確かに、相手をするとは言った。
しかし、その相手は
「――ロザリームめ……上手く使いおって、
「――てめえっ!このクソ
「
戦闘は
ゆっくりと歩いてきたフィルヴィーネを、レディルとカルストが
だがしかし攻撃は当たらず、フィルヴィーネは全ての攻撃を
そして、それがフィルヴィーネの困っている理由だった。
「……」
(困ったものだ。
フィルヴィーネは、何も
攻撃そのものが出来ないのだ。防ぐことも出来ず、
その理由は、フィルヴィーネに与えられた能力が
【世界の
この能力は、元“神”であり、“魔王”であるフィルヴィーネ・サタナキアの能力を、限界点まで下げる力だった。
それだけではなく、
「――ふざけやがって!!」
「ふざけてはいないのだがなっ」
レディルの剣を
「貴様、その身のこなし……いったい何者だ……この国の者ではあるまい、北か、南か……いや、それとも……――
「……ほぉ、お主
カルストの言葉に、フィルヴィーネは目を細めて
その言い方がレディルの
「クソ女ぁぁぁぁっっっ!!」
「――おいっ!落ち着け!……俺たちが
カルストはレディルに近付き止める。
そして小声で。
「リューネを
「……ちっ!分かってんよ……クソがっ」
腕を振り払い、フィルヴィーネを
「貴様が異なる世界からの
(
フィルヴィーネは、横目でちらりとエドガーとローザの方向を見る。
小柄な人物と戦っている様子だが、実に動きずらそうにしていた。
(……まったく、何をやっている……
当初の
それはまだいい。
問題は、フィルヴィーネは攻撃できず戦いにすらならない事と、エドガーもローザも、子供の様な追いかけっこをしている
そんなさまを、
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