182話【あほ面《ビコン》】
◇
頭を下げ続けるローマリア王女は、
緊張は
一国の王女が、一般市民であるエドガーに頭を下げる。
それだけでも物凄い場面に出くわしているのだが、後ろで
そして、
エドガーもローザも、サクラを見ていた。
思えば、きっと
だから、サクラが
真剣に頭を下げる王女を見て、異世界の少女は何を思うのか。
「――頭を上げて下さい、王女様」
サクラはため息を
「別に、王女様に悪気がないことは分かってます。あと、自覚が無いのも」
「……へ?」
「――ぶっ!」
ローマリア王女はポカンとし、【聖騎士】オーデインは
「――オーデイン!!」
オーデインは「これは失礼を」と、形だけは
隣のレイラが
「すまないサクラ殿……続けてくれ」
「……はい。あたしは……仲間の為なら
死にたくなった現実から、
「だから、彼の
「――っ!!……サクラ殿……そのお言葉感謝する、ありがとう!」
サクラの
サクラが言いたい事、それは。王国が
だが、国が関係なければ?
サクラが考えている事は、
「ふぅ~~……済まなかったエドガー。ローザも、私はやはり【
王女はゆっくりと一息
王命であろうと、この世界の住人ではないローザやサクラ達に、
それは初めから分かっていながら、ローマリアは
サクラに、それを教えられた。ローマリアはサクラに顔を向けて笑顔を見せる。
先程からしていた
サクラも、空気の変わった王女からそっぽは向くが、その横顔は笑みを浮かべていた。
「――それじゃあ、サクラも
「べ、別に
「あはは、分かってるよ……ありがとう、サクラ」
ローザが張り詰めた空気を壊してくれた。
エドガーも分かっていて、何も言わなかった。
◇
<……これでいいですか?>
エドガーは、【心通話】で
<……ああ。それでいい……
今のやり取りの中でエドガーが口数が少なかった理由は、フィルヴィーネと【心通話】で常にやり取りをしていたからでもある。
そして、フィルヴィーネに
サクラが王女に食って掛かって行った時。フィルヴィーネが、止めようとしたエドガーを
<だがこれで、話しはこちらに
<……はい。ありがとうございます>
フィルヴィーネの言葉に、エドガーは気を引き締める。
エドガーの気持ち
◇
「――もう王命はどうでもいい。いやどうでもは良くないのだが……それでも私は、友にお願いをするわ。まだ関係性はほんの少ししかないけれど、それでも、私がエドガー達を
「それはそうでしょうね。私も同じよ……私も、城に行くこと。それがエドガーの為になると思っているから、こうして行動することを選んだ……別にローマリアがそんな
「……えぇ」
「――あ、それはあたしも。今言ったのは本心だけど、最初から
「……ええぇ」
「僕もですよ。
遠回しに
それをしなかったら、ただの使いっぱしりになってしまう。
「――わ、私の
ガックリ肩を落とし、
「ふふ……ローマリア、今の
「――!?……あははっ……そうでしょうねっ!!」
今のは
「フハハハハハ!!!ヒィー、ヒィ……フハハハハハ!!」
ローマリア以上に涙を流して、過呼吸になりながら大爆笑していたのだった。
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