160話【キャンプ】
◇キャンプ◇
ローザが
フィルヴィーネは
「……
「あぁ……ローザ。目を覚ましましたか……どうです、体力の回復は出来ましたか?」
「ええ。そこはありがたかったわね……
ローザは、
メルティナの
「時間的にも、
赤い髪を指先でクルクル
「これは……
「そうよ。エドガー達にね、時間も時間だし私も
「……そうですね。
ローザは、休めた事で
二人は
◇
一方でエドガー達はというと。
装甲車【ランデルング】の中に
組み合わせを間違えた
「はぁ~~~~、
「ですね~……《魔界》は知りませんけど~……――で、
リザの言葉にサクラは機嫌よさげに
そして、下にいる誰かさん。サクヤに声を掛けたのだが。
「……した」
ムッとしながら答えるサクヤ。
「――絶っ対してないわね……ったく、あんたが
ちゃぱちゃぱと、
「……ぐぅ~」
涙目で、サクラが入る湯船の下にある火種に息をかける。
そう、【ドラム缶風呂】だ。正確にはドラム缶ではなく、エドガーが【ランデルング】のあまった装甲(薄板)で作った
サクラはその
「あれ~?あっついんですけど~」
「申し訳がございませぬっっっ!」
「――はぁ?」
「――ごめんなさぁぁいっ!!」
月が
一人で
◇
(ローザとメルティナ、フィルヴィーネさんの事も気になるけど……あれだけお腹を鳴らされちゃあね……あはは)
外でメルティナとフィルヴィーネの戦いを見ていたエドガーは、【ランデルング】の小窓から「きゃっ!」という小さな
そこには、びしょ
「やってしまった」と、居た
実はサクラには、今回かなり頑張って貰っていた。
エドガーが今キッチンで調理を出来ているのも、サクラのおかげだ。
それは
もしかしたら今回は地味に、ローザ達に引けを取らない魔力の
このフライパンもそうだし、
(サクラには感謝だな……ローザ達もお腹を空かせてる頃だろうしね)
自分達も腹ペコではあるのだが、エドガーの考える先はいつも自分以外が
もし、びしょ
「よしっ!出来た……皿、皿……あっ!!皿がないっ!?」
六人分+αの
(どうし……このままでも……いや、食事は大切だ!気持ち良く食べてもらわないとっ)
そうして、エドガーは【心通話】でサクラを呼び出す。
非常に申し訳ないが、もうひと頑張りして貰う為に。
◇
外に
あの後サクラが、
何かあったのかと
一瞬時間が停止した車内で、サクヤとリザが追いかけてくるまで、二人は見つめ合っていた。固まっていたとも言うが。
そして無言のまま車内を降りたエドガー達は、こうしてテーブルに着き、ローザ達を待っているのだが。
「……その、ごめん」
「う、ううんっ。あたしもその……つまらないものを見せちゃって」
「――つまらなくなんてっ……な、ないよ」
顔を赤くして、エドガーはジュースを手に取る。
「ホ、ホント?」
サクラも
エドガーも思いっきり
「……う、うん。綺麗だった」
どうやらバスタオル姿は上から下までガッツリ見ていたらしい。
「……え、えへへ……」
「……二人の空気の所悪いけど。エドガー、そろそろ
テーブルの上で
「そそ、そうですか……」
「二人の世界って……別にそんなつもりじゃ」
「そういう所よっ、あと“世界”などとは言っていなわよ……小娘」
「「うっ……」」
二人は、精々からかわれるしかないと
◇
少しして、疲れた様子で三人が帰ってきた。
いや、疲れた様子は二人だけだったが。
「……お腹すいた」
「イエス。
「クックック……待たせたな!」
「ローザ、メルティナ……フィルヴィーネさんも、お疲れ様です」
「やっと来たか……わたしはもう待ち
「あ、ごめん……あたしはパンだけいただいてるよ」
「フィルヴィーネ様!お風呂がありますよ!入りましょう、一緒に!」
エドガーは立ち上がって、三人を席に。
サクヤはやれやれと言った感じに、サクラは
リザはフィルヴィーネを風呂に
また入るつもりらしい。しかしフィルヴィーネ以上に、ローザが反応を
「お風呂……」
「大丈夫だよ。サイズは小さいけど、ちゃんとしたお風呂だから」
「そ、そう……ありがとう、エドガー」
「うん……さ、とにかく……まずは食事にしよう。席について?」
「ええ」
「イエス」
キャンプテーブルの
反対側にはサクラサクヤ、そしてフィルヴィーネが座っている。
全員で、ようやく食事を始めた。
「そう言えばローザさん……凄い炎でしたね、あれ」
「……ん?ああ、《魔法》ね……凄くないわ。あれは
「あ、あれで
サクラの質問に答えたのはローザではなく、フィルヴィーネ。
「――そうだ。この娘が使ったのは……《
「……」
「神、理解?」
「ああ。『“神”の
「……――そうよ。元“神”なら、知っているかしら……ウリエルって言うのだけれど」
「……【四大天使】ではないか……――何をやっているのだアヤツは……」
フィルヴィーネは、どうやらローザの
「しかし合点もいくな……ウリエルは炎を
「……はぁ~。あの【バカ天使】の言う“芸術”って言うのは……幼い子供よ……私もそうだった。昔は私も小さかったから……
「……」
ローザの言葉に、フィルヴィーネは固まっていた。
元“神”としては、“智天使”と呼ばれる知り合いが、
フィルヴィーネがこの世界に来て初めて、
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