111話【決闘~休憩1~】
◇決闘~
力なくアルベールはエミリア達の所に戻った。
「アルベール……」
「……兄さん」
――場外負け。それが
情けなくて、申し訳なくて。
妹の、幼馴染の顔が見れない。
「わりぃ……エミリア」
顔を
「アル――」
「やめなさいエドガー」
アルベールを追いかけようとするエドガーを、ローザが止める。
「……でも」
「それどころではないわよ。分かっているでしょう?」
一敗。一人足りない以上、二敗をしたのも
「それは……分かるけど……!」
と、ローザとアルベールを
アルベールが頑張って戦ってくれたのは
エドガーだってそれくらいは分かる。
アルベールを追いかけたい気持ちをグッと
――サクラを見る。
「……」
目を
スー、ハー。スー、ハー。
鼻から
「……ふぅぅぅぅ」
そこでは、勝者であるはずのジュダス・トルターンが
ジュダスは、完全に
逆にアルベールの、ロヴァルト側にはブーイングが飛んできている。
【聖騎士】に昇格してもその程度か!と、ヤジが飛ぶ。
(
思っていることを
エミリアも、
そんな
気合の声を出す。
「スゥゥゥゥゥゥゥゥ……っしゃあぁぁぁぁぁぁっ!!」
「「「……」」」
エドガーとエミリア、ローザも目を点にして
サクラからこんな声が出るとは想定外だった
「……ん?」
「どうしたの?」と、
「な、なんだ……それだけ声を出せるな心配――」
サクラの手は、
エミリアは
「――イタイイタイ!、エミリアちゃん、痛いって!」
「……ごめん。平気なわけないよね……戦いなんてやだよね、ごめんね、こんなことさせて……私、
「エミリアちゃん……」
「……」
(……あ~。えっと、笑かすにはどうしよう)
小さく何度も「ごめんね」と
「そうだ……エミリアちゃん。まるで美少女みたいだね」
「……へ?」
「ぷふっ」と、誰かが笑った気がした。
「ロォォォォザァァァァ!なんで笑うの!?……
顔を真っ赤にして
自分を
「いやいや、自分で
ぷんすかと
「……サクラ、頑張って……!」
小声でサクラの背に応援の言葉を掛ける。
サクラの後ろ姿は、不安・
エミリアはサクラを信じて、後ろ姿に小さく声をかける事だけをして、自分を笑ったローザに一言
「ローザっ!!……――っていないしっ!!」
ローザの姿はおろか、エドガーの姿も無くなっていた。
◇
会場の
それをコッソリ
「ね?大丈夫だったでしょう?」
「……いやでも、これってなんか……」
「なに?キミが気になるって言うから、エミリアがサクラに集中した
「いや、そういう事ではなくて……その、ねぇ。なんか、アルベールに悪いって言うかさ……」
重なり合う男女の影は、アルベールとメイリンの二人だ。
アルベールは、メイリンに
決して涙を流している訳ではないが、肩を
「キミは何か
「――わ、分かってるよ!そうじゃなくて、それを
でも、エドガーは正直安心している。
アルベールを追いかけようと思った
「メイリンさん……本当にお似合いだよね、アルベールと」
「……そうかしら。そうなりたいなら、彼はもっと強くならないとダメね。このままでは、女に
「……は、ははは。き、厳しいね」
◇
司会進行、兼
誰一人として、
しかも
(何なんだよ……こいつら。結婚、するんだよな?……いや、それにロヴァルト陣営も)
反対側のロヴァルト陣営に
(マジで何なの!?試合する気あんのか……?)
まさか三連勝なんてつまらない落ちにするなよと、
◇
次の試合が始まるまで、残り
上空で
【解析結果】
・サクラ/【女子高生】
・【
|LV:22
|HP:2366/2366
|MP:398/398
|STR:151
|INT:422
|VIT:128
|MEN:189
|AGL:206
・【
・【ハート・オブ・ジョブ】
・【
・【ジュエルスキル・
「基本的な身体能力は
この状態で人工知能に
【
別次元の人物をゲーム化した数値、と、メルティナは
「サクラの数値では……勝てません」
サクラの向かいに
カリーナ・オベルシア。セイドリック・シュダイハ側のメンバーで、
彼女はサクラを
試合前から
メルティナは、先程【
丁度、サクラのステータスと並べる感じに。
【解析結果】
・カリーナ・オベルシア/【
|LV:30
|HP:4282/4282
|MP:0/0
|STR:243
|INT:096
|VIT:201
|MEN:187
|AGL:178
「
カリーナの
フレイル――またはモーニングスター。
「肩にかかっている布は、
メルティナの言う
やはり、シュダイハ陣営も“魔道具”は用意してあった。
ルールとして決めたことを使わない手はない。それは両陣営が
戦闘経験のある人物すら少ないのに、一般市民が《魔法》を見たら、どんな反応をするか。
アルベールが使った盾の反応を見ても分かるように、大変
「……始まるようですね……」
舞台上では
『それでは!!二回戦を始めまぁぁす!!』
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