99話【サクヤの意地】
◇サクヤの
【
サクヤは
「――ぐっ……お、重っ」
玉の汗を流しながら、なんとか屋根と屋根を移動する。
「おっ――と!危、ない……!」
<ローザ殿!聞こえるかっ!?――返事をせぬかっ!この
先程から何度も
「くそっ……さっきの【
ここまで逃げて来る
その消費と、元々
「しか……サクヤっ!もういいよ、私を降ろして逃げてっ!」
ルーリアはサクヤの
「
サクヤにも
『【忍者】!その人絶対に助けてっ。シュダイハ家に何かあったのかも知れない……』
(
サクラに対して、サクヤは『任せておけっ』と
それを
更に、
(――もう、絶対に……
脳裏に
しかし、おいそれと見逃すほど、
「――いたぞぉぉ!こっちだ!」
「矢を掛けろっ!上だぞ!!」
「馬の奴は回り込めっ!!出口は固めろよ!」
「ちっ!あ
サクヤは屋根を走りながらも、
馬が倒れたすぐ
「……サクヤ、
サクヤが親子を助けた事に気付いたルーリアは、こんな状況でも
「死なれても目覚めが悪かろう!……むっ!?――ルーリア!あの
サクヤは
エドガーには
「あれは……警備隊だわっ。この【
助かったと、ルーリアはサクヤの手を取る。
「……」
(くそ、もう【
「サクヤ……?」
「ルーリア……残念だが、助けてくれるわけではなさそうだ……行くぞっ!」
警備隊の兵士は、全員が
後ろの兵士も、矢を
そんな奴らが助けてくれるとは、
「――えっ!?ちょっぉぉ……」
再びルーリアを
警備隊の兵士たちも、失敗したと言わんばかりに
「はぁ……はぁ……っく、はっ……」
サクヤの体力も
一人ならば
何件かの家を
とうとう、サクヤにも
「――ぐっ……!!」
「――きゃっ!!」
脚が上がらずに、サクヤは
ガシャァァン!と
サクヤに
「……ぃつっ……!サ、サクヤ!」
ルーリアはサクヤに
だが、それと同じくして屋根には四方から
このタイミングを狙っていたのだとしたら、少しは頭の回るものがいるらしい。
「……に、逃げろ。ルーリア……わたしは、
身体を動かせずに、突っ
「出来ないよっ!サクヤ……!立って!――きゃっ」
サクヤを立たせようとするルーリアだったが、
この家の持ち主らしき人物が下で
それほどまでにルーリアを
シュダイハ家は、今回は
「……ぐ、ぐぅっ……」
残った体力を振り
うっすらと開けられた左眼の【魔眼】は光を完全に失い、それこそ《石》のようになっている。
鼻から
「……サクヤっ」
「――お~お~!頑張るじゃねえか……お
屋根に上がってきた男の一人が、ルーリアに
「――……ボ、ボルザ?……ボルザなのっ!?……ど、どうして
屋根に上がってきた男に、ルーリアはかなり
ボルザと呼ばれた男は首をゴキゴキと鳴らし、
「ええ。ルーリアお嬢さん……オレですよ。ボルザ・マドレスターです……
ルーリアとサクヤを
「――ほ、本当っ!!?」
聞きたいことは
「……
「――!」
下も、隣の家も
騎士達は居なくなっているが、何か
「……ボ、ボルザっ!なんで!
「いやはや……そんなに凄まれてもね、お
ボルザ・マドレスターは、シュダイハ家の使用人だった男だ。
当然シュダイハ家の
「でも、
――殺された、はずだ。
「……ええ、
「――そ、そんなっ……どうして……私は……
ルーリアは
シュダイハ家は、どこまでも
「……娘に手を出した男を、腹心にしたわけか……」
ルーリアの反応を見る
だが、それすらも父に利用されたというわけだ。シュダイハ家が取り仕切る
「やはり……ルーリアを置いては行けんな……わたしは、まだ――っぐ!がぁぁぁぁ!!」
「――サクヤ!!」
サクヤは立ち上がろうとした。しかし、隣の屋根にいる
「サクヤ!サクヤぁ!!」
ルーリアはサクヤを
「……ボルザっ!
「……
笑みを浮かべて、倒れるサクヤとルーリアを見下げるボルザは、近づいてルーリアの傷ついている腕を取った。
痛みに、ルーリアは
「――ああっ!サクヤ……はな、離してっ!ボルザ!
ルーリアは、
涙で
しかし天を
◇
空を
その魔力は自身の
<レーダーにて確認。次の
<待ちなさい――ええ、分かっているわ。場所はもう
同時に二人と会話していたと見られる女性の声が、
<イエス。システムの
<そう。なら……力を
《石》の反応だけしか
<
<私の魔力を分けたのだから、しっかりと
<イエス。情報分は
そうして、人工知能【
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます