97話【四日目~役目~】
◇四日目~役目~◇
~【
新たな異世界人メルティナが、機械と人体の
「エドー!お待たせっ、ちょっと遅れたちゃった……」
約束の時間から
「いや……うん。それはいいけどさ、その……後ろの人って、もしかして……」
待ち合わせ場所で待っていたエドガーは、エミリアと
「……あはは……えーっと」
「いや……まさか」
フードを
「フフフ……
「や、やっぱり……ローマリア
キョロキョロと
「大丈夫だよエド、
下からジト目をエミリアにぶつけるローマリアは、何か言いたそうなことがありそうだが。
「あ、
「いや……エミリア。
何かにショックを受けたのか、ローマリアは
「えっ……私何か失礼しましたか……?」
キョトンとして、本気で分かっていない様子のエミリアにローマリアは。
「……いや、事実だしな……は、はは……」
(こんな
ローマリアは、産まれてから一度も国民の目に出てはいない。
そのため、知っている者などそれこそエミリアが言ったように
この国の国民は『この国の第三王女の名前はローマリア』
「さぁ、行きましょうエドガー。あと、私の事を名前で呼ぶのはやめるのよ?……
「……すみません。エミリアが……」
何となくだが、
「ほら、行こエドっ!」
「あ、うん……え?……あれ?」
自分の
◇
~【
区画の
区画の入り口までは馬車で来れたのだが、馬車代も
「ホントにスッゴイ……なにこれ、本当に町なの?」
ここまでの
【日本】の
「うふふ。昔はもっと建物があったのよ?大半が壊されちゃったけどね」
サクラの隣を歩くメイリンが説明してくれる。
「数年前に大きな戦いがあったのよ……ここでね……」
何かを
「戦い、ですか?……あそこ、何かあるんですか?」
サクラは戦いがあった事よりも、メイリンの見つめる先が気になり
「え?あ~、あそこ。見えるかな?」
メイリンは少し
「えっと?……え~……あ、はい、見えました……」
残念ながら
どうやらこの世界の人間はかなり目が良いらしい。
「あそこね……私の産まれた場所なの……」
「へぇ……えっ!?あんなボ――!」
(――やばっ!!)
言いかけて、サクラは
だが、それだけでメイリンは
「うふふ……いいのよ別に、確かに小さくてボロボロだったしね」
「す、すいません」
ついつい本音が飛び出しそうになって(半分以上出ていたが)、
そもそも怒ってなどいないのだが。そんな二人の様子を見る、後ろでやる気のないサクヤは。
「……そんなことより、早く用を
ダルそうに
「あんたねぇ……エド君に言われた時はあんなにやる気出してたじゃない!なによその
両手をブンブン
「まぁまぁ」と
「――っ!!……サクラこれ。持ってくれ……」
「はぁ!?ちょっ!おもっ……なによ突然――に、【忍者】っ!?」
サクラの
「――ええぇっ!?サクヤさん!?」
何度も目をパチクリし、最後には目が点になっていた。
<バ、バカぁぁぁぁぁ!!
多少の理由は分かるのか、サクラは
反応は
<す、すまぬっ!……遠くにルーリアが見えたのだっ!何者かに追われている、助けねばっ>
<――ルーリア……って、セイドリック・シュダイハのお姉さん!?>
サクヤが消えたであろう
発信機を取り付けてあるサクヤの
「あっちって……確か……」
【
服に発信機が付いてるとも知らずに、サクヤはドンドン進んで行く。
「……最悪なタイミングじゃないっ」
<【忍者】!その人絶対に助けてっ。シュダイハ家に何かあったのかも知れない……>
決闘は三日後だ。このタイミングでシュダイハ家の人間にトラブルが
<分かっているっ!……任せておけっ!!>
そう言い【心通話】を切るサクヤ。少しでも魔力の節約をしなければ、動くにも身体が重かったからだ。
【
「こ、これ……どうしましょうか」
「
二人でこの
◇
~宿屋【福音のマリス】~
出された
そう。食材だ、料理ではない。
「それを出した私が言うのもなんだけれど……本当に
この食材を
「……そう言えば、
「――ガッ……ガッ……んぐっ……むぐっ」
バリボリと、出されたそのままの野菜を口にし、銀色の目を光らせる女性。
人工知能【
「……
“召喚”される直前に、あの人かどうかも判断できない人物に言われた。
『メルティナ・アヴルスベイブ』と言う名。
自分のマスターである、ティーナ・アヴルスベイブの名を
「メルティナね……で、メルティナ?……それ
「?……はい。これが食事なのですね……マスターが食べていたのを見ていた
「……そ、そう。ならいいけれど」
本当は料理をする予定だった。
でもローザは、メイリンの様に
(まさか
「イエス……では、
「――ロザリーム・シャル・ブラストリア……ローザでいいわ」
「
<……速やかに情報の整理をし、あの少年に
「……はぁ~……」
(まだ【心通話】をうまく使えないみたいね……)
聞こえてくる心の声を聞き流しながらも、
今の自分の
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