91話【覆す為の条件】
◇
大きな
セイドリック・シュダイハ。
【
少し小太りの、
「――むごぉ!むごごぉっ!?」
口には
エドガーは「
「えっと……セイドリック・シュダイハ……さん?」
「エド君、分かってなかったんだね……」
「むごぉぉ」と何かを
「ふんぐぅっ!……」
首に
「そう。静かにしていなさい……この
ストレスが相当
その
「ノエル……一応彼は貴族だから、
オーデインも迷惑をかけられた借りがあるからか、ノエルディアを止めようとはせず「ボディにしなさい」と、
「「……」」
「どうしてその
エドガーとサクラは、この状況に何を言おうかと
「ぬふううぅぅぅぅっ!!――んがおぅ!」
ローザの
ローザの声が聞こえた
「
静かにしていなさい。とは言ったが――ああ、
「……ははは……すみません」
「ローザさん……いきなりそれはないよ……」
エドガーは王女に
「そうだったわね……いくら本当の事でも。言い過ぎ……てはないと思うのだけれど。私は間違っていないでしょう……?」
「そ……そうだけどさぁ……」
あくまでも
そんなローザやサクラのやり取りを見て王女は。
「ぷっ。はははははははははははっはぁ、はぁ、お、お腹が……
「「「……」」」
ローマリアの言葉には、何か色々なことが
「いやしかし……はははっ……あはは。あ~笑った……しかしだな、この
「……はい」
そう言われて、ノエルディアはセイドリックに
「ぶはっ……で、
セイドリックは、口が自由になった
目隠しはまだされているのに、よく位置が分かったものだ。
「ほう……だがな……シュダイハ子爵子よ――誰が口を開いていいと言った……?」
セイドリックを
「――いひぃっ!も、申し訳ございませんっ!
目隠しをされ、手も足も
「……さて、ロザリーム・シャル・ブラストリア殿……
ローザは目を
「……そこで。エミリアの結婚を無効にする方法を私も考えた……それはもう
「……で、
「アピール
二人の【聖騎士】の
「う、
ローマリアが言った「あなた達」の中に、エドガーも
王女と目が合った。
「それは分かったわ……でも、その条件にもよるわね。くだらない条件なら、私が暴れた方が早い……」
「――!……そうで、しょうね……」
ローマリアも、気さくな話し方を忘れて王女の
(副団長……マジでやばいですってこの人……!)
(分かってるよ、だから
小声で話し合う【聖騎士】二人に、王女は。
「ええい、
両脇の二人を、両手で追いやる。
二人の【聖騎士】は仕方がなく元に戻るが、気は
「そう
「……へぇ」
ローザはエミリアを見る。
そのエミリアは、ローザの
「……うん。私も
エミリアは席を立ち、
「セイドリックさん……私は、貴殿に決闘を申し込みます……私が勝ったら、
「――決闘!?エミリアと……その人が!?」
何があっても協力はするつもりでいたエドガーだが、決闘には
「……」
そんな決闘を
「ああ。よし」
(……犬じゃないんだから!)
ノエルディアがセイドリックに
「ああエミリア!ほ、本当に結婚してくれるんだねっ!?――ああ!嬉しいよっ」
セイドリックは壁に向かって
「……私はこっちですけど……」
真剣な空気を
「……はぁ……ノエルディア。目隠しを取ってやりなさい」
「……はい――ふんっ!」
ノエルディアはセイドリックの目隠しを後頭部から思いッきり外す。
その
「ぐっっ!!……あ、エミリア!そこにいたんだね!」
痛みにめげずに、涙目でエミリアを
「聞いていましたよね……?セイドリックさん……決闘を――」
「ああっ!
どこまでもエミリアを気に入ったのか、
「
「――むおぉぉぉっ!エミリアぁぁぁ!」
セイドリックを見るエミリアの目は、半分死んでいた。
こんな男に
だがそれと同時に、自分の運命を変えられるかもしれないと聞かされて、やる気も満ちているようだ。
「……それは理解したわ……協力もする。でもエミリア、私達は何を手伝えばいいのかしら?」
テーブルに両手を乗せ、手を組ませるローザ。
どこかの
「……うん。それはね――」
「待った。それは私から説明するわ」
「……
エミリアの言葉を
「……決闘の
「――つまり。
同じ王女だからか、ローマリアの言いたいことを
「
「……その通り、
「
「が、学校……」
エドガーは
「どうかしたの?エド君……」
「あ、いや……何でもないよ」
少し
「姉上から出された
一度出したものを取り下げる訳だ。それはメンツもそうだろう。
それを
「……
「負けたら、お
エドガーとサクラは負けた場合の事を考えてしまっているのか、どうも
ただ一人、ローザは別だった
「……
「ええ。五人がいいと思っているわ……【聖騎士】は出られないけど」
ローマリア王女は
【聖騎士】は出られないという事は、王女は味方できないという事だ。
それを
「だが……
ローマリアはエミリアに
「はい。
本来、この国の決闘と言うのは、力と力、技と技を
しかも、《魔法》や“魔道具”には
「ええ。それは
「はい!ありがとうございます!!」
エミリアは胸に手を当てて
「……ではシュダイハ子爵子……そちら側はどうする?」
どうやら待ちわびていたらしいセイドリックは、
「では王女
「――なっ!?」
「くっ……」
エドガーは
王女達は無言だが、
「それくらいはさせて
「……一理ある……どうか?ロザリーム殿……」
席に着いたまま、ローマリアはローザに顔だけを向けて問う。
相変わらず手を組んだままのローザだが、返答する。
「――
「クフフっ……そうだね。まぁ、最初から決闘なんてしてやる
「いや、ちょっと……」
エドガーは何かを言いたそうに前に出るが、ローザに
「大丈夫よ……勝てばいいのだから」
「……ローザ」
(……そうじゃないんだよ、ローザ……そうじゃないんだっ)
エドガーの不安は、ローザが出られない事ではない。
ローザが出られないという事は、もう一枠「サクラが出るしかない」という事なのだ。
エドガーは、サクラを
やはりサクラも気付いている。ローザの代わりが、自分だけだという事に。
顔を真っ青にし、身体を
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