89話【三日目~朝の混乱~】
◇三日目~朝の
目を覚ました時、僕は
でも、この
どこかで感じたことがある気がして、なんか、なんて言うのかな、このまま
いや、多分確実にしてるんだと思う。
「う、う~ん……いい匂い……」
もうすぐ完全に
「――あら、嬉しい事を言ってくれるのね……やっぱり好きなの?」
「……うん」
モミモミ。
「フフフっ。可愛いわね……」
おかしいな――昨日、どうやって寝たっけ。
確か、ローザが
ローザ?今、ローザの声が聞こえたような。
何かを
そしてそのローザは、どう見ても――全裸だった。
「うわ、うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!――痛ってっ!」
バッ!とローザから離れて、エドガーはベッドからドスンと落ちる。
「な、なな、なん、なんでっ!?――ってうわぁぁぁっ!僕も!?なんでなの!?僕なんかした!?しちゃったの!?……何にも覚えてないんだけど!……うわぁぁぁぁぁ!」
テンパりすぎておかしなことを言いだすエドガー。
そして、自分も裸だという事に気付く。
「……落ち着きなさいよエドガー」
「な、なんでローザはそんなに落ち着いてるのさっ!……あ!そ、そうだ!……昨日、ローザと話しているうちに眠くなって……それで、え?」
どうしてそれでこの状況になっているのか、全く考えが
「え?って……覚えていないの?昨日、あんなことまでしたのに……」
ローザは起き上がり、自身の身体を
「……あんなに求め合ったのに覚えてないなんて……悲しいわ。私……チラっ」
流し目がエドガーの急所、つまり股間を
「うわあっ!……じゃあ、やっぱり……」
エドガーは両手で、全開になっていた股間を隠し
「さ……最低だ、僕は、女性に恥ずかしい思いをさせておいて、自分は覚えていないなんて……僕は!最低だあぁぁぁぁ!!」
「……エ、エドガー……?その、ちょっとは人を
ローザは
「ロ、ローザ!僕は!き、決めた!……ロー――っむぐ!?」
「ようやく落ち着いたと思ったら、今度は何?……もしかして、
ローザの
「――ち、ちちち、違うよっ!?」
と言いつつも。エドガーの
「このむっつりさんめ」
ローザは反対の手で、エドガーの
デコピンだ。――バッシィィィィン!
「――痛ったぁ!!」
「な、なんでさっ!」
なぜここでデコピンなのかとローザに
「変な
ローザは、ベッドの下に
「――私は……まだ
「……え……は?」
完全に
「私達は何も無い……ただ一緒に寝ていただけ……よ。安心した?」
「えっと……つまり、僕はローザを傷つけて、無い?」
「そうね」
「何もなかった……?」
「……そうね」
「……よ、よかったぁぁ」
「……――そうねっ!」
着替えを終えたエドガーとローザ。
何もないとはいえ、
「……あのさ、ローザ」
「……なにかしら」
お互い、背を向けて着替えていたこともあり。
振り向くタイミングが分からなくなっているエドガーは。
「本当に何もないよね……?」
「――キ、キミも
そう言えば、起きた時は
エドガーはその
「や、ごめん……僕、覚えてなくて」
「仕方がないわ……みんな疲れていたし、キミだって精神的にも
ローザが抱きしめてくれていなかったら、多分
「……で、でもさ、何も服を脱がせることはなくない?」
「それこそ仕方がない、だわ……私が全裸でないと寝られない事は、もう分かっているはず、ならば仕方がないわっ!」
後ろ姿だが、胸を張っているのが
「……いや、ローザじゃなくて僕のねっ!?」
「ああ、そっち?……ついでよ。服が
なんとも
二人は着替えを完全に終えて、エドガーの部屋である管理人室から出る、すると。
「……
「……で、あるなぁ」
サクラとサクヤがドアの前で
朝食を食べるため、四人は食堂でテーブルに付いていた。
「そりゃあ起きるよ……あんなに大きな声で
「わたしは、
サクラとサクヤは、エドガーの悲鳴?で起きたらしい。あの声は二階まで届いていたようだ。
ローザがいたことも、どうやら知られていたらしいが、なんか怒ってる?
「そ、それはご迷惑をお掛けして……」
「……き、気持ちよかった?」
「ブフゥゥゥゥゥゥっ!!げっほ!……ごほっ!な、なにが!?」
声が
「……へぇ~、ほぅ~……そっか、そっか~」
それだけで、
サクラは違った。
「大変だねぇ。エド君も……」
まるで他人事のように。いや、
サクラは
「あ~。
「
ローザは、サクラの反応が面白くないらしく、
「……そ~ですねぇ……どうせ、ローザさんがからかったんでしょ?」
と、
エドガーの反応から、ローザと何かあったのは間違いない。
だが、ローザの方が
「……そう、
と、ローザはそれ以上の言葉を発さず、アイスコーヒーを飲むのであった。
(……ふ、不自然だったかなぁ……)
サクヤに世話をされるエドガーを見ながら、サクラはローザに不自然な
だったらしなければいいと思うだろうが、そうも言えない理由が出来ていた。
(……ヤバ……あたし
――
サクラは、エドガーがローザと
サクラは「ローザさんがからかった」と言ったが、それは自分の
(――!くぅぅ!)
ふとローザと目が合い、その自信あふれる
食事が
「「……」」
「あ、そう言えば……今日メイリンさんは来るんだっけ……?」
「……うん、くるはず……かな?」
カチャカチャと食器を鳴らしながら、
どこにでもあるような取り
「「……」」
気まずい。先程の会話のせいだという事は百も
「そ、そうだ……食後のデザートでも、食べる……?」
何とか気まずさを打ち破りたいと、後で食べようと思っていたサザーシャーク家
「……食べる」
何とかなった。そう思ったのも
宿にやって来た人物に、
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