81話【二日目~聖騎士side~】
◇二日目~聖騎士side~◇
「――これは一体どういうことかっっ!!」
【リフベイン聖王国】第三王女、ローマリア・ファズ・リフベインである。
現在彼女は、自分が目を付けた
「……どうと言われましてもねぇ……
ローマリアにこう返したのは、ジュアン・ジョン・デフィエル大臣だ。
|禿頭の頭をぺしりとたたき、続ける。
「
(……こんの
「では大臣……いったい誰が、私の
ローマリアの
王家の
当然国民は
「誰でしょうなぁ……しかし分かったところで、
「……」
あからさまに顔を暗くするローマリア。
完全に怒っている。大臣の
「は、犯人はこのジュアンが
「であるか……ならば下がれ」
(……うっとおしい!)
「ふーむ。まぁ完全に
ローマリアの後ろに
「……お前が報告したんじゃなかったかしら?……オーデイン」
「そーでしたね。しかし、デフィエル大臣はまた太りましたね。
「話を
遠い目をして、大臣が出ていった扉を見つめるオーデイン。
ローマリアも
「それにしても……大臣は何をお考えなのでしょうね、エミリア
「……私が
「なるほど……
「当然でしょ。あの
ローマリアは
「……で?
「……私の口からは何とも」
「「……」」
「はぁ……ノエルディアね」
無言が物語る、管理者の
「……何とも言えません」
「……はぁ~~」
確かに、
ローマリアは
◇
自室である大臣室についた早々、デフィエル大臣は
「おいユング!酒だ!酒を出せ!……はようせいっ!!」
「か、
ものすごい
「この!酒と言っておろうがっ!!」
渡されたコップを投げつける大臣、コップはユングの真横を過ぎて壁にぶつかり、粉々になった。この国では貴重な綺麗な水も、床に散っている。
「ひぃっ!……お、お言葉ですが、
「なんだとっ!それを早く言わんかっ……ちぃっ、それでは酒は駄目だな。仕方がない」
「は、はい……」
このユングと言う
聖王国大臣、ジュアン・ジョン・デフィエルがに上り
大臣にこき使われるその姿は、どう見ても
今も
「おい、ユング!」
「――は、はいっ!!」
呼ばれた
その
「ああっ!すみませんっ……」
「早くしろっ!
「……はい。……。……」
すると
『――なあユング……お前いいのかこれで?……
突然聞こえる
「そんなこと知っているわ……
ユングは声に対して、長年の付き合いがあるような
『へっ。俺らにもいろいろあるんだよ……つーかお前もそろそろ帰って来いよ。エリウス……じゃねぇ、
「……
『……あっそーかい。お国に
「……ふっ。ありがとう、最高の
そう言い返すと、
それと同じくして、大臣が用を足し戻ってくる、と。
「ぬ?――ユング!まぁだやっているのか、この
「――ひぃ!も、申し訳ございません、
(うふふ。もっとヤジりなさい……
【魔導帝国レダニエス】
彼女は
しかし、本来の所属は
ユングはもう、聖王国に入って5年になる。
長い時間をかけて、この
ユングは
◇
「さてと。ノエルディア・ハルオエンデ、何か言いたいことは?」
「……」
「いやいや、私を
「……別に
【聖騎士」ノエルディア・ハルオエンデ。のはずだが、彼女はメイド服を着ている、着させられている。
「
「
王女にも上司にも言われて、ノエルディアは声を
「――くっ!」
「さぁノエルディア?言い訳があるのなら、少しだけなら聞いてあげるわよ……?」
「わ、私は……その、特に何も」
「ノエル。もう無理だよ……
王女から目を
「――す、すみませんでしたぁぁぁっ!」
「はいはい。分かっているから
「じ、
あの日、ロヴァルト兄妹が王城に来た日。ノエルディアは式が終わった後、【聖騎士】の
数人の騎士達(聖騎士ではない)に囲まれて、もう
一人の騎士が、所属の違う騎士に呼ばれて
最終的に残されたのは、ノエルディアともう一人、クルストル・サザンベールと言う【聖騎士】だ。
その人物は、【聖騎士団長】だった。
団長と二人きりと言う気まず過ぎる
その日の
誰もいなくなった後、ノエルディアは
そして気付いた時には、後ろにあったはずのケースからローマリアの
しかし、それに気づき、必死に探し回っていたノエルディアだったが、
酒に
「まぁ……
「……オーデイン~?」
「いえ、何でもありません」
「と、言うわけでありまして……王女
ノエルディアの
(この子がドジなのは今に始まったことじゃないし……管理不足と言われれば言い返しようがない。でも、誰が
考えるまでもなく、
(
ローマリアは、
「あわわ……ローマリアさま、怒ってますよね……?」
「それはそうだろうねっ」
思考を
(戦闘能力を評価して【聖騎士】にしたんだもの……それ以外は目を
ローマリアは
「ふぅ」と息を
「――【聖騎士】オーデイン・ルクストバー」
「……はっ!」
打って変わって
「仕方がないわ……エミリア、いえ、ロヴァルト兄妹を呼び出しなさい。
「了解しました。ノエルはどうしますか?」
自分の名前が出て、ビクッとするノエルディア。
「連れて行って。その子にも説明させなさい。
「了解です」
「り、了解しました!」
二人は
誰かに邪魔されない様にと、ノエルディアの
足をおおっぴろげて、ローマリアは
こんな所は部下に見せられない。
「……エミリアになんて言おうかしら……」
ローマリアは、これからの事を考えて
◇
近い未来の
「何だか、お嬢様をお見掛けするのが久しぶりな気がしますぅ!」
どこか
「……大げさよ。それよりも、
「【聖騎士】ルクストバー様と、同じく【聖騎士】ハルオエンデ様ですぅ」
オーデイン・ルクストバーと、ノエルディア・ハルオエンデ。
エミリアの
この二人が
「……結婚の事……でしょうね」
「お嬢様ぁ?」
「なんでもないわ……行きましょう、兄さんも行くのでしょう?」
「はい、アルベール様は
「ありがと。フィルウェイン……それにケイトも」
「えっ!私ですか~!?とんでもないですよ~」
というか、ほぼフィルウェインとケイトで
「よし!行ってやる……」
気合を入れるエミリアだが、王城で待つのは王女だけではなかった。
――そう。そんな気迫を見せるエミリアを待つ、大臣が
婚約者、セイドリック・シュダイハとの対面であった。
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