67話【前触れ】
◇
「……はっっくしゅっ!――ああっ……しんどいぃ……」
【
何度もくしゃみに
「――いいわね
「な、なんなのだ急に、この
「まぁ……いいのだけれ――くっしゅっ!……はぁ~……」
明らかにイライラしているローザに、サクヤは急いでアイスキャンディーを
「……だいぶ
「そ、それは良かった……」
心の底から思うサクヤ。
「さてと。宿に戻るにしても、まだ時間がね……サクヤはどこか行きたいところはないのかしら……?」
「わたしはローザ殿につれ回……ではなく、ついて回っていただけだ。あとは帰るだけと思っていたのだが……それにわたしは、まだこの町をよく知らぬしな」
今日のローザの目的は、マークスの
見立てでは、少なくとも
確定ではないが、マークスがエドガーに
「そう……私も、まだ宿の近辺と【
腕組して考えるローザに、サクヤは笑いながら答える。
「いや、気にしないでくれローザ殿……わたしは忍び、
「そういうもの?」
「ああ。そういうものだ」
「……じゃあ帰りましょうか。【
「うむ……【
何より、エドガー自身がマークスを信用しているので、心配の芽を一つでも無くそうというローザは、万が一の
それがまさか、自分が
自分から進んでエドガーの為になると思い立ち、取った行動ではあったが。
弱点を増やす形となったのは
ローザはくしゃみで中々食べ進められなかったアイスキャンディーを一気に食べてしまうと、誰も見ていないことを確認して、キャンディーが付いていた棒をボッ!と一瞬で燃やしつくす。
「帰る前に、【心通話】でサクラに連絡を入れておいたほうがいいわね」
「あ、それならわたしがしておこう……」
サクヤはローザを手で制し、ゆっくりと目を
【心通話】。
それは、異世界人サクラが持つ《石》【朝日の
“契約者”と所有者、つまりエドガーとサクラの心を
更にはローザやサクヤとも、《石》と《紋章》の
残念ながらエドガーと異世界人にしか使えないので、エミリアやアルベールは使えない。
<おーい……サクラよ、聞こえるか?今から帰るから、
「
最後まで言い切る前に、サクラから返答があったのだ。
しかも、とても
<【忍者】っ!?良かった!早く帰ってきて……お願いっエドく――>
サクラの【心通話】は
どうも【心通話】は、サクラの
「……お、おいっサクラ!?どうした!?
その様子を見て、ローザも何かがあったと気付き。
「……【心通話】が
ローザも、宿にいる二人に【心通話】を
異世界人達は、“契約者”のエドガーに何かがあった時、《石》を通じて
エドガー魔力が尽きているのも
サクラの反応から考えて、ただ事ではないのが分かる。
「――あ、ああっ!急ごう」
サクヤは
ローザも、
(――なにがあったの……?)
自分のいない間にエドガーの身に何かあったとしたら、ローザはきっと
サクラを
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