51話【実感する異世界】
◇実感する異世界◇
サクヤが高らかに
その人物は
「――面白かったわよ。サクヤ」
「……ローザ!?」
「――ローザ殿っ!」
(――け、気配がなかったぞ)
エミリアとサクヤは驚く。
気絶する男たちと野次馬の
「
ローザの
急ぐスピードも大分緩やかになり、サクヤの
「ローザ殿……そんな
ローザがわざわざ自分に注目を集めて、この野次馬を
しかしローザにもローザの事情があるので、ここは。
「仕方がないでしょう?……急ぐ理由が出来てるのよ……」
「むっ……う、うむ――
ローザの
よく見れば、サクヤの左眼もいつの間にか、普段の
「……そうね。エドガーも感謝するでしょ」
「ほ、本当かっ!?……あ、しかし
サクヤは《
「ロ、ローザ……」
ようやく落ち着いたのか。立ち上がり
そんなエミリアにローザは。
「はい、エミリアこれ。エドガーからよ」
「――えっ、あ……ちょ、ぉっ!」
ローザは突然、
エミリアはあたふたとしながらも、
「……や、槍?」
「エドガーからよ。この前よりも気合を入れて創ってたから、
槍を渡したと言う事は、戦いが起こると言う事だろう。
エミリアも、先程までは何も出来ない少女でいた事が何よりも
だが、その
「ゴメン、ローザ。助かる」
次に槍を持つ時は、リューネと再び戦う時かも知れないと、勝手ながら感じていたエミリア。
両手で持つその赤い槍を、ギュッと
「――あの方角……【
「……おそらくね」
リューネはともかく。《化石》をリューネから奪ったレディルという男は確実にいるだろう。
エミリアは、
「なぁローザ殿……
空気を読めないのか読むつもりがないのか、サクヤが
「――ああ、エドガーはサクラと一緒に……」
ローザが説明するが、その
「――えええぇぇぇっ!?」
と、大きな声で驚くことしか出来なかった。
◇
「ねぇエド君……あたしは無理って言ったよね?」
「……言ったね」
現在、二人はとある
近くからはガシャン!ドカン!バンッ!と鳴り響く破壊音。
そして貴族達の悲鳴が
「
サクラはこっそりと
「あ~。何なのコレ……なんかやっと異世界を実感してる――ひぃっ!」
「【
「遅い!おっそいよエド君っ!あたしは初めから言ってたじゃん!――ってか怖くないの!?」
泣きそうになりながらエドガーを
【
「「――っ!?」」
「――セ、セーフ」
「あ、あぶ……」
初めは、ローザが感知した《化石》の反応を確かめるために、様子を見るだけのはずだった。
しかしどうやらサクヤが、いざこざに巻き込まれたエミリアを助けに行っているようだ。
と、ローザに言われて。心配になったエドガーがローザを二人の元に向かわせた。
残ったエドガーとサクラが、一番の
「まさか……こんなに沢山【
貴族達は
時間もある程度
自分から先行すると言い出した今のエドガーの姿をローザが見たら、何と言うだろうか。
「エド君……こんなのが
ここが異世界である以上、仕方ないと割り切ってはいるものの、身体が
「――まさか……こんな事が毎日続いてたら、僕は簡単にくたばってるよ」
「……こ、これが
「――えっ?」
「あ、いやっ!何でもない何でもな――あっ!」
「――あっ」
――バターーーン!!と、上の木箱が落下した。
「「……」」
目が合う。――
「えっと……どうしよエド君」
「戦うしか……ないかな?」
「――は、ははは。……い、いぃぃやぁぁぁぁぁっ!!」
サクラの悲鳴がきっかけとなり、【
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