49話【見えてくるもの】
◇見えてくるもの◇
自分の部屋である202号室で、右手の甲に着けられたルビーの宝石【消えない種火】に集中するローザ。
「……」
ここ数日間で、
《魔法》を
しかし
だが、
だが
「――!……またっ」
足組みしながら座っていた
これで何度目の反応か。エドガーとの交流を
今度は逃さないっ!と、気合を入れて右手の宝石を
自然と舌なめずりをしているローザは、
この事はローザ自身も気付いておらず、戦いを待ち望む
本人にその意思はないが、
「――」
目を
自分のいる
エドガーの家の地下にある無数の《石》の反応が
「今日のは強いわね……」
これまで何度かあった反応とは
「……
消えないどころか、どんどん強くなる反応に
――その時だった。
――ドンっ!!と床が
「――コレはっ!――くっ……ただの
下からの突き上げられるような感覚と、グラグラと
窓を開けたローザは外を
「――エドガー!!大丈――ぶ……」
急ぎ
「ロ、ローザ……よかった、ぶ、無事で……」
階段
「……何やっているのよまったく。ほら……起きな、さいっ!」
事情が事情なので、
こういう時のローザは
「きゃっ!?」
「ぬっ!?」
両手でサクヤとサクラを押しどけると、エドガーの手を取って立ち上がらせる。
(本当に……この子達は
「ちょっとローザさん……何も投げ飛ばさなくても!」
「痛いではないかっ、ローザ殿!尻を打ったぞ!!」
投げたつもりはないが、結果としてそうなっていたようだ。
それにしても、サクラも
もしくは、サクラ本人の持つ身体能力か。
「はいはい。悪かったわよ……それよりも今の
「――そうか……探そう!」
エドガーは、
その反応に、ローザは
(この数日で心の準備はできているようね)
「……よしっ、早速――」
「待ってエドガー、外は
飛び出していこうとしたが、ローザに手で制される。
「くっ……分かった。でも、エミリアがまだ……」
今日、アルベールが手伝えないという理由を
そのせいでエミリアは少し遅れている。
「あの子なら大丈夫よ……合流した時の為に、槍を
会話の途中で、ローザはふと一階に下りる為の階段を目にする。
すると、壁際に
「――メイリンっ!あ、
ローザは
階段の踊り場では、身体を
「……あ……ローザ、やっと、起きたのね……よ、よかった」
「そ、そんなこと言ってる場合っ!?――顔真っ青よ!?」
今にも倒れてしまいそうな、生気の無い
「サクラ!メイリンを運ぶわ……手伝いなさい!」
「だ、大丈夫よ……一人で、歩ける……から」
「分かりました、今いきま――ぅわっ!?」
サクラが返事をし、階段を下りてこようとした
「――とっ……」
ローザが支えたため身体を打つことはなかったが、
「ローザ!……揺れてるけど大丈夫っ!?」
上にいるエドガーとサクヤ。
階段の
「今度のは結構大きいね……
意外と平気そうなサクラは、
「サ、サクラは平気そうだね。
「確かに
(むしろ、わたしと同じと言ってもいいが……)
サクラの
「二人は……メイリンさんを運んでいったみたいだね。大丈夫だといいけど」
エドガーも、心配してローザと共にメイリンの所に行こうとしていたのだが。
最初の揺れの
「その花、メイリン殿が毎日水を変えているものですね」
「――うん、そうだよ。これが落ちて割れていたら、もっと具合が悪くなっていたかも……」
今エドガーが持つ
ローザもそれが分かってか、エドガーではなくサクラを呼んでいた。
メイリンの唯一の
先日来た
「……外が
「えっ、ちょっ……――アレっ!?サクヤ!?」
「ちょっと待って」と言おうとしたエドガーだったが、
「――どこ行った!?い、いや……と、取り
エドガーは
ローザがメイリンを運んだであろう部屋、一階階段に一番近い部屋である109号室に向かった。
◇
サクヤは、宿の
ここ【福音のマリス】は、下町でも中々に大きな建物で、平地にある下町ならばある程度は見渡せていた。
「……コレは
「
住民は我先にと逃げようとし、住民を守ることが仕事の警備隊や騎士達も、
「そんなに大きな
サクヤやサクラの世界【地球】。特に日本は
現に
「――やはり、
「……
“召喚”される
同じとは、同一人物と言う事ではないかと、サクヤは感じている。
そしてそれは、
「――むっ?……アレはエミリア殿ではないかっ!?何を一人で……
遠くで人混みに声を掛ける、
「
必死に住民たちを落ち着かせようとするエミリア。
しかし、慌てふためいて聞く耳を持たない住民たちは、エミリアを無視して北の門を目指しているように見えた。
エミリアはその男に
「――なんと
サクヤは
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