第1部【出逢い】篇
第1章《覚醒する日常》
プロローグ【瞳に映る赤】
◇瞳に映る赤◇
少年の眼前は、今もまだ
視界は全て赤く染まり。広かった筈の地下室は部屋全体を
何度も
先程の爆発で吹き飛ばされた際の衝撃に、肺は潰され少年の
体中のヒリヒリとする火傷の感覚と、鼻に付く焼け
しかしこんなにも火が回り、焼けている筈にも関わらず、室内には一切の煙も上がっていない。
少年が倒れている少し先には、地面に描かれた円形状の魔方陣があり、赤や青、緑に黄色にと発光し、目まぐるしく変化しては
爆散した化物が残した踊り続ける炎達が、空気中の
身体が限界を迎えようとするも、少年は必死の思いで何が起きたのかを思考する。
倒れて焼け
それは当然だ。危機はまだ去っていない。
この
少年は、先程まで
この
大切な親友の為に、この
しかしそれは浅はかな考えだった。
本来呼ばれるはずだったのは、“
アクシデントとも言える呼び出しを受けた
事実、
けれども、爆散し
なぜならば、自分自身も吹き飛ばされて、一瞬ではあれ気を失っていたからだ。
そして少年は、目を覚まし辺りを
そうして、魔法陣から少し離れた場所。先ほどの爆発で出来た、
その姿は女性だった。
後ろからでも分かる
彼女が
本来、自分一人しか入れないはずのこの地下室に、どうやって?
考える事は多々あったはずだが。
この時の少年には、ただその人が、とても美しい女性である事、それしか分からなかった。
だが一つ、何故かその女性を見た瞬間、自分の命が助かった事だけは分かった。
この
腰近くまである赤く長い髪。
その人物は、部屋中に舞う炎と同じ赤い髪をかき上げると、赤色の
ニコリと満足そうな笑みを浮かべると、その人物は自分が裸だと認識し、恥ずかしそうにその美しい裸体を隠す。
右手の甲がキラリと光り、一瞬で小さな炎を生み出すと、その炎を真っ赤なドレスへと
手の甲に見えた物、少年はそれに見覚えがあった。
本来“精霊”を呼び出す際に、
何でこの女性が?と不思議に思う少年の弱々しい視線に気が付いたらしく、その女性は倒れた少年に近付き膝を着くと、開口一番にこう告げる。
『ねぇ、私を呼んだのは、
と、確信を持って放たれたその言葉を聞き。
少年は
すさまじい疲労感と眠気に襲われ、少年の意識はどんどん遠のいていく。
このような
その結果として、まるで永遠の眠りにつくかのように、スーっと意識が無くなっていく。
炎に埋め尽くされたこの地下室で、少年は
それがこの少年、【召喚師】エドガー・レオマリスの物語の始まりである。
そんな二人の出会いまで、話は数日
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