第74話 陥没乳首のおっぱいちゃんの自分語り

私はオイゲン様に買って頂いた女です。オイゲン様には陥没乳首のおっぱいちゃんと呼ばれています。


そんな私の自分語りに少しだけお付き合いください。


☆☆☆☆☆


私の国は小国で昔から常に帝国の脅威に晒されていました。

それでも、属国の様に扱われることに耐えることで何とか形ばかりの独立を保っていたのです。


そんな中で私と妹は帝国の貴族向けの学院に留学する事になります。

留学と言えば聞こえが良いのですが、実質的には人質でした。


私の国の貴族達のほとんどは何らかの形で帝国に人質を差し出しているのです。

私の実家は伯爵家だったので待遇の良い留学という形で私を人質に差し出せたのです。


そして、帝国の学院で勉強を始めた途端に、自分と自分の国がいかに帝国に侮られているのかが判り始めるのです。


それは自分の国で伯爵家令嬢として過ごしていた時には想像もできない世界でした。

陰湿で計画高い帝国の貴族の子女達は少しづつ執念深く私達を追い詰めてゆくのです。


最初は聞こえるか聞こえないかの笑い声でした。

私達に向けられてはいるが別の事で笑ったと言えばそう認めざる得ない物。

気にはなりましたが捨て置けば良い程度のものでした。


そして、笑い声は小声での中傷に変わり始めます。

私達を田舎者とあざけり、名ばかりの貴族、帝国の奴隷と揶揄やゆするのです。


私達はそんな声に怒ることはできません。

私達は帝国へ差し出された人質だからです。


我慢を重ねているうちに中傷の内容は段々とエスカレートします。

気が付けば私たちの誇りが平然と傷付けられるような醜い内容になっていました。


そして、ある日、向けられる中傷は私の侍女の許容範囲を超えてしまうのです。


私の名誉を守るために、手をあげてしまった侍女は大きな罪を負うことになりました。

私の侍女ごときが帝国の貴族の子女に手をあげる。

それは決して許される事ではないのです。


そして、私は大きな選択を迫られます。

野蛮な帝国の子女たちに侍女を渡すか、私の名誉を渡すかという選択です。


侍女は泣き叫んで私に許しを請い、自分を渡すようにと請願しましたが、私は自分の侍女を守り代わりの私の名誉を差し出す決断をします。


侍女を差し出せば、惨い攻めを受け、最後には殺されるかもしれません。

幼いころから私に仕えていた侍女を私は失いたくなかったのです。


そして名誉を差し出した私は一日にひとつ命令を聞く義務ができました。


どんな惨い命令が下されるのか。

ドキドキしている私に最初に下された命令はたわいないように思えました。


「私のハンカチを拾いなさい」


私は地面に落ちているハンカチを拾い渡しました。

簡単な命令です。

でも私がハンカチを拾い渡した相手は帝国男爵令嬢の従者でした。


簡単と思った命令は私の身分を男爵令嬢の従者の下に置くものだったのです。


それからの日々、私は男爵令嬢の従者より身分の低い者として扱われます。


最初は簡単な事をやらされました。

男爵令嬢の教科書を運ぶとか、羽ペンの先を尖らせるとかです。


やがて命令は男爵令嬢の服を畳む等に変わってゆきます。

そして気が付くと、男爵令嬢の服の着つけをさせられていました。


それに違和感を感じななくなった頃に、私は失敗をします。

男爵令嬢の服の縫い目をほつれさせたのです。

正確にはほつれさせたと言われたのです。


そして罰を受けました。

服に愛を持てないお前には服を着る資格がない。

そう言われて、スカートの下の下着を剥ぎ取られました。


それは朝の事で、その日は一日スカートの下に何も付けずに過ごしたのです。

そして夜、私は選択を迫られます。

目の前に突き出された男爵令嬢の足の指を舐めるのか、明日以降もスカートの下に何も付けずに過ごすのか。


私は男爵令嬢の足の指を舐めました。

その夜が私が際限なく落ちてゆく日々の始まりでした。


それからは、何かにつけては私は失敗を指摘され罰を受けます。

気が付けば、罰として尻を晒し《さらし》馬用の鞭で躾けられることが日常になっていました。


そして、決定的なことが起きます。

私の国が帝国に攻め滅ぼされたのです。


私は父も母も失いました。

私だけではありません。

学園に留学していた私の国の貴族や従者たち全てが国を失い頼るものも無い中で学園に取り残されたのです。


取り残された皆は、今までの部屋から下女が住むような部屋に詰め込まれました。

財産も全て取り上げられて、服も奴隷が着るような貫頭衣を着せられました。


当然ですが授業には出れません。

下女がやるような作業に一日中従事させられました。


私を虐めていた男爵令嬢がそんな好機を見逃すわけもなく、何かに付けては呼びつけられるのです。

そして呼びつけられては行われる男爵令嬢からの虐めも苛烈になってゆきます。

お尻だけに留まっていた鞭打ちは、段々とエスカレーションしてゆき背中からお腹、そして胸まで鞭打たれるようになりました。


やがて、私の胸が鞭で打たれたみみずばれで真っ赤になるのが当たり前になります。

遂には殿方のあそこの梁型はりがたを渡されて口で奉仕する練習までさせられます。

近いうちに本物の殿方の物に奉仕させるとまで宣言されました。


そんな私たちは有る日、全員がまとめてある貴族に買われてしまいます。

学院での授業料や宿泊費、食費で出来た借金の弁済の為だそうです。


そして、ポッズへと送られると言われました。

ポッズで上級奴隷としての教育を受けた後、上級奴隷として売られるためにです。


私達は憤慨しましたが、これでも私達への救いの手だったのです。


敗戦国の貴族として罪に問い帝都で公開処刑を行うべきだ。

平民向けの低級の娼婦に落とし国民への褒美とすべきだ。

等々、恐ろしい話が裏では検討されていたのです。


実際、男の貴族や従者は帝都で公開処刑として吊るされるか、男娼として娼館に売られてしまいました。


私の国の亡命政府が手を廻して私たちに多少なりの救いの手を廻した結果がポッズで上級奴隷として貴族に仕える身分になるという道だったのです。


そして私たちはポッズで上級奴隷としての教育を受け始めます。

伯爵家で教育を受けた私には特に難しい内容でへ有りませんが、下級貴族出身の者には難しい内容もあったようです。


......特に房中術などは!


それでも上級貴族に仕えるには充分な素養を身に着けた頃、私達はポッズで開催されるオークションで接待を務めることになったのです。


そこで口を酸っぱくして言われたのはお客様に真心を込めたおもてなしをするのはもちろんのこと、上級奴隷として買ってもらえるように殿方に魅力を振りまけという事でした。


売れ残れば平民向けの娼館に売り払う。

言っておくが、そこでは3年も生きられれば長生きと言われる。


そう宣言されて、全員の目の色が変わりました。

男に媚びて上級奴隷として生きてゆくか、平民向けの娼館で命をすり減らすか

それは究極の選択です。


当日、私達は女の魅力をできる限り高めるよう頑張りました。

朝から湯あみをして、香油で肌を磨きあげました。

髪型も化粧も自分を一番美しく見せるものにします。


服は......破廉恥な服です。


こんな格好で男の前に出るのかと眩暈めまいがしました。

でも生きるためです。

私は受け入れました。


後は私が担当する殿方次第です。

願わくば、脂ぎった中年や女をおもちゃのように扱う老人ではなく、さわやかな旦那様に買われたい。

それが私の願いでした。


でも、私の願いは叶わない様です。


私の担当する殿方はまだ少年。

女を買うような年齢ではありませんでした。


私には娼館で卑しい男達に蹂躙じゅうりんされる自分の未来しか見えませんでした。


でも、この殿方、オイゲン様は只者ではありませんでした。


なんと古龍の鱗の出品者だったのです。

どうすれば古龍の鱗など手に入れられるのでしょうか?

きっと、うっとりするような冒険章がそこにはあるのでしょう。


とても残念です。

オイゲン様が後少しお年を召していれば、私など子供が飴玉を買うような感覚で買って頂けたのにと思いました。


そんな私の浅知恵をオイゲン様は簡単に払しょくされます。

オイゲン様の隣にいる淑女、リン様は元帝国の貴族でしかもオイゲン様の奴隷でした。


そして、今日も帝国で失脚した貴族のご息女達を競り落としにいらっしゃってもいたのです。


私はリン様の幸せに満ちた表情とリン様の心が深くオイゲン様に寄り添っていることを見極めると賭けに出ました。


オイゲン様と妹を奴隷として買うように売り込んだのです。

それは、とても恐ろしい瞬間でした。


だって、オイゲン様に拒絶された瞬間にあたしは平民向けの娼館と言う地獄に送られることが決まるのですから。


そして、私は賭けに勝ちました。

オイゲン様に私は買って頂けたのです。


私も妹も平民向けの娼館で娼婦になるという地獄の生活を回避できました。


だから、私は誓うのです。

オイゲン様にこの身を呈して仕えると。


それが、私にできる唯一のオイゲン様への感謝のしかたなのです。


私は誓います。

この身をオイゲン様に捧げると。

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