第19話 レベルアップ
その後、2人の力を借りながら何とかもう1体ゴブリンを倒すと、何やら力が湧いてくる様な感覚を覚える。
もしかして! と思いステータスを開くと、
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レフト・アルストリア 10歳
Lv 2
体力 28/28
魔力 239/239
【ギフト】
・植物図鑑Ⅰ
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……そこにはレベル2の文字が。
「……! レベルが上がりました!」
「おめでとうレフちゃん!」
「おめでとう」
「ありがとうございます! ……ん? あれ、ギフトのレベルも上がってる?」
確か以前まで、植物図鑑の名の横には何も表記が無かった筈である。しかし現在、そこにはⅠという数字がある。
……うーん、これはギフトのレベルが上がってるって言うのかな?
首を傾げる僕に、マユウさんが問いかけてくる。
「もしかしてレベルⅠになった?」
「あ、はいそうです。表記が無かった所から、レベルⅠに」
今までは差し詰めレベル0と言った所だろうか。
僕の言葉を聞いたマユウさんは「おぉ」と平坦な声で言った後、
「リアの魔術と同じだ」
「リアトリスさん?」
「そうね、私の魔術(空)も最初は表記無しだったわ」
「レアギフトに時折見られる現象」
「レフちゃんのギフトがレアである事の証明ね」
「なるほど」
「……何か能力増えてない?」
「能力……ですか、確認してみます」
と返事しつつ、何か変化はあるのか、新たな能力について探ると、どうやら自身が実体化した植物に限り収納できる様になったようだ。
……おお、これは色々と助かるな。
「どうやら実体化した植物を収納できるようになったみたいです」
言って下級薬草を右手に実体化。その後収納と念じると下級薬草は光になって消え、図鑑の下級薬草欄に収納数1の文字が浮かび上がった。
「便利」
「それって触れていないと仕舞えないの?」
「実体化の時と同様右手で触れている必要がある様です」
……正直ここは不便である。もしかしたらギフトのレベルが上がればここも変わるのだろうか。
気になる所ではあるが、ユニークギフトはレベルの上がりが遅いとヘリオさんも言っていたし、ここはあまり期待せずにいこう。
そう思いながら、僕は再びステータスへと視線を向ける。
……体力28に、魔力が239か。
ステータス値は人により伸びが違う。
そして一般的には、レベルが上がれば上がる程、レベルアップに時間がかかる代わりに一度の能力値の上昇量が大幅に増すと言われている。
現在、僕の能力の上昇量は体力が15で魔力が115。
他の人の伸びがわからない為何とも言えないが、以前初期魔力量の多さ故に神童と呼ばれていた事、そして今回の伸びがその初期魔力と同量である事から、恐らく魔力の伸びはかなり良い方なのではないだろうか。
逆に、魔力と比較すると体力の伸びはあまり良いとは言えない。
こちらも平均水準がわからない為何とも言えないが、能力の伸び、そして植物図鑑の能力的に、もしかしたら僕は戦闘に向いていないのかもしれない。
しかし、戦闘をしなければレベルが上がらず、基本レベルが上がらなければ魔力は増えない。
つまり、仮にギフトが戦闘向きで無かったとしても、その能力を十全に利用するのならば、どうしても戦闘は避けられない。
……うーん、このままだとまた限界を迎えるかもしれないな。何か良い戦闘方法を考えなきゃ。
ふと、能力の実が頭に浮かぶが、これはまず触れる機会すら得られず、また仮に手に入れてもそもそも莫大な魔力を要求され、実体化できないといった事が起こるのは目に見えており、故に現状これに頼るのは不可能であると言える。
……さて、どうしようか。
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