…3ノ月10ノ日…


…3ノ月10ノ日…

 買えないなら自分で作ればいい。

 それは言うは易しで、行うは難しのようだ。


 村は山の中にあるし、綺麗な水が後ろの山から流れてくるおかげで、薬草類も豊富に自生している…と、薬草狩りに来ていた薬師の人が言っていたのを思い出した。

 薬草とかを売る事で、村の生計を立てている部分もある。

 その事をアムールさんに話してみたけど、そもそも毒の影響が違うから、普通の薬草では効果が無いらしい。


 魔物の毒の影響で、熱が出たりした時、その熱を冷ましたりとかは、普通の薬草でもできるみたいだけど、根本的な解決にはならないって。


 どうすればいいのだろう。

 薬草が豊富な場所だから、きっと大丈夫って考えていたのは、買えなければ作ればいいって思っていたのは、浅はかだったのだろうか、考えが甘かったのだろうか。

 貴族がなかなか買えないモノ、高価なモノ、それだけ貴重なモノ、助ける事ばかり考えて、焦って、何故なのかって部分を考えてなかった。


 買えない、作れない、どうすればいいの?

 このままお父さんとお別れするのは、嫌だよ。






(空白の部分に、所々水に濡れたような跡が残っている…)


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