第16話 夜明けと旭日-アイントテフ会戦-下
『金を失うのは小さく、名誉を失うのは大きい。しかし、勇気を失うことはすべてを失う。』───────ウィンストン・チャーチル
─1918年 4月30日 フランブル地方 大マウロ人民帝国陣地 敗走中
泥濘の中を駆ける一団がいる。彼らは皆フードを被り、まるで何者からか逃げているかのように馬に乗って走っていた。
195高地を取られた大マウロ人民帝国は、ワイバーンを差し向けて奪還を狙おうとするも失敗した。今走っている彼らは本来であれば突撃部隊の援護、重砲であれば準備砲撃のような存在であった。しかし彼らはその準備砲撃の役割すら果たせず、撤退している。
しかし連邦の追撃を防いだ点は認めざるを得ないだろう。その被害が甚大でなければ。
「殿下、お怪我の具合は?」
馬を並べた家臣が不安そうに聞いてくる。
彼は側近であり、人民帝国陸軍では海軍に比べると提供割合の少ないワイバーン部隊の指揮官のひとりだ。
「…平気だ。」
自慢の金色のブロンド髪の末端は焦げ、鼻の当たりが火傷によって赤くなっている。そして一番の外傷と言えるのは、この左手だ。
ぐるぐると包帯が巻かれた左手は、血が滲んでおり指先以外は包帯でその地肌を見ることが出来なかった。
大マウロ人民帝国の皇帝の一族、いわゆる王家と呼ばれるパーシヴァル家の血を継ぐ女、そして現皇帝の妹であるシャルロット・パーシヴァルは戦場に居た。
この切り傷は決して敵の刃によるものではない。
ミコ・カウリバルスより放たれた蒼い炎のような閃き、失神の呪文がシャルロットに命中した時に薄れゆく意識を痛みによって踏み止めようと短剣で自傷したのだ。
ともかくも、今日という日はシャルロットにとって戦場で初めて傷を付けられた一日となった。
「…許さない。」
揺れる馬上で偉大なる血筋を持つ魔導士は唇を噛んだ。
─1918年 5月2日 フランブル地方 西部方面軍 第三軍 第13旅団
右翼の第一軍の攻勢から始まったアイントテフ会戦は、遂に主力である第二、第三軍の攻勢が始まった。
攻勢は順調かに見えた。西部方面軍はアイントテフを包み込むような動きを演出しようとしていた。だが、グリスコフという陣地のラインで両軍は激しくぶつかり、膠着した。
これが誤算だったのは西部方面軍総参謀長、グレイグ・ロジェストヴェンスキーである。彼が何度首筋を赤くして、
「何をしているのか」
という電報を各所に送ったかわからない。
人民帝国の総司令官、マックス・シャーザー将軍は過敏な神経の持ち主で凡才ではあったが戦線整理という点では長けていた。
グレイグから見ればこの程度の陣地ならば、敵将シャーザー将軍は押せば引いてアイントテフでの一大決戦に臨むだろう、と見ていた。
だがシャーザー将軍はそうではなかった。彼は凡才であるが故に、アイントテフという最大の拠点での決戦ではなく、グルスコフというアイントテフの前の陣地ラインで決戦を演じようとしたのだ。げんに彼はアイントテフの予備兵力や戦線縮小による余剰兵力をグルスコフに向けつつある。
グルスコフは標高90m程の丘が連なる陣地だ。グレイグも、敵情判断に誤りがあった。この陣地は見た目とは裏腹に強固であった。
このまま戦況が続けば本来の目的であるエルムズ河までの前進は到底叶わず、退却せざるを得なかった。死傷甚だしいこの戦況は連邦にとって有利とは言えなかった。
だがこの状況を何とかひっくり返した二大要素があった。
ひとつはグレイグが本国より取り寄せた攻城砲であった。本来の用途である要塞攻略のための巨砲は、2門ずつ第三軍と第二軍に配備されていた。ただこの巨砲は各軍使い道に困っていた。
第13旅団のベリヤ・オフロスキ少将は全軍のあゆみが滞る中で、飄々と部隊指揮をしていた。
彼の操る旅団は軽快に前進を続け、第三軍の前進運動における柱と言ってもよかった。もっとも、グルスコフを直接攻めているわけではないという理由があるにしてもだ。
彼はアイントテフの西南の集落までその陣地を広げていた。
ベリヤは司令部を粗末な住居におき、自分はその外でアンペラを敷いて寝転がっていた。時折降ってくる砲弾にもお構いなしにタバコと酒を煽り続けた。
ベリヤはこの時、村に敵が逆襲してきたことを知った。
「戦の匂いがする。」
彼は独特の勘を持っていた。そしてそれは当たっていた。
兵力は300程度で騎兵らしい。ベリヤは腰を上げず第501大隊へ伝令を走らせた。命令の内容は歩兵1個中隊でもってこれを撃退せよ、というものだったが、言い終わると、
「おい。」
と、副官を呼んだ。
「あのなあ」
と言ってる間に弾丸が近くの家の屋根の瓦を砕いたが、話を続けた。やや後方の第三軍主力部隊と、第二軍の方から聞き慣れない砲の発射音が聞こえている。
「あれは攻城砲ではないか?」
副官も、たしかにそうだ、と思った。目標はグリスコフの敵陣地であるらしい。が、いかに小さな丘が要塞化されているとはいえ、本格要塞ではない
「いっそ遠くアイントテフの駅へ撃ち込めばどうかと言ってきてくれないか?」
と言った。
アイントテフの駅付近にはシャーザー将軍の司令部があるらしいということは偵察と諜報で知っていた。更に駅には必ず弾薬や糧秣の集積所がある。ここへ巨弾を撃ち込めば、敵に心理的なダメージを与えられることは確かだった。
副官は自ら騎馬を走らせ後方へと走った。そしてその意見具申は認められ、やがて砲撃が始まった。この巨弾の威力が弱気なシャーザー将軍の心に与えた効果は少なくなかった。
─1918年 5月2日 フランブル地方 西部方面軍 第一軍 司令部
アイントテフ会戦の連邦の2大要素のうちの2つ目は、第一軍であった。
第一軍は、主力ではない。この攻勢の主役は第三軍と第二軍であり、このふたつの軍団が敵防御線を正面から力押しに攻め立てた。
が、第一軍はそこにはいない。彼らは東の山の多い地帯でしきりに運動し、この会戦の火蓋を切って落としていた。
戦略としてはぐるりと迂回し、近くのエルムズ河を渡り、アイントテフを背後から包み込むかもしくは側面から攻撃しようというのが、この第一軍に課せられた任務であった。
既に敵の第一線防御線を破り、眼前に敵の第二線防御線があった。が、第二軍、いやバーヴェル・ニコロフスキー軍司令官はそこを攻めるつもりはなかった。
敵将シャーザー将軍には連邦にこの企図があるのを夢にも思わなかった。
エルムズ河は連日の豪雨で濁流が渦巻き、とうてい大軍が渡河出来るような状況ではない。シャーザー将軍にとってこの河は
第一軍の動きは、シャーザー将軍にある見方を与えた。
────正攻法で来るだろう。
という見方だ。実際悪戦苦闘しながらも第一防御線を突破している。
第一軍のニコロフスキー軍司令官がやった巧妙さは、敵の第二線防御線に迫りつつも、実はその意図は全く方角違いのエルムズ河を渡河しようとするところにあった。
シャーザー将軍にとっては思いもよらぬことであり、無理もなかった。あれほど激烈な戦闘を経て第二線防御線を見下ろしているのだ。
つまり、正攻法で来るとはこのまま第二線防御線を取ろうとしている、ということである。シャーザー将軍はそう思った。
それよりも自身の正面からふたつの軍による攻勢がシャーザー将軍の判断を鈍らせた。
第一軍の攻める東部よりも、西部が主力的な防御陣地だった。
第一軍は、西北の方を向いている。そこで敵の第二線防御線と向かい合って飛びかかるような構えを見せている。構えを取りながらも現場から雲のように消えて快速をもって後退し、エルムズ河の渡河地点へゆき、そこから一気に河を渡ってしまおうという企図を持っていた。
それには敵の目を誤魔化さなくてはならない。
その為に1個師団を残すことにした。1個師団とはいえ先日の激烈な戦闘で兵の損耗の激しい師団で、師団の
この横に伸びた蜘蛛の糸のような細長い陣地でもって敵を吊り、本軍は北のエルムズ河へ渡ろうという。
それも、3万以上の大軍がそれをしようとしている。
「ニコロフスキー将軍、この作戦が成功すると思いますの?」
嫌味な程に綺麗な連邦の言葉を話すこの女は、同盟国桜華皇国の観戦武官、魔法使いの秋山凛月大尉であった。
ニコロフスキーは笑いながら喋った。
「ははは、おたくらの戦術書にはこんなこと書いてないだろうな。」
秋山はムッとした。
「失礼ながら将軍。わたくしこの作戦の成功率は二割もないと思いますが。」
ニコロフスキーの笑みは崩れなかった。
「20パーセントもあるなら十分だ。」
だがその笑みは不敵だった。内戦で活躍したこの将軍はどこか余裕を感じさせた。
ニコロフスキーは、エルムズ河を渡らなければならない。既に準備は出来ていた。が、日時を決めなければならなかった。
彼の決断を促したのはほんの小さな現象であった。
「シケタリベルグくん、あれはなんだろう?」
と、2日正午、西側のアイントテフの西のあたりに火災が起こっているのを望見し、参謀長のエーリヒ・シケタリベルグ少将に尋ねた。が、戦線最右翼で戦う彼らには事情が掴めない。
「なんでしょう。」
と、シケタリベルグは推測しようとした。
この火災は第三軍麾下の第13旅団が誘導してきた攻城砲によるものだった。このためアイントテフの駅はめちゃめちゃに破壊され、辺りが火を噴いて燃え始めたのだ。
が、ふたりにそれはわからない。シケタリベルグは、
「あれは人民帝国軍が退却するために糧秣などを焼いているのではないでしょうか?」
と妙な見当をつけた。シケタリベルグにはそういう楽天的で陽気な見方があった。実際には退却どころではない。逆に連邦に対して痛烈な打撃を与えつつあり、この日も連邦の主力各軍は敗色模様であった。が、最右翼のこの男にそんな状況が分かるわけもない。
シケタリベルグだけでなくニコロフスキーものんきで、
「奴らが退却するとなったらこいつは好機だ。明日3日の夜に何がなんでもエルムズ河を渡って敵の横っ腹を突いてやろう。」
と言った。敵の横っ腹を突くのが彼ら第一軍の任務であった。彼らがエルムズ河渡河の日時を決めたのは、第三者から見れば間の抜けた会話であるこれに拠っている。
しかも、成功した。
ほぼ全軍が2日、3日の両日にわたって、ごっそりと渡ってしまったのである。
こういう状況下で、これだけの大軍が敵に気付かれず渡ってしまうというのは、稀有の成功としか言いようがなかった。
だがこの成功は必ずしも天佑や奇蹟によるものではなかった。
─1918年 5月2日 深夜 フランブル地方 エルムズ河近辺 西部方面軍 第一軍 第一独立機動支隊
渡河作戦の始まる直前、彼らは少数ながらも移動を始めていた。
魔法使いによって率いられている第一独立機動支隊、秘匿呼称クレセント・コマンドの兵たちは月を浴びながらそろりそろりと進んでいた。
「しーっ静かにっ!」
声を殺しつつも、ミコ・カウリバルス中尉は部下の魔法使いマキナ・ハヤサカに注意した。
少数の歩兵を引き連れて彼らはエルムズ河を見た。河の向こうには敵の監視施設があるらしい。光が灯っている。
ふたりの魔法使いがまず箒にのって河を音もなく渡った。この時クレセント・コマンドには本来3人の魔法使いがいたはずだった。しかしそのうちのひとり、サーシャ・コンドラチェンコはワイバーンとの戦闘で負傷していた為にふたりで行動している。
河を渡りきるとミコは味方に合図を出した。
すると歩兵たちは脱いだ服を頭の上にのせ、あれよあれよと言う間に泳いで渡ってくる。河の状況は良くなかったが、第一軍の偵察部隊が見つけたこの浅瀬のある部分は流れも穏やかで渡河にはちょうど良かった。
全員が渡りきり準備を終えると、ミコは時計を取り出した。
「10分後にここに集合、OK?どんなに戦果を上げられなくても10分でここに戻るように。」
ミコも先日の戦闘で負傷している。が、サーシャのそれよりはマシだった。今でも右足のふくらはぎには包帯を巻き付けている。
「よし、それじゃあ行こうか!」
ミコは軍刀を引き抜いた。多くの敵兵の血を吸った雷切は、月の光を受けて妖しく輝いた。
そしてその拠点を無力化させた。
ともかくもこのような出来事もあり、第一軍はエルムズ河を渡った。
シャーザー将軍は激怒した。彼はエルムズ河に近くアイントテフの側面に構える第一軍を警戒していた。それは数字に現れていた。彼は第一軍に対して過剰と言える程の大軍を対峙させていた。その兵力は3個軍団7万8千人、第一軍の総兵力は5万そこそこと考えると警戒の具合が知れるだろう。
だがその目を盗み河を渡ってしまった。それがこの会戦において大きかった。
シャーザー将軍の激怒するところはもちろん、部下の無能さにおけるものだった。3か月前の人民帝国のクーデターは、現場においてその影響が色濃く出ていた。クーデターを起こした皇帝の甥のいる軍閥の一派は、クーデターを成功させ前皇帝を操っていた奸臣を粛清し、ついでに自分たちの派閥以外を閑職へと追い込んだ。そうすると当然若く実績のない軍人が下から上へとのぼってくる。それが良い方向に動いた例もあるが、実際にはマイナスに動くことの方が多かった。
もちろん、このシャーザー将軍もクーデターの恩恵を受けて今この席に座っているのだが。
もし部下の将軍たちに少しでも機敏な目と耳があったならば、陣地から背を向けてエルムズ河を目指す連邦国防軍を追撃し、エルムズ河を血に染めたことも出来たはずだ。
第一軍にとってもそのリスクが大きかった。
例の桜華皇国から来ている観戦武官、秋山凛月もその点に触れてシケタリベルグ参謀長に、
「わたくしから見ればこの作戦は実に成功率が薄く、危険のみが大きいように見えますわ。もし人民帝国軍が気付いて追ってくるならば、それは…地獄です。」
シケタリベルグ参謀長には十分な判断力と計算力があった。そしてそれが弾き出した結果を決して消極的に見ず、楽天的に陽気にそれを見ていた。
「これは賭けだけど、まず敵は追ってこないよ。今までの敵将ギバナ将軍の戦い方を見てもわかる。」
秋山は、これでも納得出来ない。彼女はニコロフスキーにも聞いた。
「わたくしならこうはしませんわ!全力を上げて正面の敵(ギバナ将軍)を押し、十分に押して敵が後退し十分に距離が出来た頃に後退してエルムズ河に向かいます。」
そう言うと、ニコロフスキーは18年前の内戦で地獄を味わった男なだけに、若い秋山の描く構想をからかった。
「それは絵に描いたサクラモチだよ。」
ニコロフスキーは絵空事と言いたいらしい。彼に言わせれば、戦争も桜華皇国の国技スモウも変わらない。敵を押すためにがっぷりと四つに組んでしまえばもう離れることは出来ない。理屈はまさに秋山の言う通りだ。しかし実際の戦争はそうはいかない。危険はたしかに大きいよ。けどリスクばかりを計算していたら戦争は出来ないんだ、と言った。
第一軍は、渡った。これは大きかった。これへのシャーザー将軍の処置はこの会戦での運命を決めたと言ってもおかしくない。
彼は連邦の左翼軍(第三軍)と中央軍(第二軍)に対して並べていたテーブルを、ぐるりと回して第一軍に立ち向かったのだ。
シャーザー将軍は、凡才で機敏な神経を持っていた。そしてこの判断は愚劣だった。
局面は大転換し、東部戦線が主戦場となってしまったのだ。
────いったい何が起きた?
というのが西部戦線において戦っていた将兵が等しく持った感想だろう。彼らは激しい戦闘の中でも第三軍、第二軍を相手に勝っている。それなのに後方から、
「退却せよ」
という命令がやってきた。
今の陣地を捨てよ、君らを転用する、と言いたいらしい。人民帝国の下級将校はこれに怒った。彼はクーデターによる軍上層部のいざこざと新たな人材、しかも身の丈に合っていない無能の高級司令部に対して不満感を持っていた。
しかし、彼らには行動を監視する政治将校という存在がいる。下手に逆らえば皇帝陛下への反逆と見なされ国家反逆罪で余生を牢屋で暮らすかもしれない。
兵たちは黙々と新しい命令を服した。
西部方面軍が敵の退却をしったのは5月4日の朝のことだった。
「猛攻の甲斐があったな。」
と各軍の司令部の幕僚が思った。結果から見れば人民帝国は自ら引いたのであり、負けたわけではないのだ。
総司令部でもグレイグ・ロジェストヴェンスキー総参謀長は不思議に思った。負けているのはこちらなのに、と。彼には理解出来なかった。当然だろう。この動きはシャーザー将軍の個人的な心理上の問題であったからだ。
ともかくも、第三軍の一部は更に北へと伸び、エリスの街を占領した。エルムズ河へは、目と鼻の先である。
しかし第一軍は地獄であった。渡河した4万の部隊の前に、人民帝国の主力が立ちはだかったのだ。無論司令官のニコロフスキーもそこまで敵の数が多いとは知らない。
だが攻勢の限界が見え始めたのだ。両軍はふたつの山を取り合った。山頂の奪い合いは休むことを知らず、敵味方の死体は野砲で吹っ飛ばされたか、銃剣や軍刀によるものしかなかった。
3日間に及ぶ戦闘は地獄の様相を呈し、軍司令官ニコロフスキーは、戦闘の行われているふたつの山を見ながら野原に寝転んでしまったという。
「こんな状況で指揮なんて出来るものか。」
結局、精神的に図太いニコロフスキーが勝った。いや、シャーザー将軍が根負けした。
シャーザー将軍は「一時撤退」と称し、部隊を後退させ始めた。
(それに、エルフォニアがある。)
というのが彼の決戦思想だった。元々エルムズ河以南の土地は異国の地であり、それを占領していたに過ぎない。エルムズ河より先の本土、エルフォニアにて戦おうというのが狙いだったのだろう。
撤退戦は、完璧に行われた。第一軍には追撃するほどの元気がなかったこと、第二、第三軍は敵のワイバーンの空爆を受けて満足に追撃することが叶わなかった。
195高地の戦い以降、姿が見えなかったワイバーンはここで姿を見せ、本来の用途である攻撃ではなく支援に徹していた。
しかし、連邦は目標であるエルムズ河まで辿り着くことは出来た。そしてその先には陣を構える人民帝国の姿があった。
この戦争における死者は、人民帝国よりも連邦の方が多かった。その理由はやはりワイバーンによるものであった。
そしてミコも、この先でまたしても大役を担わされることとなる。
第2章『RUN UP』反攻作戦 完結
続く。
───────
以下、ちょっとした解説
・天嶮(てんけん)─自然の要害
・ワイバーンについて─人民帝国ではワイバーンの割り振りで陸海軍でいざこざが起きている。
・機関銃について─現在あまりその脅威は認知されておらず、割合として大量に配備されているのは両軍通してみても第13旅団とクレセント・コマンドだけである。
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