第1353話 42枚目:対応開始
残念ながら既に「第一候補」はログアウトしていたらしく、どこがやられたらヤバいとか、そういう意味のアドバイスあるいは指示はもらえなかった。うーんこのタイミングも嫌なものを感じるな。
とはいえ、
今度は範囲調節とか考えず、全力で展開する。もちろん空から降って来るスライムの群れを防ぐ力は無いが、通常
「念の為、自分の真上には空気の足場と火属性の壁系魔法を設置しておきましたが……大変な事になりましたね。探索とギミック防衛に、
私も出来るんならここから見える範囲だけでも降ってくるスライムを狙って炎の槍とかを叩き込みたいし、なんならルイシャンに乗せてもらって、旗槍を掲げて領域スキルを重ね掛けしたままぐるっと街を回るべきじゃないかと思うんだよな。
それでもここで待機しているのは、司令部からの指示が無いのもそうだが、本の形をした眷属さん達が本神殿へ避難している最中だからというのと、領域スキルに悪属性と判定された
あと、妙にタイミングがいい事を考えると、私がこの場を離れると、入り口に何かされる可能性がある。大部分の
「人員や物資のやりとりがなくても、外の司令部が混乱させられると別の問題が起こったり、何か問題が発生しても対処が遅れる、とかいう可能性がありますからね……」
なので、とりあえず眷属さん達の避難が終わるまではこの場で待機だ。その後は他の
入り口前で領域スキルを展開し続け、ボックス様の力で相手のリソースを削り続けたかいあってか、もう街の内部が迷路化しているという事はない。たしかに入り組んだ地形ではあるが、地図があるなら問題なく移動できる。
だから駆け足なら街をぐるっと回るだけにそこまで時間はかからないだろうし、実際に移動するとなったら、それはそれとして入り口前の警戒はちゃんとしてもらった上で、という事になるだろう。
「と言っても流石に降って来る数があれですから、あんまり守ってばかりだといずれ追い詰められそうですが」
「で、実際どうするんだお嬢」
「周りの立て直しと準備が整い次第、荷物つきでルイシャンについて来れる人を集めて街を回るしかないでしょうね。領域スキルの範囲を考えて少し内側を通るとしても……一周30分ぐらいはかかるでしょうけど」
「それなりに飛ばすんだな?」
街って言ってもファンタジー世界の街だからな。人口で言えば5万人を超えてれば有数の大きさと言える。だから竜都が特殊なんだし。
だから速度的には、たぶんだが普通に走ってる車ぐらいなんじゃないだろうか。もちろん街の中を走るんだから周りに気を付けなきゃいけないし、スライムとの戦闘もあるし、まっすぐ走れる訳でもないからどうしても距離及び時間的なロスは出るんだけど。
実際、「第一候補」と連絡が取れるまでは1周1時間ぐらいで走ってたからな。それを半分にするって事は、必要な速度は倍になっている訳で。
「出来れば10分切りたいんですけど、流石にそれだとついて来れる人がいないでしょうし」
「確かにそれは無理だろうな……」
街を走っている間は入り口前の防御が落ちるって事だから、出来るだけ早く戻れるようにしておきたいんだよなー。仕掛けてくる可能性がすごく高い以上は。
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