第1286話 42枚目:推定条件
しばらくすると掲示板に、魔法陣にはどんなランクでもいいからコインを投げ込めばしばらく出てこなくなる、という情報が載ったので試してみると、確かにしばらくは出てこなかった。
……ただそのしばらくっていうのが、数分もないってだけで。確かに狙われる心当たりは山ほどあるけど、流石にこれはちょっと露骨じゃない?
「街の方だと、小悪魔が飛んできて魔法陣を止めてくれるみたいですね。その間に避けてコインを投げ込んでいると」
「それにしても、めっちゃ魔法陣が出てくるっすね?」
「避けてるから余計に出てくるとかじゃないだろうな……」
どっちかというと商品価値的な意味じゃないかな。竜族の皇女と『勇者』と妖精郷の管理者が揃ってるんだし。
しかし商品価値か……。とちょっと考え、試しに手持ちのお菓子をいくつか詰め合わせて小さな袋に入れ、リボンを結び、次に現れた魔法陣に乗せてみた。
「……消えたな」
「消えたっすね」
「もしかしてこれ、牢屋こと商品棚が一杯になるまで止まらないのでは?」
とりあえず、お菓子で魔法陣が消えた事と、その予想を合わせて掲示板に書き込んでおく。コインより魔法陣が現れるまでの時間が伸びていたので、これが正解なんじゃないだろうか。
魔法陣が現れるまでの間にラッピング小包風のお菓子詰め合わせを作り、魔法陣が出たら退避して小包を置く。そうやってしのいでいる間に街の方でも検証出来たのか、情報が掲示板に上がってきた。
「どうやらこの対処で正解だったみたいですね。お菓子でなくても、投げナイフ1本とかロープ1束とかでも魔法陣は消えたようです」
「でも、ダメだった場合もあるみたいっすね。木のスプーン1本とかどっかで拾った枝は消えなかったらしいっす」
「まぁ、一応は景品の補充だろうしな。ある程度は価値があるものでないとダメなんだろ」
ちなみにもうしばらくすると、裏カジノにいる
なので私の推測も恐らくは当たりだろうという事で、裏カジノから住民を避難させる動きと並行して、そういう無害な景品を取らないように動く方向で行くらしい。まぁそうなるよな。
「って事はー……景品棚が一杯になったらなんか動くっすかね?」
「でしょうね。その辺りのペース配分は司令部にお任せですが、少なくとも住民は全員救助してくれるでしょうし」
逆に避け続けて空になったらどうなるのかとも思ったが、それはちょっと無理がありそうだ。何せ魔法陣が狙うのは
「ランダムの中に神官の人達が入ってる時点でアウトなんすよねぇー」
「神官というか支配人という感じでしたが、アウトなんですよね」
「それでも動きが無いってあたり、よほど何か制限でも食らってるのか?」
「焦って急に影響を強めようとした元凶に対し、その影響に抗うので手一杯、とかいう理由ならまだ許せなくもありませんが」
「他の神様だったら素直に心配なり応援なり出来るんすけど、あの神様は、まぁ……」
自業自得なんだよな。口には出さないけど。
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