第1204話 41枚目:攻略進捗
そういう感じで、ある意味とても特殊なダンジョンを順調に攻略していると、ダンジョンの外にも変化が起きてきたようだ。……具体的には、似たようなダンジョンの入り口が増えた。
ある程度攻略されたパズルダンジョン(仮称)は、私が外に出て領域スキルの効果が無くなっても「モンスターの『王』」の影響は減衰したままだった。なのでそこからはダンジョンが発見された順番に、最前線に出れる
まぁ進めば進むほど「モンスターの『王』」の影響というデバフの積み込みは軽減するより強化される方が強まっていくから、結局私はぐるぐるとダンジョンを回り続ける事になる。
「でもこれ、どれだけ深さっていうか広さがあるんすかね?」
「まだ階段も見つかっていませんからね……」
そもそも階段があるのかどうかも分からないけど。何せフリアドでは初めてのパターンだからな。……ダンジョンという形を取っているから、この空間異常を解決したら他のダンジョンにも適用される可能性が高いっていうのがちょっとあれとはいえ。
ともあれ、戦力的には十分だから、ダンジョンの探索自体は順調に進んでいる。見つかるアイテムも(パネルを除いて)素材的なものが多いらしいので、その辺りはやはり神の影響なのだろう。
「……もしかしなくても、知恵の輪が喜ばれる神様なのでは?」
「どんな神様が喜んでましたっけ」
「主に器用系の職業を司る神様ですね」
宝箱を開けるって意味での盗賊とか、罠や糸を使ったりするタイプの
魔法もスキルも不思議金属もあるから、発想と試行錯誤さえあればフリアドは思っているより出来る事が多い。『自由』の1つだな。知恵の輪も確かその類だった筈だ。
私? やってないよ。流石に材質が色々あると言っても、ほら、私はステータスの暴力だから。どんなに加減しても壊す未来しか見えない。
「あー。それならパズルの元ネタを捧げても喜んでくれそうっすね。難易度は順当に上がると思うっすけど」
「今でも結構難易度高いですからね……」
司令部の人達がいるから何とかなっているが、どう解いたらいいのか分からないパズルも出てきてたからなー。なんだろうね、真っ白なナンプレって。よく見たら枠の境界線に不等号が書いてあったけど、あれだけでどうやって解くの?
という感じでパズル系ダンジョンの攻略は順調に進んでいたんだが、どうやらパネルの数にして100個四方で行き止まりになったようだ。最後に出現した大部屋でボスみたいなモンスターを倒したらクリア扱いになったらしく、ようやくダンジョンの数が減った。
そしてダンジョンがクリアされると他の場所にも変化が出たらしく、どうやら環境調節塔を一括管理する施設の、謎の不調が一部直ったらしい。施設にいた魔族の人達は、その直った部分から原因を探しているようだ。
それはそれとして
「ところで、さっき
「…………ごっつい鎖っすね?」
「知恵の輪っぽいんですよこれが」
「長くないっすか?」
じゃらっと音が鳴るそれは、太さが私の拳ほどもある2mぐらいの金属でできた鎖……に見えるのだが、その繋ぎ方がな。やたらめったらに複雑なんだ。ぱっと見ではさっぱり分からないぐらいに。
おかしいな。昼休憩でログアウトした時には絶対に無かったし、
「知恵の輪って、基本的に、輪を2つ繋げたものだった筈なんですけど」
「2つどころじゃねぇっすねぇ……なんか違うアイテムなんじゃないっすか?」
「……【鑑定☆☆】したら、名前が「知恵の輪スペシャル」だったんですよね」
「ド直球っすねー」
え? もしかしてあのダンジョンでの会話、見てたの? もしくは聞いてたの?
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