第846話 25枚目:攻略難航
さてそこから土曜日の夜のログインはもちろん、日曜日のログインも全部レイドボス戦に突っ込んだ訳だが……進捗は、大分厳しいと言わざるを得ない。
何せレイドボス「沈め捕える無温の氷晶」の足元から住民を救出するペースが、私がいるかいないかで天と地ほどに変わるからだ。流石にエルルとサーニャでも火力が足りず、一般
一応何とか、狼の口を封じる方法は何パターンか編み出されたようだが、それでも4つの足と尻尾を封じるまでには至らない。どうやら氷の塊を削っていき、残りが3割を切ったら動き出す、というパターンが読み解けたので、ゼロではないが。
それに、レイドボス自身の体内探索も実質止まってしまうのが痛い。「築城の小槌」はカバーさんに預けているんだが、どうやらレイドボスの内部に構造物を作ろうとすると、必要な魔力が跳ね上がるんだそうだ。不可能ではない、というのは、エルルかサーニャか、「第四候補」ぐらいだとのこと。
その3人にしてもそれぞれにやる事があるし、砦を1つ作るだけでかなり消耗するんだそうだ。そして、消耗しても内部の通路に地下室が届かない、という事も普通に有り得る。中に居るだけで状態が悪化していくのだから、退路が断たれた状態では探索できない、という訳だ。
まぁ流石司令部と言うか、私がいない間は体内探索をしていた
もちろん私のログインはカバーさんを経由して届く司令部からの指示に従って調節している。その予定は作戦の内に組み込まれているので、
通常攻撃ならレイドボスに通ると言う事で、背中の上に乗ってひたすらレイドボスを殴り続けている
「……と言うかたぶん、ギミックを解かないと、ダメージが通らないパターンでしょうねぇ……」
『やっぱりお嬢もそう思うか』
「だって雪玉も投入されているんですよね? それで動く気配がないって、その時点でおかしいでしょう。削れてはいる筈なんですから」
『だよなぁ』
なお、現在はエルルに運んでもらってレイドボスのちょっかい出しの迎撃中だ。エルルが普通に話してくれるようになったよやったね! ……8割以上諦めだろうけど。
で、そのギミックって何処にあるんだって話だよな。とりあえず探せるところから探そうって事で、レイドボスの内部探索も足元の住民救出も続いてるけど。例によって、いくら人数を増やしてもちょっと間に合わない気がする。
となると、またなんか情報が足りないか、見落としがあるか、フラグを立て損ねているかなんだろうけど……。
「……体内に大規模魔法を叩き込んだら、反射を繰り返して大ダメージが入りませんかね」
『俺らのブレスと同じように、狙いをつけて飛ばしてくる可能性もあると思うぞ』
「それでいくと、山火石を内部で大量に燃やしても、熱気のブレスとして返ってきそうですね。ポリアフ様の山を狙われたら大惨事です」
『やるつもりだったのか』
ちょっとだけ。……そもそも問答無用の大火力が制限されている以上、あんまり無茶は出来ないって言うのは分かった上で一応だよ。本当にゴリ押しが通用しなくなってるんだもんな。
しかし問題は、手順を踏んでフラグを立てないとどうしようもない敵になってる割に、フラグに関する情報が少なすぎるって事なんだよ。まだ目の前にやれる事があるからそっちに向けて動いているけど、これで万が一何も無かったらどうするんだ。
本当に
「とりあえず、最終私が内部に突入するとしても、あらかた地図が出来てからの話ですからね……」
『おい待てお嬢、突入するつもりなのか』
「隠し通路ぐらいは普通に有りそうって言う話ですから、最悪カバーさんを乗せた台車を押して行きますよ。最終手段としてですが、内部で最大サイズのお城を作ってみたらどうなるかっていうのもやるつもりですし」
『相変わらず、この降って湧いた系お嬢は……!』
私がって言うより、作戦を考えるのは司令部だし、そういう手段しか残らない状況に追い込んでくるのは
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