第826話 24枚目:ボス部屋突入
私達がその不自然に途切れた通路、推定ボス部屋の前に辿り着いた時には、それなりの人数の
その後もちょいちょい
なのでスムーズに突入やパーティ分けの相談が進み、私もエルル、サーニャ、ルミに加えて5人の
「よろしくお願いしゃーっす」
「ちぃ姫さん手ぇ繋いでるの可愛いっすね」
「だろう? 迷子になるから繋いでるんだよ」
「サーニャがですけどね」
「姫さんっ!?」
サーニャがさらっと事実を隠そうとしたのでそこは訂正し、軽くお互いに自己紹介してから立ち位置を確認する。
迷子になると見なされて気落ちしているサーニャだが、私と手を離してルミを地面に下ろし、戦闘準備自体は出来ているようだ。下ろされ際にルミがぽんぽんとサーニャの肩を叩いて慰めていたが、うん。逆効果じゃないかな。
最終的に5つのパーティが出来上がり、並び的に先頭になったパーティのリーダーが、一際豪華な扉に手をかけた。
「いいな、第一に生存! 第二に情報収集! 撃破は後続かちぃ姫達に任せる! それじゃいくぞぉ!!」
「「「おぉ!!!」」」
という号令で、扉を押し開き、中に飛び込んでいく
最後尾に位置する私達は、部屋の広さによっては突入を見合わせる。が、どうやら扉の先には十分な広さがあるようなので、私がルミを抱えてそのまま続く事にした。ざっと見回すが、他に通路は無い。ギミック部屋ではないな。まぁそうだろうけど。
が。それ以上に、部屋の中には目を引くものがあった。
「氷の柱が、壁際に並んでいる……?」
どうやらこの【酷寒の凍檻・封】というダンジョンは、とことんまでギミック尽くしのようだ。先に突入した
そして最後尾である私達のパーティが踏み込んだところで、入口である大きな扉が勝手に閉じた。……この辺りは非常にボス部屋っぽいのだが……と、他の
そこには、透明な氷で出来た看板が立っていた。文字の形に白く濁っているので、背景が白いからちょっと読み辛いが、普通に読める。そこには、こう書いていた。
『この部屋にある氷の柱を全て凍らせよ
一度凍らせた柱を再び凍らせると、元の状態に戻る
氷の柱への干渉は、最も距離の近い氷の柱に影響する
氷の柱への影響は、1度に1本ではない
氷の柱への干渉は、連続で100回を越えてはならない
部屋から退出すると、干渉の連続は途切れる』
その説明を読んだ上で、もう一度そこそこ広い部屋を見回す。部屋は背の低い山形食パンみたいな形になっているらしく、扉のある壁を含めた直線の壁の前には氷の柱が無いが、正面の弧を描く壁の前には氷の柱が並んでいる。そしてその数は、合計で40ほどだろうか。
これを、100手以内で全て凍らせなければならない……氷を凍らせるってどういう事だと思うが、多分雪玉や氷属性魔法で氷漬けにすればいいのだろう……って事か。
「……一旦撤退して、元『本の虫』組の人に相談しません?」
「そうしよう」
「そうだな」
「ガチパズルとは思ってなかった」
「流石に専門外」
と言う訳で、全員揃って一旦撤退だ。
……しかし、40ぐらいある氷の柱を、100手以内で凍らせる、か。ちょっとこれは、若干無理ゲーな気がするんだが、気のせいか……?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます