第750話 22枚目:攻撃方法
さて。人工生物(?)が元となったレイドボスはこれで2回目な訳だが、ゲーム的なお約束で言うと、前回より厄介になっている筈だ。何せリアル1年ぶりなので、
まぁ前回こと「膿み殖える模造の生命」がほとんど自分からは何もしない、雑魚の対処さえ間違わなければ(イベント時の、イベント空間の残り時間が削れる、という最大の攻撃がカットされたのもあり)サンドバックに出来るほぼ最弱のレイドボスだと言うのもあるだろうが、ともかく。
少なくとも、まともな広域攻撃手段の1つもある筈だ、というのは大体の
「まぁそりゃ可能な限りの抗戦も反撃もしてみますよね、相手の性質を知らない状態で襲われれば」
『こんな何日もずっと天気が変わらないって珍しいなと思ってたら、そういう事か……!』
どうやらレイドボスとしての本体は、所謂エネルギー系を収納している部分だったようだ。やはり形が無い分保管が難しいからか、それとも活動したり増えたりする為に必要だったからか、光属性以外の魔法も収納されていたらしい。
で、今までの流れ的に、主力となるのは封印魔法だ。これはこれで正解だったらしいんだが、ここにきて、封印魔法で本体を削り、光を当てて種に戻すと、その種に収まっていたエネルギー系の魔法なんかが、その場で暴発するように出て来るみたいで。
私はステータスの暴力なので問題なく抑え込めている、と、言いたいんだが、その、中身がさ。
「竜巻と竜族のブレスがいっぺんに爆発すると、流石に私でも内側から破られるんですよね」
『……たぶん高波だと思うが、超高圧の水が出現して耐えられるのはお嬢ぐらいだと思うぞ。周辺被害を一番出してるのは雷だが。というか、どっちか片方なら抑え込めるって時点で威力がおかしいからな?』
っていう感じなもんだから……。私以外? お察し。いっやー、現地竜族の人達の強さをこんな形で実感する事になるとは。自然現象……雷や竜巻、高波(高圧&大量の水)も大概だけど。
エルルにすら威力がおかしいと言われてるっていう部分からはそっと目を逸らして。そんな訳だから、思ったよりは進んでないんだよな。何とか超巨大な積乱雲に迫る動きは阻止してるけど。
いやまぁ。分類としてはあの、アイテム系って呼ばれる感じの、「第四候補」に近い物資を基にした戦い方だから、物資が底を尽きさえすればどうとでも出来ると思うんだ。というか、大体の
「ただ、問題は……暴発する中に、普通に火属性のものが混ざってるんですよね。その場で燃えるだけなのは焚火か何かだとしても、炎の槍とか火の矢とか。それ以前に雷も案件なんですけど」
暴発からの防御、ないし回避はエルルにお任せして、気持ち小さめに封印魔法を叩き込む。念入りに包んでいるからか、それともエネルギーを吸収して増殖しているからか、小さめにしても出てくる種はそれなりに数があるんだけど。
で、数があると、暴発による威力も増す訳だ。しかも空の「人工空間獣の種」は残るから、回収しないって訳にもいかない。カタログの引換券だからじゃなくて、レイドボスが吸収すると、再利用されるっぽいんだよね。暴発で破れた封印魔法が多いと、あんまり減っていかないから。
今のところは、元素系の攻撃魔法か、自然現象か、無属性のブレスしか出て来ていない。が。
「……たぶんこれ、私が散々叩き込んだ、閃光や照明弾も出てきそうな気がするんですよね」
『は!?』
「と言うか、少しでも攻撃力か攻撃判定があるものは全部出てくる可能性があると言うべきでしょうか。減り方が鈍いと思ってましたが、宿光石に吸収された分以外は取りこまれていた、と考えると、嫌な事に理が通ってしまうんですよね……」
『…………お嬢』
「はい」
『確か、別のというか前の島で、確か、かなり全力で攻撃してなかったか……?』
「相当に気合を入れて展開しましたね。光の柱を何本も。……流石にちょっと申し訳ないです」
ははは。
まぁ、「ステージは全て独立している」という前提がレイドボスにも適用されていれば問題は無い。筈だ。とりあえず今回は。宿光石の特性が付いているなら、付いていないよりは吸収され辛い……と、思いたいし。
そうじゃなければ……責任をもって自分の攻撃は自分で封じる、って事が出来ればいいんだが……出来るかなぁ……?
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