第553話 20枚目:イベントのお知らせ
イベント自体の打ち上げはソフィーナさん特製のチョコレート尽くしパーティで楽しくやって、クランハウスである島と北国の大陸をちょいちょい行き来しての準備をしている間に、終業式からの春休み突入だ。
相変わらず私のお札は市場に流すと秒殺される程度に大人気らしいので、制御訓練である事もあってせっせと数を作り続けた。途中でエルルと一緒に鬼族の所に行って、風毬さんに上達具合を見て貰ったりもしたし。
そんな準備模様はともかく、実はイベントのお知らせ自体は、イベントが終わった直後に届いていた。それはつまり、4月のイベントは、丸ごと1ヶ月行われる期間の長いイベントだって事だ。
「まぁ妥当ですね。5月まで待つと後の予定が詰まりそうですし」
「そこまですると流石に詰め込み方が大変な事になりそうっす……」
ここまでに分かってた事から、その期間に疑問は無い。新しい4月な上に販売は続いているから、またここでごそっと新しい
北国の大陸における環境は確かに厳しいが、そちらも実は除雪が進むにつれ、特に大陸の南側について緩和されているらしい。だから、活動するだけならしっかりとした防寒具を使えば【環境耐性】が低いか無くても問題ないようだ。
まぁイベントの舞台は氷の大地だろうけど、後方支援的な役割を置く必要があるんだろうか……とか思いながら、イベントのお知らせをチェックだ。
「既にメイン目標は大体分かってますが、それでも確認を怠ると足元をすくわれるでしょうし」
「……全く否定できないっすね」
運営への信頼()はともかく、イベントの内容だ。「雪祭り」が生産寄り、今回のが探索寄りだとすると、やはり戦闘がメインになる可能性が高い訳だが……と思って見てみると、うん。やっぱり戦闘系だな。
イベント会場は氷の大地の東側。アザラシ達から聞いた話に加えて今回手に入った情報からも推測されている、想定通りだな。だから準備も進めているんだし。大外れで無駄にならなくて良かったと言うべきか。
そしてどうやら“雪衣の冷山にして白雪”の神ことポリアフ様が頑張ってくれたのか、イベント中の氷の大地では、大幅な冷感軽減のバフが
召喚者達の働きによって、この大陸に過去何が起こっていたのか、その経緯の一端が明らかとなった。それでも不明である部分は残っているが、当初の何も分からない状態を思えば大きな進展だろう。
神々はその結果を、そして結果を得られた事をひとしきり喜んでから、その結果が指し示す場所――北の果てに広がる、巨大な氷によって出来た白い大地へと険しい目を向けた。種族の生存という朗報には、何らかの問題があるという凶報が続いていたからだ。
大半の種族にとっては、足を踏み入れる事すら叶わない北の果て。その地での活動を行うにはどのような支援が必要なのか、神々はその大陸の神にも協力を仰ぎ、相談し、態勢を整えてから、召喚者へと託宣を下すのだった――。
と、言う事らしい。……まぁレイドボスだろうな、というのが
一応お知らせから読み取れる名目は「調査」だし、ストーリー的な物も含めた目的は「接触」か「確認」だが、アザラシ達の話や、その後にこの大陸に起こった事と、それ以降冷人族からの動きが一切無い事を考えれば、まぁ戦闘は避けられないだろう。
「実質未開の地ですからモンスターも山ほどいるでしょうし、雪の原因と言うなら拠点になっていてもおかしくないでしょうからね。ここまで引っ張ったから大物がいるだろうという読みもありますけど」
まぁ実際はどうなるか分からないけどな。もし運営が(仮称)第四陣を想定しているなら、北国の大陸の方でも動く必要があるかも知れない。それはもう、実際にイベントが始まってみなければ分からないだろう。
事前情報で分かる限りの準備はしていくが、まぁ、「足りない」という心構えは、しておいた方が良いだろうな。あの運営だし。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます