第428話 18枚目:探索相談
その後カバーさん達による掲示板での調査や、時間ほぼジャストにやって来た「第四候補」と、「第四候補」の下についた元『本の虫』メンバーであるフッダーさんへの聞き取りで、その謎の祭壇に関する探索目標は、誰でも見れるものではないらしい、という事が分かった。
何もなく見れたのは私と「第四候補」。私の話を聞いて見れたのはその場にいた全員、フッダーさんの聞き取りと掲示板で調査した限り、他に見れた人はいないようだ。
これは流石にちょっと全員で作戦会議である。どういう事? 探索目標なら大抵
「新人の皆さんも見れるようになったのは、私が話したのを聞いたからだとして……私と「第四候補」の共通点ですか。あるような無いような」
「そうよねぇ~。でも、少なくとも大きな話題になってないって事は~、この目標は、取扱注意って事じゃないかしら~。迂闊に広めると~、大変な事になるんでしょうね~」
「ざっくり話聞く限りそんな気配がするよなー。でも俺と「第三候補」だろ? 第一陣、掲示板での二つ名持ち、ステータス、知名度、ログイン頻度あたりか? いや、第一陣と頻度じゃないな。フッダーがだめだったんなら」
なおカバーさん達もそちらはそちらで情報収集をしながら相談中だ。リジュさん達は、祭壇に関する事だけは口外しないようにお願いして、現在上の大部屋で動き方の特訓中の筈である。
うーん、と考えるがそれらしい条件に絞り込めない。何せどっちも色々特殊極まるからな。もうちょっとヒントというか該当者が欲しい所だけど、私が迂闊に皆の前で口に出しちゃったからなー。反省。
『……大神の祭壇か。空白の祭壇というのも気になるが……』
と、黙って考えていた「第一候補」が、気持ち低い声を出した。何か思い当たったかな。
『もしかすると、大神の加護が強い者にしか最初は見れぬのかも知れん。そこからの協力者をどこまで広げるか、という事ではないか……と、思うのだがな。確実なのは「第二候補」を探し出して話を聞く事なのだが』
大神の加護が強い者? とちょっと考えて、大神=運営という図式を浮かべ、公式マスコットの事か、と思いついた。あー、なるほど? 確かにありそうな中では一番ありそうだな。私からの話を聞いていなくてそこに当てはまる、という意味で、「第二候補」に確認を取れば確かに確実だ。
となれば、色んな意味で急いで「第二候補」を探さないと、いけない、訳だが……。
「どちらにせよ探索するつもりではありましたから、探すことに否やはありませんが……」
「そうねぇ~。事ここまで来て、それらしい目撃情報の1つも無いっていうのは~、どういう事かしら~」
「どっかなんかボスラッシュ的なダンジョンでも見つけて開始早々から引き籠ってるに一票!」
『誰もログインしていないという可能性を上げぬのが「第二候補」であるな……』
「ログイン状況の把握はフラップさんがしていますし。というか私も出来ますし。今現在まさにログイン中ですよ」
『…………そうか』
ほら、と私のフレンド画面をスクリーンショットで撮って「第一候補」に見せる。なおフラップさんとは、「第二候補」付きだった元『本の虫』の人だ。5月イベントの時にフレンド登録してるからね。元気にログイン中なのは確認している。
だからこそカバーさん達も情報収集に精を出しているんだし。絶対目立つだろう、あの
大神殿を修理したって言ってたから、システム的な機能が使える事も確定情報だ。本人から聞いたからな。となると、このイベントに参加してない訳がない、というか、ログインしたら強制的に参加する仕様になっているのだが。
『うむ……。となると、やはり地道に探すしかあるまいな。大半の召喚者が居るであろう場所から離れた、辺境に属する場所を重点的に見ていくしかないか』
「まぁそうなりますよね。……そうすると、リジュさん達をどうするかという問題が出てくる訳ですが」
「でも~、連れて行くのは無理じゃないかしら~? そもそも~、口留めだって絶対じゃ無いんだし~。現状既に、話が広がるまでのタイムアタック状態になってると思うわよ~?」
「それなー。特殊な種族を引き当てたのはすげーと思うし頑張ってるのも確かだし、その状態で俺らに出会ったって超強運じゃね? とは思うけどー。あんまし贔屓するのはまずいよな?」
『それは確かにそうであるな。非実体種族がいれば強みではあるが、他に行きたい場所があるやもしれぬし、行動を共にしたい者が居るならなおさらである』
フリアドというかVRMMOは一応接続制限があり、実年齢で15歳以上となっている。つまりここに居るって時点で高校生にはなっている筈なので、ちゃんと話せばわかってくれる、筈だ。たぶん。
どんなに言い繕っても普通の
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