第72話 7枚目:スキルと爆弾
という訳で、スキルを並べ替え、整理した。……同系列ごとに並べ替えたら折りたたみ機能が付いたよ。やればやるだけ機能が解放されるとかそんなの聞いてないぞ?
これも何か隠しステータスでも設定してあるんだろうか。いやそもそも“中立にして中庸”の神の特性から調べないとだめか?
……とか考えている間に、「計算中」になっていた【成長因子】の計算が終わったようだ。さて、1000を越えたらどうなるんだ? このスキル。
[スキル【成長因子】がレベル上限に達しました
スキル【成長因子】Lv1000を消費し「進化結晶」を生成します
「進化結晶」が対象プレイヤーのインベントリに送付されました
対象プレイヤーは進化の余地が残されています
特殊スキル【進化糧】Lv1000が付与されました
称号『限界突破』が付与されました
称号『終わらぬ進化』が付与されました]
……えぇー。また何か出て来たんだけど。なぁにこれぇ。
「……お嬢。なんかヤベーもん手に入れたな?」
『…………エルル。「進化結晶」って知ってる?』
【進化糧】は成長せず、次の進化の時に種族レベルの代わりに使えるだけのスキルらしい。というのを確認しつつ、目を逸らす感じで後回しにしていたアイテム名を口に出す。
と。
「………………っっっまじか……!!!」
うん。膝から崩れ落ちてしまった。なんかそんな気はしてたよ。ははは。
「……お嬢」
『うん』
「それ持ってるの、絶っっっ対誰にも言うな」
『何かそんな気はした。言わない』
「冗談抜きで戦争が起こるから、絶っっっ対誰にも言うな」
『はははだろうね、言わない』
大事な事らしく、エルルは二回言った。うん、大事な事だね。言いませんとも。つーか怖くて言えるか。
……アイテム詳細? 名前を読んだ通りだよ。使用条件も、エルルと私の反応通りだよ。
「進化限界まで行った後で使うと更に進化できる」アイテムだよ!!!
冗談じゃねーぞ何だこの爆弾!? いや、確かに相応のデメリットっていうか苦労はしてきたけど、怖! こっわ!? 絶対こんなのプレイヤーも住人も関係なく「ころしてでもうばいとる」対象じゃないか!!
くっ、今すぐ使ってなかったことにしたいけど私もエルルも進化限界はまだまだ先だし魔物プレイヤーの仲間も以下同文だろう、かといって検証班にすら教えられないじゃないか何だこれ!!
『……そう言えばエルルは【成体】?』
「進化限界なら、【成体】の次が【成熟体】でそこが一番長いって言われてるな。んで【成熟体】から【老体】になるんだが、俺らドラゴンは【老体】になっても弱くならない。むしろ強くなる。俺は【成体】」
『なるほど』
「……ちなみに、【成熟体】で分岐すると更に増えるぞ。そして、お嬢はまず間違いなくそっちだ」
『先なっが』
ちょっと現実逃避して聞いてみると、そっちはそっちで気の長い話だった。まー寿命及び成長限界に似合いの先の長さだ。これはかなり強い種族として設定されてるな。
……とはいえ、いつまでも現実から逃避している訳にはいかない。出来るだけ危険物のことは頭から追い出し、スキルを確認していく。んー、ここまで一気に入ると流石の【未熟体】もぐっとレベルが下がるな。ようやく50台か。
さて、そうなると後は全部外でやる事だな。しかしスキルと倉庫の整理に結構時間かかった気がするぞ? 「たからばこ」から宝石や金属も出てたから、それはインベントリに移したりもしてたし。もしかして皆待たせちゃったか?
「他のやる事?」
『買い物。日用品とか、生産道具とか、出来れば宝石?』
「何で宝石……いや、そうか。お嬢作れるからか」
『神様に言われたのもあるけど、まぁ多分、食べたら作れる』
「……戦争の種だなぁ……」
エルルに軍服の襟元へ入れてもらい、とりあえず私達は大神殿を後にするのだった。だってポータル移動とか、そもそも登録先がないからね。
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