第62話 ケトン、秘薬を手に入れる

 ケトンとミクとウランとブタンはアラニン王国へ行き、アラニン国王と面会した。

アラニン:ケトン、ミク、よく来た。そして横の者は誰だ?

ウラン:ウランです。

アラニン:ウランか。まあ、いい。で、要件は何だ?

ケトン:実はこの前受け取らなかった賢者の宝石をやっぱり受け取りたいと思って…。

アラニン:賢者の宝石か。だが、これは正直、邪道な力だぞ。正当なものが呪文を唱えない限り魔の力によって支配される恐ろしい石だぞ。

ケトン:その、正当なものがこの世界にはちゃんといる。

アラニン:誰だ。

ケトン:ローラ王女だ。

アラニン:なるほど。

ケトン:ウランの封印を解いたほどの人だ。

アラニン:ウランの封印を解いた?本当かウラン。

ウラン:はい。解けました。

アラニン:ウランよ。すまんな、気がくるってからはそなたを見捨てるしかないと思っていた。だが、解けたんだな。

ウラン:はい。

ブタン:あの、アラニン国王とウランとはどういう関係で。

アラニン:ともに大魔王ダカンを倒しに行った仲だ。

ケトン:で、なんでウランは封印されたんだ?それに誰にされたんだ?

アラニン:大魔王部下4天王のうちの一人マインドにやられたんだ。

ケトン:なるほど。

ウラン:だが、封印が解け新たな力が噴き出している。今度は負けない。

アラニン:そうだな。期待しているぞ。で、今度は誰の封印を解きたいのだ?

ケトン:デカンとヘキサンだ。賢者の宝石で気が狂いそうになっている。

アラニン:間違った呪文を唱えたな。

ブタン:それはまことでしょうか。

アラニン:デカンとヘキサンはもう無理だ。いずれ暴走する。

ケトン:だが、ウランは治ったではないか。

アラニン:ウランは賢者の宝石によっておかしくなったのではない。だが、デカンとヘキサンは賢者の宝石によっておかしくなった。これは無理だ。

ブタン:では、わが国はどうなるのでしょうか。

ミク:・・・・・・。あの・・・。賢者の宝石で狂った力は賢者の宝石で治せると聞いています。

アラニン:ほう。よくそんなこと知っているな。だが、だれが治すんだ?

ミク:それはローラ王女しかいないですよね。

アラニン:だが、ローラ王女が治すと思うか?占領されたんだぞ。

ミク:そうだった。

ブタン:しかし、手ぶらでは帰れません。

アラニン:では、わが国の秘薬を差し上げよう。

ブタン:秘薬?

アラニン:これで、気は楽になるであろう。わが国で狂ったものはこれで落ち着いた。

ブタン:なるほど。では、秘薬をいただいてもいいですか?

アラニン:それには約束があります。

ブタン:それは?

アラニン:アベル王国を落としてほしい。

ブタン:アベル王国をですか?

ケトン:でが、そこにはアインがいるではないか。

アラニン:アインシュタイン博士は何とか逃がせるように配慮してほしい。

ケトン:なんか、無茶があるぞ。それに、なぜ、アベル王国を落とすのだ?

アラニン:アベル王国は大魔王ダカンと手を組もうとしている。見逃せない。

ケトン:わかった。秘薬を持っていけばいいんだな。

ブタン:では、秘薬をいただきます。ありがとうございました。

 と、ブタンは礼を言い、ケトンら一行はサマンサ王国へ帰った。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る