04.06 「私とは只の友達ってところかな?」
フェイク動画が功を奏したのか、偶々見つけた事件現場の証拠動画が功を奏したのか、
ちなみに、証拠動画ってのは、私のスマホで録画してたのをそのままサーバに転送してたやつ。録画と同時にサーバに転送するようにしてたみたいで、スマホは壊されちゃってたけど、ちゃんと証拠として残ってたの。偉いよね、私。映像としては殆ど写ってなかったんだけど、音声はしっかり記録されてたからね。
「
「そうですわね。ただ、手続きがあるとかで教室に顔を出すのは2限からになるようですわ」
彼女は
「久しぶりだよな、
彼は
「何だよ、姫ちゃん」
「いや、別に」
そして、いよいよ対面の時。
「おはよう、
「おはよう、
「おっはよ〜」
ふーん、これが私を助けてくれたヒーローくんか。
「それで、私とはどういう関係だったの? 五人も相手に臆すること無く助けに来てくれたんでしょ。恋人だったり?」
「いや、恋人は……」
ヒーローくんの視線の先に居るのは……
「はぁ。じゃあ、私とは只の友達ってところかな?」
「只のではなく、大切な、だけどね」
「そっかぁ」
助けに来てくれるぐたいだから、ちょっと期待してたんだけど、そういうことなら仕方がないか。
でも勿体無いなあ。
「
「ボディーガード?」
「ごめん、覚えてないんだったね」
「私が依頼してたってことかな?」
「まあ、そんなところなんだけど。ウザ男に付き纏われてるからってね」
ふーん、そうなんだ。
「で、依頼の報酬は?」
「そういうのは無いよ。大切な友達だからね」
酷いな、私。こんなイケメンを無報酬でこき使うとか……、
「うーん、じゃあ、一緒に試験勉強とかしちゃう? 中間試験も近いことだし」
「それは
「あら、そうだったかしら?」
「
「冗談よ。試験勉強はいつも二人でしていますの。今回もその方が集中できそうですわね、
「そういえば、試験前は
「色々と事情があってね」
事情ね。まあ、一緒に勉強した程度じゃ返せないし、そもそも彼も成績上位なのよね。
◇◇◇
「ふ〜ん、いつもこうしてたんだ、私達」
「そう、だけど」
「こんな風に肩が触れ合っちゃったり?」
「……」
また赤くなってる。可愛いなあ
「不意に膝と膝がくっついて、お姉ちゃんの生足にドキドキしちゃったり?」
「もう、
「だってえ、
「勉強する気が無いなら一人でするから、
「ごめ〜ん。真面目にやるから。行かないで、
と、割と楽しく勉強したにもかかわらず、中間試験の結果は
そして試験明けの恒例イベント、新たに1組のメンバーとなる二人が紹介された。
ただ、今回はちょっと特殊みたいで、2組からの繰り上がりは一人だけ、もう一人は他校からの転校生なんだとか。
「
今にも消えてしまいそうな声でたったそれだけ言って自分の席へと向かう。物音一つ立てずにね。美形で色白で黒髪……、なんか幽霊みたいだな。女の子みたいに見えるけど、男子なんだよね、制服的には。
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