第99話 奇襲 (3)

「ケン様!」


「おー。パーナにプリタニ。頑張ってるな。」


ポーチの援護で来ている数人が死者の兵士を相手にしながらこちらをチラチラ見ている。


「集中しないとやられるぞー。」


「あ!はい!」


慌てて前を向くパーナ達。真琴様に渡された細剣で簡単に切り裂いているところを見るに任せても良さそうだ。


「ポーチ。まだやれるか?」


「余裕なのじゃ。」


「さすがはポーチ。」


「じゃが…儂の魔法では傷すら付けられぬ。」


「俺が鱗を剥ぐ。その傷に撃ち込んでくれ。」


「ふむ。それなら簡単じゃの。」


「行くぞ!」


地面に刺さった葉っぱ型の鱗を避けながら二匹のドラゴンに駆け寄っていく。当然それを阻止せんと二匹のドラゴンが攻撃を繰り出してくる。

見た限り、さっきの爆発はレッドドラゴンの仕業。地面に刺さっている鱗と、棘はグリーンドラゴンの仕業だろう。


レッドドラゴンが尻尾を振ると、粉末が空気中へ散乱する。


「気を付けるのじゃ!その粉末は火種があると爆発するのじゃ!」


「なるほどね。」


チリッ!


火花が散ると、爆発が起こる。

さっき使った白真刀と黒真刀の魔石による特殊攻撃は再充填までにもう少し時間が掛かる。足に力を込めて地面を蹴る。


ドドドドドドッ!


目下を爆発が通り過ぎていく。その爆煙の中から赤いボールの様な物が飛んでくる。グリーンドラゴンの尻尾と角に付いていた物だ。


「破裂すると中から棘が飛び出してくるぞ!」


「怖いなそれ。」


パァン!


真下で破裂した赤いボールの中から、確かに棘が飛んでくる。当たったら痛いだろうけど、刀で軌道を変えてやればそれ程脅威となるものでは無い。全方位に飛んでいくが、俺の所に飛んでくるのは精々でも二、三本。

むしろ下にいるポーチ達が心配だが……この距離の飛翔物ひしょうぶつを避けるくらいは涼しい顔をしてやってのける。しかも、心配無用と俺の顔を見ながら。


「それなら、俺も仕事をしますかね……うおっ?!」


落下のタイミングに合わせて突き出されたレッドドラゴンの腕。上手く避けられたが、余所見よそみをしている暇は無さそうだ。


地面に着地すると同時に地面を蹴ってレッドドラゴンへと近付く。目の前に近付くとよく分かる。彼らドラゴンが黒い杭によって操られていて、それに抗おうと全身がこわばっている。

杭を抜いて解放出来るのならば、そうしてやりたい。だが、それは出来ない。

ドラゴンの心臓に深々と突き刺さる大きな黒い杭。杭の表面を這う様に取り付く血管のような赤い線が脈打っている。

あれ程に気高い生き物が、操られ、したくもない戦闘を行っている。アライサルは、殺してやる事が彼らにとっての救いだと言っていた。二匹のドラゴンの目は、俺に殺してくれと言っている様に見えた。いや、間違いなくそう言っていた。


「必ずギュヒュトの首を取ってやる。安心して逝ってくれ。」


レッドドラゴンの尻尾が振り下ろされる。


ズガンッと地面を割った尻尾に足を掛けて一気に背中まで登る。羽をばたつかせ、俺を振り落とさんと体を振る。それでも背中に居座る俺に対し、爆発の嵐を巻き起こす。


大音量の爆音と、豪快な爆風が生じるが、俺の立っている位置には爆発は届いていない。操られているのではなく、自らの意思で攻撃をしていれば有り得ないミスだ。


二本の刀を強く握り、レッドドラゴンの背中から頭に掛けてを切り刻みながら走り抜ける。肝心なのは、俺の刀で切り裂く事ではなく、ポーチの魔法で焼き尽くす所にある。

筋肉に直接繋がってしまっている為、例えドラゴンが死んでいても、その体を無理矢理動かす事が出来るのだ。胸の杭は逃がさない為のものでしかない。


「ポーチ!」


「分かっておる!インターナルフレイム!」


ポーチが魔法を唱えると、レッドドラゴンの上空に魔法陣が現れる。その中心から一本の槍…というには無骨過ぎる尖った棒の様な炎が現れる。

その棒が高速でレッドドラゴンの鱗の無い背中に落ちると、深々と突き刺さる。


「グ……ガァァ……」


数秒すると、レッドドラゴンが苦しそうに唸り始める。

レッドドラゴンの全身が僅かに膨れ上がると、口から炎が吹き出す。ドラゴンの血が混ざり、ジュウジュウと液体が蒸発する音が聞こえる。角や尻尾に空いた穴からも炎が溢れ出し、小さな爆発が連続して起こっている。


インターナルフレイム。ポーチが考案した魔法で、第八位の火魔法。相手に突き刺さると、体内に炎が流れ出し、内側から全てを燃やし尽くす魔法だ。


体内から燃やされる痛みは想像もつかないが、ドラゴンでさえ意識を無くす程の痛みだろう。だが、レッドドラゴンは最期の時まで意識を保ち続け、俺とポーチに苦痛に歪むものではなく、優しい目を向ける。


全身を内部から焼き尽くされたレッドドラゴンは、その場に横たわる。手足の様な末端部位は、未だ操られて動いているが、体のほとんどの筋肉を焼き尽くされたのだ。立ち上がる事も出来ないだろう。


レッドドラゴンが燃やし尽くされる間、俺はグリーンドラゴンの正面で鱗や棘を躱していた。時間が経つほどに地面は鱗で覆われていき、足場が無くなっていく。

厄介なのは、レッドドラゴンと違い、鱗が素早く生え変わるという事だ。いくら刀で鱗を割っても直ぐに生え変わるのでは、ポーチが魔法を打ち込む時間が無い。いや、そもそもこれ以上の魔力をポーチに使わせてしまえば、ドラゴンを倒せても、その後に待っている戦いがかなり厳しいものになるはず。

ポーチは口にも顔にも出さないが、魔力を知らない俺にでもそれくらいの事は分かる。

ではどうすればいいのか、簡単な話だ。


「ふー…」


口から煙を吐き、一度落ち着く。

神経を研ぎ澄ますと、全身を何かが駆け巡っていく。


「グキャァ!」


グリーンドラゴンの短い咆哮ほうこうの後、頭上から鱗が降り始め、その中には赤いボールも混じっている。更に逃がさないと横薙ぎに迫ってくる尻尾。


「ケン!」


この状況を見たら、普通は絶体絶命の大ピンチだと思うだろう。しかし、俺にはこの状況を切り抜けられる自信があった。先程レッドドラゴンに刃を突き立ててよく分かった。


この二刀ならば、斬れる。


黒龍白牙こくりゅうはっき!」


キーカの所で散々痛め付けられた時、こんな事もあるかもしれないと、二刀流も叩き込まれた。正確には二刀流だけでなくありとあらゆる武器の動きを叩き込まれた。


元々龍雲牙は集中力を高め、気を纏い、一刀で全てを斬るという刀技。だが、それを二刀流で、しかも連続で出せたなら。

それを実際に行う技が、この黒龍白牙。


降り注ぐ鱗や棘を二刀の連撃が全て斬り落とす。そして、迫ってきた尻尾を二刀の斬り下しで両断する。


「グッ……ギッ……」


痛みを堪えるグリーンドラゴン。


「直ぐに楽にしてやるからな。」


二刀の頭を目の前で強く打ち合わせると、両刀に魔力が流れ込む。


グリーンドラゴンが持ち上げた左腕を振り下ろす。


「はぁぁ!!」


振り下ろされる左腕に白真刀を振り上げる。視界を埋め尽くす光。白真刀の刃はグリーンドラゴンの鱗を切り裂き、それでも止まらない刃は、肉も、骨も切り裂き、左腕を完全に切り離す。


「グギャァァ!」


痛みに体を反らせ、その拍子に体中から鱗が飛び散る。

黒真刀を横薙ぎに振り、鱗を消し去ると同時にグリーンドラゴンに刃を突き立てる。一刀、二刀、グリーンドラゴンを俺の刀が次々と切り裂いていく。血が吹き出し、雨の様に降り注ぐ。何回刀を振ったか覚えていないが、気が付いたら全身に血を浴び、バラバラになったグリーンドラゴンの肉片の中に立っていた。


「ケン!」


ポーチが全身を魔法で洗い流してくれる。


「…悔しいな。」


未だ鼻の奥に残るグリーンドラゴンの血肉の匂いと、手に残る感触は暫くは消えそうにない。


「儂達に出来ることが、殺すことだけとはの…

じゃが、殺られてやるわけにもいかぬ。悔しさは全て一人の男にぶつけるしかないのじゃ。」


「そうだな…」


「マコトはどうしたのじゃ?」


「俺を吹っ飛ばした後、どこかに移動したみたいだが…分からん。俺はこの部隊を援護しろって事だろう。さっさと前線部隊を潰すぞ。」


「うむ。」


「ケン様!」


「死者の兵士達も片付いたか。」


「はい!面倒な相手ではありましたが、それ程強いわけでもありませんでしたから。」


「パーナ達も腕を上げたんだな。」


「精進しています!」


「よし。奇襲部隊に合流して一気に叩くぞ。」


「はい!」


ーー・ーー・ーー・ーー・ーー・ーー・ーー



「シャーロット様。」


「シャルで良い。私もキャラと呼ぶから。」


「では…シャル様。どのタイミングで突撃を?」


「こちらの部隊は北側の部隊の援護が大きな目的。だから戦場が騒がしくなってから。」


「そうですか…」


「気持ちが急くのも分かる。でも我慢も大事。」


「はい。」


マコト様のパーティー。その前衛をケン様と共にここまで支え続けてきたヴィンス-シャーロット-ディストリッヒ様。吸血鬼の始祖であり、この戦争に対しては多くの感情が胸中きょうちゅうに渦巻いているはず。

それなのに、私なんかより余程冷静に戦場を見ている。マコト様というお方がどれだけ凄い方なのか、シャル様を見ればそれがよく分かる。

部隊を組んだ際に一度だけ雷魔法を見せて頂いたけれど、その破壊力と範囲殲滅力は凄まじいものだった。

異種族混合部隊であるこの部隊を、その一撃で纏めあげた事からも、その凄さが伺える。

私もマコト様がシャーハンドを発ってから、シャーリー校長の元で鍛錬を続けてきたけれど、まだまだ足りないと感じさせられた。


「大丈夫。マコトがキャラの事感心してた。凄く強くなったって。だから自信を持って。」


「本当ですか?!」


「うん。」


嬉し過ぎて体が浮いてしまいそう。


「ふふ。マコトの言った通り、分かりやすい。」


「え?何がでしょうか…?」


「なんでもない。それより、そろそろ始まる。」


シャル様が見つめている先、敵の本隊の奥から砂煙が上がっている。


「行きますか?」


「まだ。もう少し待つ。」


あの土煙の奥にはラキトリや、白花隊が居ると思うと、今にも馬を走らせそうになる。

数分後、土煙が中央に近付いたタイミングでシャル様がバチバチと赤い雷を放出する。


「皆。行くよ。」


「はい!」


シャル様が手に持っているのは赤雷の大槌。私達が見せてもらった魔法。その赤い光が戦場に向かって走り出した。


馬を走らせてシャル様の後ろに続く。敵の本隊は北側から迫る奇襲部隊の脅威に対処していて、こちらに背を向けている。シャル様はこれを待っていたのだ。


「先に行く。」


そう言うと、シャル様が馬の背に立ち、飛び上がる。

空を飛んでいくシャル様。驚いた事に、その体がぐんぐんと大きくなり、大人の姿へと変わっていく。

真っ黒な変わったドレスを身にまとい、赤い大槌を振り翳す紫髪の美女。まるで昔話に出てくる戦姫せんきの様。

その昔、大戦時代。黒い鎧を着た黒髪の美女が現れると、どんなに不利な戦場でも、必ず勝ちを収めてしまう。黒き戦姫と呼ばれる女性が居たらしい。その女性は人種でありながら、類まれなる強さを持ち、エルフも何度か苦渋を舐めさせられたと聞く。


大戦時代初期の話だし、知っている人はもうほとんど居ないらしいけれど。エルフ種は長命の種族。年寄りの人達が語り継ぐ物語の中に必ず入っている話。

確か…亡国リリルトの王女様だったと言う話だけれど…そもそもそんな国が本当にあったのかさえ分からない。


バリバリッ!


赤雷が戦場を走り、下級や中級の吸血鬼は感電しただけで簡単に死んでいく。

マコト様が漆黒の悪魔だと言うのであれば、シャル様は漆黒の戦姫。といった所かな。


「シャル様に続く。突撃!」


「「「「うおぉぉぉ!」」」」


シャル様の空けた穴に部隊全員で突撃する。シャル様が地面を蹴って飛び上がり、自分の馬に着地する。


「シャル様。大人になっていますね。」


「こうすると強くなれる。」


「私も負けていられませんね。ファイヤーアロー!」


作り出した火の矢は全てが吸血鬼達の眉間に当たる。


「正確で明確な魔法。やっぱりキャラは強いよ。一気に行くよ。」


「はい。」


シャル様の攻撃が炸裂する度に戦場から吸血鬼が十人単位で消えていく。


「シャル様!後方から別部隊です!」


部隊員の一人が後方から声を上げる。後ろを振り返ると、二匹のドラゴンが見える。

一匹は不透明な青色の鱗と翼を持ち、尻尾と角の側面を埋め尽くす様にフジツボの様な物が張り付いている。

もう一匹は、不透明な茶色の鱗で覆われた体躯。尻尾の先に、石の棘が集まって玉が出来ている。大きな翼の外側にも石で出来た棘が生えている。角は無い。

二匹とも大きさは5m前後。普通ならば、勝てる見込みの無い相手。


「あれは私がやる。」


シャル様が再度馬から飛び上がり、後方へと向かっていく。


「キャラさん!」


前方、敵の向こうにラキトリが見える。


「こちらは大丈夫なのでシャル様を!」


「分かった。」


後のことは部隊に任せて、馬をひるがえし、シャル様の背中を追う。


「シャル様!」


「近付いたら駄目。援護ならそこから。」


「分かりました!」


青色のドラゴン…ブルードラゴンに近付いていくシャル様。その目の前に尻尾を盾のように構えるブルードラゴン。


ビュッとフジツボの先端から水が射出される。シャル様の手足に当たった水が体を貫通して小さな穴が空く。当然痛いと思うけれど、眉一つ動かさないシャル様。吹き出した血がヒュルヒュルと傷口に戻ると、そのまま傷が治ってしまう。

吸血鬼は自己治癒力が高いけれど、それとは全く異なる程の治癒力。

足を止めていなかったシャル様がブルードラゴンの目の前に迫ると、横からブラウンドラゴンの尻尾が振り下ろされる。地面を穿つ尻尾の先端から石の棘が飛び、そのうちの一つがシャル様の右の肩口に突き刺さる。


「シャル様!」


「私は大丈夫。ドラゴンから目を離したら駄目。」


そう言うと、肩口に刺さった石を引き抜き、地面に放る。付いていた血が傷口に戻り、直ぐに回復する。


「やー。」


気の抜ける掛け声と共に赤雷の大槌をブルードラゴンに振り下ろすシャル様。それをブラウンドラゴンが足を出して受け止める。どうやらシャル様の使う雷魔法は、ブラウンドラゴンと相性が悪いらしい。


「ウッドバインド!」


私の役目は、シャル様がブルードラゴンと戦っている間、少しでもブラウンドラゴンを足止めすること。シャーリー校長直伝の木魔法を使ってバインドを試みる。


ブチブチッ!


しかし、私の魔法では大した効果が無く、簡単にバインドを引きちぎってしまう。何度やっても同じ。私が失敗する度にシャル様の攻撃を邪魔するブラウンドラゴン。

私が役目を果たせなければ、その分シャル様が痛い思いをする。


「一回でダメなら……ウッドバインド!ウッドバインド!ウッドバインド!ウッドバインド!!」


地面から次々と現れるウッドバインドがブラウンドラゴンの足に絡み付く。

単純な数押しだけれど、効果は期待出来るはず。


先程までは引きちぎられていたバインドが、ギチギチと音を立てるだけでブラウンドラゴンの足を離さない。


「やっぱりキャラは凄いよ。」


私の方を見ずに呟いたシャル様がブルードラゴンに向かって赤雷の大槌を振り下ろす。角と尻尾の先端、両方から射出された水がシャル様の全身を貫く。


「残念だけど、私にそれは効かない。」


バチバチバチバチッ!


恐怖感を覚える程の雷撃音が響くと、ブルードラゴンの全身が硬直し、痙攣する。それでも雷撃を止めないシャル様。

全身を赤雷が走り回り続け、鱗の隙間から黒煙が立ち上る。全身の筋肉や臓器が焼け付き、嫌な臭いが風に乗って漂ってくる。

口や鼻からも黒煙が立ち上り、ブルードラゴンの命が消え去るまで、雷撃は止まなかった。


ブチブチッ!


ブラウンドラゴンが私のバインドを力ずくで解いたのは、ブルードラゴンが完全に沈黙した後のことだった。


「シャル様!」


グシャッ!


嫌な衝突音の後、シャル様の体が宙に浮き、こちらへと向かって飛んでくる。

木魔法でなんとか衝撃を和らげたけれど、腹部がズタズタになってしまっている。


「シャル様!」


駆け寄ろうした私を、それでも手で制止するシャル様。いくら治癒力が高いとは言え、痛みは感じるはず。私が防ぐはずの攻撃さえ、その身で全て受け止めてくれている。自分の力の無さが恨めしい。


「大丈…夫……」


少し言葉に詰まったけれど、シャル様は立ち上がり、腹部も修復された。


「雷が効かない相手は少しだけやりにくい。でも、やり方はいくらでもあるから。」


「私の火魔法も効果が薄いです。」


「分かってる。」


赤雷の大槌を消したシャル様が、両手に何かを取り付ける。


ナックルダスター。メリケンサックとも呼ばれる武器で、拳に取り付ける武器。


「マコトに貰った新しい武器。良いでしょ。」


微かに口角を上げて笑うシャル様。ドラゴンを目の前にして後ろを振り返り自慢出来るのはシャル様くらいのもの。


「羨ましいですが!前を見て下さい!」


「うん。分かった。」


ブラウンドラゴンが振り返ったシャル様の頭部に尻尾を振り下ろす。


「危ない!」


ガンッ!


先程の衝突音とは違う衝突音が響く。


振り下ろされた尻尾を左腕の拳で受け止めたシャル様。両足を支えている地面が陥没し、ヒビが入っている。


「たぁー。」


バキッ!


空いている右腕で尻尾を殴り付けると、破壊された石の棘が破片を撒き散らしながら大きく打ち上がる。

打ち上がった尻尾の先端がパキパキと音を立てて凍り付いていく。


「ピュレーナの力が入ってる。石でも凍る。」


「す、凄い…」

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