第94話 前哨戦 (2)

「トードニー!私達も負けてられんぞ!」


「ですね!……来ます!毒液です!」


口から飛び出す毒液については既に聞いている。分かっていれば避ける事は容易い事も。


「一気に決めるぞ!」


「はい!」


「はぁぁっ!」

「うぉぉ!」


左右から挟み込んで巨大な蜘蛛へと刃を突き立てる。


ドロドロとした透明な血を流して暴れ回る蜘蛛を何度も突き刺していく。

足をブンブンと振り回しているが、それも長くは続かなかった。


「終わりだぁ!」


魔力を込めて突き出した槍先が蜘蛛の腹を抉る。それと同時に引火した蜘蛛の腹から炎が燃え移り、蜘蛛の全身を包み込んでいく。


数秒間のたうち回ったが、息絶えた蜘蛛はそのまま消し炭へと変わっていく。


「はっは!どうだ!」


「こっちも終わったぞー。」


「どうやら凌ぎきったみたいだな。」


テナガゴリラも、グリーンビーも絶命して地面に横たわっている。

遠距離攻撃を繰り返していた吸血鬼達は、いつの間にか攻撃を止めている。


「なんだ?」


先頭に立っている吸血鬼達はニタニタと笑っている。


「なんでしょうか…?気色悪いですね…」


笑っていた吸血鬼達が左右に別れると、テナガゴリラ達が入っていた檻と同じくらいの大きさの檻が現れる。


「なんだありゃ…」


檻というよりはに近い。隙間はほとんど無く、所々が内側から殴られた様に歪んでいる。

箱の中からは恐ろしいオーラがヒシヒシと伝わってくる。


吸血鬼のうちの一人が箱の扉に掛かった大きなかんぬきを引き抜くと、扉がギィーっと嫌な音を立てて開いていく。箱の中は暗くて、ここからでは何も見えない。


よく見てみようと目を細めた時、開いた扉の奥から細長い物が飛び出してくる。閂を抜いた吸血鬼が細い何かに腹を貫かれ、中へと引っ張りこまれそうになる。


「や、やめろ!嫌だっ!嫌だぁぁ!」


扉に手足を引っ掛けて引っ張りこまれないように必死に足掻く吸血鬼


「いやだぁぁぁ!!」


ガリガリと吸血鬼の爪が音を立て傷跡を残す。暗闇の中に消えた吸血鬼の声が、プツリと消える。


カラカラ…


箱の中から乾いた音が聞こえてくる。


「この音…」


「マコトが言ってた奴だろうな。」


ギシギシと音を立て、箱の中からゆっくりと出てきたのは骨を全身に纏うボーンドラゴン。マコト達の話ではかなりの強敵。恐らく私達では相手に出来ない類のモンスターだ。その上全身にサニクシがぶら下がっている。


「勝てそうにねぇな…」


「後退だ!急げ!」


「背中を見せて生きていられる気がしないんだが…?」


「私が囮になる!」


「団長こそ下がってください。囮をするなら俺ですよ。」


「よせ!トードニー!」


「団長は直ぐに危険な場所に突っ込んで行きますからね。」


「ポリエル!下がるんだ!」


「行ってください。団長がいない自警団なんて格好が付かないですからね。」


あのボーンドラゴンに攻撃を通せるのは、恐らくマコトから貰ったこの槍か、ジルの持っている短剣だけ。

ただ、あくまでも傷を付けられる武器を持っているというだけの事。私が攻撃を当てるより早く、三回は殺されるだろう。


「ヤガさん!団長をお願いします!」


「…分かった。」


「待て!ヤガ!私が行く!」


「バカが!あいつらの事を思うならここは一秒でも早く戻るんだよ!」


私を引き摺って後退するヤガ。


「ジルさん!ガリタさん!後のことは任せます!」


「……任された!」


ジルとガリタも後退を始める。


「トードニー!ポリエル!」


離れていく二人の背中。


「損な役回りだな。」


「団長を生かす為なら惜しむ命でもないでしょう?」


「そうだな。あの人が居なければ、俺達が騎士になるなんて有り得ない事だったからな。夢を見させて貰った恩返しだ。」


「後退を終えるまでの時間くらい稼がないとね。」


「命を掛けるんだ。それくらいは稼ぐさ。」


のそのそと足を運ぶボーンドラゴン。

その前に立ち塞がる二人。


「………」


「…………」


ビュン!


風を切る音がすると、二人の目の前の地面が抉れる。わざと外したのだ。遊ばれている。二人はまるで反応出来ていない。


「ちっ…」


「はぁっ!」


ポリエルが飛び出して斬り掛かる。


ビュン!


「退けぇ!」

ドンッ!


飛び出したポリエルを真横から蹴飛ばすトードニー。


「うぉぉ!」


盾を構えて、短剣を振り上げる。


ザシュッ!


「………ごふっ…」


「トードニー!!」


構えた盾。用意された鎧も突き破り、トードニーの腹を貫通するボーンドラゴンの舌。

口から血を吐いて、目を見開くトードニー。


「最後に女を護れたんだ。悔いは無ぇ。だが…まだだ!」


トードニーは腹に刺さる舌に短剣を振り下ろす。


バキィン!


舌に当たった短剣が無情にも砕け散る。僅かな傷を付けただけに過ぎない。


「ケン様みたいにはいかねぇなぁ…」


グイッと舌がトードニーを持ち上げ、そのまま引き込まれていく。


「まだまだぁ!」


ボーンドラゴンの外殻の骨に手足を突っ張らせて最後の悪足掻きをするトードニー。


「どうしたドラゴン!シェア隊長の訓練の方が百倍は辛かったぞ!」


「トードニー…」


「はぁぁぁ!!」


ポリエルが踏ん張るトードニーの後ろから走っていく。構えた細剣がやけに頼りなく見える。


ガガガガガッ!


「ポリエル!!」


ボーンドラゴンが骨を射出し、それが地面に突き刺さる。


「ぐっ…」


ポリエルの左胸に突き刺さった骨が背中から突き出し、そこから真っ赤な血がぽたぽたと地面に落ちる。

力を失った足がカクンと折れ曲がるが、倒れる事は無かった。細剣を地面に突き立てて、姿勢を保とうとするポリエル。口の端からも血が垂れてきている。


「こんな攻撃……効きませんね……」


よろよろと前に進むポリエル。


「グギャァ!」


ボーンドラゴンが短く鳴くと、外殻の骨が飛び回る。


ザクザクッ!


飛び回っていた骨がトードニーの背中に何本も突き刺さる。


「ぐぁぁっ!!」


「ダメだ!トードニー!死ぬなぁ!」


「……シェア隊長……」


私の名前を呼んだトードニーの手足から力が抜け、骨の中へと入っていく。


バキッボリッとを砕く音が響く。


カキィン…


まるで力の無い、斬撃とも呼べないポリエルの一撃が、ボーンドラゴンの足に当たる。


「シェア隊長………申し訳……………」


突き刺さった骨と、口から滴る血。ポリエルは片膝を地面に着いて言葉を止める。

その目からは光が失われ、二度と彼女の声を聞くことは出来ない。


「そんな……トードニー!ポリエル!くそっ!くそぉ!殺してやる!私が殺してやる!!」


目から流れる涙は熱く、止まりそうに無い。


「落ち着け!あいつらの死を無駄にするな!」


「うあぁぁぁ!!」


止まない怒りに暴れ回る私を、無理矢理引き摺るヤガ。


「くそっ…ジル!ガリタ!このままじゃ全員死んじまう!団長を引き摺ってでも上に連れて行け!」


「ヤガは?!」


「俺が殿しんがりを務める!」


「…分かった。」


「離せ!あいつは許さない!私が殺してやる!」


「落ち着け!団長が今出ていったら」

バチィン!


頬に受ける衝撃と、その後に広がる熱。頬を打たれたと気が付いたのは、数秒後だった。


「二人の死を無駄にするつもりですか?!何の為に命を掛けたと思っているのですか!」


「………」


「お、おい…ガリタ…?」


「私達の役目は早く後退する事です!彼らの死を無駄にしないで下さい!」


初めて見た時は気弱で大人しいイメージだったガリタ。今、そんなガリタに頬を打たれ叱咤しったされている。

未だ消えぬ怒りの感情。それでも、落ち着く事が出来た。


「………すまない…」


部下を失った悲しみは消えそうもないが、今やるべき事をやらなければ皆死んでしまう。


「行きましょう!」


「…あぁ。」


崖に向かって走り出す。

後ろではヤガ一人だけでボーンドラゴンへと向かっている。


「やっと落ち着いたか。世話の焼ける団長さんだぜ。

おーい!そこの骨野郎!」


骨の中から聞こえていた砕く音。それが消えた所でヤガの声に反応するボーンドラゴン。


「グギャァ!」


「なんだ?何怒ってんだ?雌だったか?」


ビュン!


「うおっ?!いきなりかよ?!」


見えているのかいないのか分からないが、一撃目は避けられたらしい。


「団長!」


「エリル!」


崖の上からエリルが魔法を使って私達を上げてくれる。


「団長…」


「……すまない…私が不甲斐ないばかりに…」


「そんな事はありません。」


「……」


「あの二人の為にもここは絶対に守りましょう!」


「…そうだな。

全員!ヤガの援護に集中しろ!」


「「「「はい!」」」」


「なんとか辿り着いたみたいだな……背中を見せて逃げる訳にもいかねぇからな…」


「グギャァ!」


「そんなに熱烈な視線を向けられても気持ちに応えてやる気は無ぇぜ。」


ヤガが戦斧を構える。


ヒュン!


「だらぁっ!」


戦斧を振り下ろすと、向かってきていた舌に当たり、弾き返す。


「見えているのか?!」


一撃目は避けて、二撃目は弾いた。


「お。当たった。」


「み、見えているわけでは無さそうですね…」


「やれば出来るものだな。って言っても、一撃弾いただけで自慢の戦斧にヒビが入るとはな…」


ヤガの持っている戦斧には大きなヒビが入っている。受けられたとしても後一撃だろう。


「ヤガ!下がれ!」


「下がれないのは分かってるだろ。団長さん。」


「ヤガ!」


「せめて腕の一本くらい持っていきたい所だが…まぐれはそう何度も続かないだろうな。」


「グギッ……グギャァァァ!」


「こっちの仕事は終わってんだ。遠慮無く行かせてもらうぜ!」


ヤガは下がるどころか、ボーンドラゴンに向かって走り出した。


「グギャァ!」


ボーンドラゴンの周りを骨がグルグルと飛び回る。

一つでも当たれば死ぬというのに、ヤガは足を止めずに突っ込んでいく。


「グギャァッ!」


グルグルと飛んでいた骨が一斉にヤガの元へと飛んでいく。


ガガガガガッ!


地面に突き刺さった骨の方が多いが、ヤガの左肩、右の太腿にも刺さる。


「痛く…無ぇ!!」


無理矢理左足で跳躍するヤガ。既に左腕は上がらなくなっているらしい。


「オラァァァ!!」


右腕のみで振り下ろした戦斧がボーンドラゴンの脳天へ叩き付けられる。


「グギャァァァァ!!」


トードニーとポリエルが先に戦っていた事で、外殻の骨が減り、隙間が出来ていたらしい。ヤガの戦斧はボーンドラゴンの外殻を抜けて一撃を叩き込んだ。

しかし、ヤガの戦斧もまた、ガラガラと音を立てて砕け散る。


「三人でやっと一撃かよ。」


「下がれ!ヤガ!」


「悪いな。団長。」


「ヤガ!?」


「もう動けねぇ。」


「グギャァァァァ!」


私の方を振り向いて言ったヤガ。その頭がボーンドラゴンの舌によって飛ばされる。首の無くなったヤガの体は、その場に倒れる。


「ヤガ……全員!ボーンドラゴンに向けて攻撃開始!」


魔法や矢が飛んでいくが、大きなダメージにはならない。

のそのそと歩いてくるボーンドラゴン。このまま近付かれれば、ボーンドラゴンの体にぶら下がっているサニクシの影響を皆が受けてしまう。

ボーンドラゴンの後ろに居る吸血鬼達もゆっくりと歩を進めている。


「……ここまでか…」


「団長?!」


「ここで全滅しては、それこそ勝機を失う事になる…ここは引くぞ。」


「………分かりました。全員」

ドゴーーーン!!


突然飛んできた何かがボーンドラゴンを後方へと吹き飛ばす。ボーンドラゴンが、自分の入っていた箱に当たると完全に変形させてしまう。


「な、なんだ?」


何が起きたのか分からないが、ボーンドラゴンが吹き飛んだという事だけは分かる。


「遅くなってごめんなさい。」


「シャーリーさん!ボボドルさん!」


「よく耐えてくれたわね。あれは私達に任せてちょうだい。」


「お願いします!」


「ボボドル!行くわよ!」


「おう!」


ボボドルさんが崖を降りていく。


「奥の連中の事は任せるわ。」


「はい!」


シャーリーさんも崖を降りていく。


「ボーンドラゴンへの攻撃を止めろ!後ろの吸血鬼共に撃ち込め!手を出させるなよ!」


「「「「はい!」」」」


ーー・ーー・ーー・ーー・ーー・ーー・ーー



「ボボドル。なかなか手強そうね。」


「一応ドラゴンらしいからな。」


「マコト達が来るまでに片付けておかないと、馬鹿にされてしまうわよ?」


「それは嫌だな。さっさと片付けるとするか。」


私の前に居るボボドルが腰から直剣を抜く。マッドドラゴンという天災級ドラゴンの骨をベースに加工されたものらしい。

ボボドルは闇魔法を使うけれど、敢えて土属性のマッドドラゴンの骨を用いたのは、単純な硬度が高いかららしい。詳しい事までは分からないけれど、何度も叩いて硬くしたと言っていた。ミスリルくらいなら簡単に斬れるらしい。


「良い剣だ。」


「グギャァァァ!」


ボボドルの存在を警戒しているのか、ボーンドラゴンが威嚇してくる。


「悪いが試し斬りさせてもらうぞ。」


ビュン!


ボーンドラゴンの舌がボボドルに向かって真っ直ぐ突き出される。


ボボドルが剣を素早く数回振る。


ビシャッっと私の右前にボーンドラゴンの舌の一部が血を撒き散らして転がる。


「グギャァッ!!」


「確かにこれは規格外だな。」


「当然でしょ。マコトの力作なんだから。」


「確かにシャーリーの言う通りだな。この剣よりずっと規格外な奴が打った剣だからな。」


「グギギャァ!!」


ゴウッと風が巻き起こると、ボーンドラゴンの外殻から抜けた骨が舞い踊る。


「精巧の魔導師と呼ばれるシャーリーの前で、そんなに大雑把な魔法を使っても大丈夫なのか?」


ボボドルが言ったことは正しい。確かに力は凄いけれど、大雑把で穴の多い魔法だ。マコト達の話で聞いたより少し小さな個体だし、まだ幼いボーンドラゴンなのかもしれない。だからと言って容赦は出来ないけれど。


「ウッドグラップ!」


第六位の木属性魔法。ウッドグラップ。対象を包み込んで圧力を掛ける魔法。単純な魔法であり、対処方法も数多く存在するけれど、私の魔法は全て緻密に組み上げられた物。そんなに簡単には壊れない。


ガガガガガガガッ!


地面から出てきた大きな木の幹が、風の中を飛んでいる骨をその身に受ける。完全に突き刺さるが、ただそれだけの事。ボーンドラゴンを包んでいる風をものともせずにそのまま突き進む。


「相変わらずの魔法だな!」


「良いから早く斬りなさい。ウッドグラップは動きが遅いから避けられるわ。」


「そうだったな。」


ボボドルがウッドグラップの上を走る。懐まで入り込み直剣を振るけれど、咄嗟に後ろへと飛んだボーンドラゴンに躱されてしまう。

外殻の骨が切り裂かれてカラカラと地面に落ちたけれど、本体は無傷。


「ボーッとしてるから外すのよ。」


「面目ない。」


「グギャァ!」


骨をボボドルに向けて飛ばしつつ、切れた舌での攻撃してくる。


「ウッドシールド!」


ガガガッ!


骨は防げたけれど、舌の攻撃はシールドを迂回してボボドルに向かう。


「ふんっ!」


ボボドルの振り上げた剣が切れた舌を更に切り刻む。


「これで終わりよ!

テアープラント!!」


テアープラントは第七位の木魔法。私が考えた魔法で、細長い毛の様な植物が束になって相手に絡み付き、引き千切ちぎる。


ボーンドラゴンを取り囲む様に地面から伸びてきた細長い毛の様な植物が、ボーンドラゴンの体に次々と巻き付いていく。

数本ならそれ程の力は生み出せない。でも、それが数千、数万と数を増やしていくと、一本の太い木よりずっと頑丈で強い力を生み出す。


「グギギギッ…」


なんとか耐えようとしているボーンドラゴンの全身に絡み付いた植物がゆっくりと地面の中へと戻っていく。ボーンドラゴンとしては全方位から異常な力で引っ張られている形。


メリメリとボーンドラゴンの全身から音が聞こえてくる。


「グキャッ!グギャァ!!」


全身が四方八方へと引っ張られ、ミチミチと音を立てる度にボーンドラゴンの真下に大量の血が落ちて血溜まりを作る。


「グギャァァァァ!」

グジャ…


全身を引き千切られたボーンドラゴンはそのまま地面の中へと入っていく。


先頭に居た吸血鬼達は、その光景を目にして固まっている。自分達では倒せない相手を目の前で屠られたのだ。当然と言えば当然の事。


「お二人を援護しろぉ!」


後ろから聞こえてくる声が届いた数秒後、固まっていた吸血鬼達の中に魔法と矢が降り注ぐ。


「まだまだ戦闘は始まったばかりだ。ここは一旦引いて地形を利用した戦いに持ち込むぞ。」


「分かったわ。」


ボボドルの判断に従って崖の上に戻る。直ぐにシェアが駆け寄ってくる。


「シャーリーさん!」


「遅くなってしまってごめんなさいね…」


「いえ…」


「……もう少しでドワーフと、エルフの部隊が到着するわ。それまで私達でなんとか凌ぎましょう。」


「はい!全員魔力と体力に気を付けて攻撃を続行しろ!あと少しで援軍が到着する!それまでなんとしても持ち堪えろ!」


「シャーリー。お前はここから強敵になりそうな相手を叩いてくれ。俺は近付いてきた奴らを叩く。」


「分かったわ。気を付けるのよ。」


「シャーリーもな。」


ボーンドラゴンを倒した後、下級の吸血鬼達が崖を目指して走ってくる様になった。

散発的な突撃だけれど、身体能力の高い吸血鬼が相手。気の抜けない攻防が続く。

奥にはまだモンスターを閉じ込めている檻が見えるけれど、それを解放するつもりはまだ無いらしい。恐らく、私達を休ませない為だけの突撃を行っているに過ぎない。疲れが出てきた頃を見計みはからって一気に攻勢に出るつもりのはず。私達としては部隊が整う時間が稼げるなら嬉しい限り。


一時間が経過した頃、ドワーフとエルフの部隊が到着する。


「相手もそのうち攻勢に出てくるはずよ。気を抜かないようにね。」


「はい。」

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